2025.01.09[花園L]聖地で奮闘した後輩たちの姿を活力に。同じ舞台での大阪ダービー、勝利で誇りを示す

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第3節
2025年1月11日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs レッドハリケーンズ大阪

花園近鉄ライナーズ(D2)

レッドハリケーンズ大阪の固いディフェンスを切り裂くか、左ウイングで出場する木村朋也選手

ディビジョン2の開幕からいまだに勝利がない花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)。首位を走るレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)を東大阪市花園ラグビー場に迎え、“大阪ダービー”に挑む。

向井昭吾ヘッドコーチも背水の陣で挑むことになる一戦に向けて危機感を口にするが、要所に実力のある選手をそろえる花園Lの中で、特にモチベーションを高めるのが、前節の日野レッドドルフィンズ戦でハットトリックの活躍を見せた木村朋也である。

花園Lのエンブレムに刻まれた“1929”の数字は、前身の近鉄ラグビー部が創設された年である。百年近く、大阪を本拠に戦ってきた“老舗”にとって今回のダービーはプライドを示す場でもある。

「相手は首位なのでリスペクトをもたないといけませんけど、負けるような相手でもないと思っています」と木村は秘めた誇りと自信を口にする。

昨季はD1で8試合の出場ながら5トライをゲット。チーム屈指の韋駄天にボールが渡ると、自ずと攻撃のギアが一気に上がっていく。

勝利が必要な大一番に加えて、木村をより燃え上がらせるのは9年ぶりに“ラグビーの聖地”に帰ってきた後輩たちの奮闘である。

今年度の全国高校大会には京都工学院高校が出場したが、木村は前身の一つである伏見工業高校出身。「僕が高校2年で出場したとき以来です。全試合見させていただきました」と3回戦まで進出した母校の戦いぶりを見守った。

特にいまの3年生が1年生だった当時、母校を訪れた木村が指導するなど接点もあっただけに「思い入れのある学年なので出場してくれてうれしかったし、彼らのプレーを見て、初心を思い出させてくれました。花園でプレーしたときの感動が蘇ってきましたね」

あらためて東大阪市花園ラグビー場に立つ喜びとやり甲斐をかみ締めた木村は、花園Lの一員として今節のピッチに立つ。「力関係はどちらが上という思いはありません。ただ、大阪ダービーなので、ここはプライドをもって勝ちにいきます」。

D2で現在最少失点のRH大阪を、切り裂くのは、母校愛にも満ちたこの男だ。

(下薗昌記)

2025.01.09[RH大阪]“絆”を重んじるクラブキャプテン。勝利のために「みんなでつながっていく」

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第3節
2025年1月11日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪(D2)

今シーズン初出場、クラブキャプテンを務める鶴田馨選手(写真は2024年3月31日、対九州電力キューデンヴォルテクス戦)

1月11日(土)、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)は、花園近鉄ライナーズとのビジターゲームに臨む。リーグワンが始まってから4季目にして初めて、大阪を拠点とする2チームが同じディビジョンに属した。今節はリーグワン初の“大阪ダービー”だ。

RH大阪は、昨季一度も勝てなかったチームを相手に開幕から2連勝。ここまでの2戦で自陣22m内への進入を許したのは、D2最少の13回というデータもある。松川功ヘッドコーチはつながりや連係、英語であれば“コネクション”という言葉を使うような場面では“絆”という言葉を使うが、その“絆”こそが今季のディフェンス面を向上させた要因の一つだ。

今節は、直近2戦とは異なる選手が先発メンバーに名を連ねた。その中に今季新たに据えられたクラブキャプテンに就任した鶴田馨が入っている。松川ヘッドコーチは、鶴田馨について「チームの特徴を表す、『常に努力を続けている』選手」だと評価している。加えて、「グラウンドだけでなく、グラウンド外でも規律面を見て、絆を深めてくれている。スタッフや選手から信頼されているので、そういう選手がグラウンドで良い準備をして良いパフォーマンスを発揮してくれれば、チームにも良い影響を与えてくれる」と、鶴田馨のプレーを楽しみにしている様子だった。

「年齢的にも(29歳で)真ん中よりも少し上になり、年上からも年下からも意見を聞きやすい立場になった。下の世代に引き継ぎつつ、さらに良い文化を築いていけるように」とクラブキャプテンを務めている鶴田馨。グラウンド外での活動を中心になって行い、“絆”をより深め、チームの文化をつないでいく役割を担っている。

“絆”を重んじる役割に就くからこそ、今季、チームが好調な背景にも“絆”があると感じているという。「みんな仲もいいし、スタッフの人たちに頑張ってもらっていることを感じた上でプレーできている。そこはどのチームにも負けない」と自信をもつ。大阪市内の各区とつながりが深まったことで、多くの人に応援してもらっていることもみんなが自覚している。見に来てくれる人が増えたことで、「さらにいいチームになっていきたい」という気持ちも強まった。

今節はビジターゲームだが、大阪府内なので試合会場は近い。開幕戦に区民招待で来てくれた人たちが見に来てくれるかもしれないことにも触れ、「このスポーツ自体が面白いなって思ってもらえるよう」、そして応援してくれる人たちが「誇れるようなチームの姿を見せたい」と話した鶴田馨。勝つことにフォーカスし、持てる力を尽くして「みんなでつながっていく」。

(前田カオリ)

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