2025.01.17[日野RD]司令塔の復活。「心から楽しめるラグビーをお見せしたい」

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第4節
2025年1月18日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs 九州電力キューデンヴォルテクス

日野レッドドルフィンズ(D2)

ほぼ10か月ぶりの復帰となるサイモン・ヒッキー選手日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)は1月18日、AGFフィールドでのホストゲームに九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)を迎える。

日野RDはこの試合でサイモン・ヒッキーが復帰する。「相手の状況を把握しての対応力には素晴らしいものがある。スペースをうまく突けるプレーも強み」と苑田右二ヘッドコーチも大いに期待を寄せるニュージーランド出身の司令塔。フォワードの強さなど、ここまで3試合で見えた良い点を継続しながらも、ヒッキーのゲームメークが加わることでより“エキサイティングでワクワクするラグビー”をファンに披露したい。

「詳しい戦術は言えないですが、フォワードとバックスが良いバランスで攻めながらボールをどんどん動かしていくラグビーを展開したい」とヒッキーはすでに頭の中にいくつものパターンを描いている。

「まず重要なのは最初の10分間で後手に回らないこと。そしてそのあとも80分間、自分たちのラグビーを貫いていけるかが求められています」と、昨年3月24日以来の公式戦出場となる試合を見据える。その試合で負ったけがによって長いリハビリ期間が続いたが、「ラグビーというスポーツが心から大好きですし、『大好きなこの日野RDの仲間とともにもう1回プレーしたい』という気持ちがここまでの自分を支えてくれたと思います」と静かに思いを語った。待ちに待った復帰戦に向けて、フィジカル面もメンタル面も準備は整った。

日野RDはここまで3試合を戦ってまだ勝利には届いていない。苑田ヘッドコーチは「『困難な状況でも再生してチームを向かうべき方向に進ませていこう』と意思統一して1週間準備してきた」と明かす。「誰が出ても遜色のないメンバーがそろっているし、これまで出場がなくハングリーな気持ちになっていたメンバーにはチャンス。強い気持ちを出してチームに勢いをもたらしてほしい」。そう言って新戦力の奮起に期待を寄せた。

ヒッキーは、「日野RDのベストなラグビーがもう少しで出せるところまできている」と感じているという。そして、「久しぶりの試合で緊張がないとは言えませんが、その緊張感を逆に力として、応援を続けてくれているファンのためにもエキサイティングで心から楽しめるラグビーをお見せしたい」と復帰戦に臨む。彼が司令塔を務めることでチームの新たな一面が引き出されるか、大いに注目だ。

(関谷智紀)

2025.01.16[九州KV] 壁を打ち破るために考える、自分なりの『BE TOUGHER』

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第4節
2025年1月18日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs 九州電力キューデンヴォルテクス

九州電力キューデンヴォルテクス(D2)

九州電力キューデンヴォルテクスでキッカー役を担っている萩原蓮選手

開幕戦を白星で飾ったものの連敗を喫し、黒星が先行してしまった九州電力キューデンヴォルテクス。今節は日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)とのビジターゲームに臨む。

「どう改善していくのかは自分も日々、考えてはいますが、模索中でもあります」

萩原蓮はいま、もがいている。チームは連敗中。自身のプレーに目を向けてもここまでまだトライがなく、「あまりよろしくない」と苦笑いを浮かべる。

また、キッカーを務めるコンバージョンキックについては、ショットクロックの導入が少なからず影響しているようだ。

「言い訳にしてはいけないんですが、実際の試合となると疲労もあるし、スプリントしたあとすぐに蹴ることもある。状況に応じて良いキックを蹴らないといけないので、けっこう、プレッシャーがあります」

もちろん、その現状を甘んじて受け入れているわけではない。その壁を乗り越えようと考えを巡らせる。そこには今季のシーズンテーマ『BE TOUGHER』への思いもある。

「自分に打ち勝つということ。常に最大の敵は自分自身ですし、一つでも二つでも(安易な選択ではなく)タフなチョイスをすることができれば、それは個人としての良い準備につながりますし、それが結果としてチームとしての良い準備につながっていく」

それが萩原なりの『BE TOUGHER』。だからこそ、日々の取り組みに工夫を施す。

「試合の入りが課題としてあるなら練習の入りをまず良くしていこうと思っているし、キックでも練習のときにはモニターに時間を出してもらって蹴るようにしていますし、スプリントをして疲れた状態でキックする練習メニューも入れていこうかなと考えています」

今節、対戦する日野RDの苑田右二ヘッドコーチは法政大学でヘッドコーチと選手の関係で指導を受けた間柄でもある。

「こういう形で戦える機会というのはあまりないと思いますし、負けたくない思いはあります。僕はけっこう、意識してしまうかもしれないですが良いプレーをして、成長した姿を見せたい」

萩原がもがくのは目の前の試合に勝ちたいからにほかならない。与えられた役割を遂行し、今度こそ、勝利をつかみ取る。

(杉山文宣)


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