NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第5節
2025年2月1日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs 日本製鉄釜石シーウェイブス
日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

前節は30対33で惜敗したものの、今季ベストとも言える試合内容を見せた日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)。敗戦の中にもポジティブな要素をたくさん見せた一戦となった。
この試合を含め、今季の全試合で獅子奮迅のパフォーマンスを見せているのが、サム・ヘンウッドだ。彼は第4節終了時点でボールキャリー1位、ゲインメーター3位、ディフェンス突破2位、タックル成功2位と主要部門でディビジョン2のトップ3に入る成績を残しているが、自身はその数字をほとんど意に介さない。常にチームスピリットを欠かさない、チームプレーヤーのお手本のような選手だ。
チームはここまで1勝3敗。開幕戦は最終盤、逆転トライ目前のノックフォワード(ノックオン)でスコアできずに敗戦。前節は残り5分までリードを奪いながら逆転負け。勝利が近くて遠いような試合も多いが、ヘンウッドはチームの成長と例年にない接戦の連続を大いに楽しんでいる。
「釜石SWはこれまで対戦相手から『勝てる可能性が高いチーム』と思われていたかもしれないし、実際に自分たちが勝つためにはやるべきことが多すぎる試合もあった。でもいまは違って、どこが相手でも戦えるという信念を分かち合えるようなところまで来ていると思います」
過去の釜石SWはレギュラーシーズンでほとんど勝てず、大差での敗戦となる試合も多かった。しかし今季は前述のように一つのペナルティ、エラーがなければ勝てたという試合を演じることはできている。勝利への距離は確実に縮まっているといっていい。
「今季は最後のところで勝てない試合が二つあった。でも、本当に惜しい敗戦だったからこそ、よりフォーカスできるミスやエラーもある。そこから得たものをこれからの学びにしていくしかない」とここからの巻き返しを誓っている。
バイスキャプテンも務めるナンバーエイトは「勝ち切る試合ができていないのが課題」と話す一方で、それは接戦ができるところまでレベルアップしてこられたからこそ浮き出てきた「ポジティブな課題」と捉え、そこに向き合える喜びをかみしめる。
「勝てる力があるのは分かっている」と自信にあふれる言葉を残すヘンウッドが目指すのは“惜しい”のその先。今季2勝目をかけたビジターゲームでも尋常ならざるワークレートでファンを沸かせてくれるはずだ。
(髙橋拓磨)