2025.02.13[釜石SW]故郷での一戦で大きなうねりを。クラブキャプテンがその先陣に立つ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第6節
2025年2月15日(土)12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

課題だったタックルを改善。今シーズンは全試合に先発で出場し続けている河野良太選手

日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)は2月15日にウェーブスタジアム刈谷で行われる豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)戦に向けて入念に準備を進めてきた。2月11日は気温0℃、頬を刺すような冷たい北風が吹きすさび、グラウンドに雪が積もる中でのトレーニングだったが、選手たちはそんなコンディションも意に介さず。今季2勝目を達成すべく、最大限の集中力でハードなメニューを消化した。

今季、鋭いタックルや力強いゲインで際立った活躍を見せる河野良太も、ときおり笑顔を見せながら精力的に取り組んだ。

「昨季は左肩からタックルに入らなければいけない場面でも得意な右肩から入ってしまっていた。けがや脳振盪にもつながるし、試合展開を考えても課題だったので改善に取り組みました」

29歳のフランカーは昨季プレータイムが減少。不完全燃焼のシーズンを送った。それでも今季は課題とされたタックルが改善し、7番として全試合に先発出場。そのパフォーマンスで信頼を勝ち取っている。

グラウンドでは勇猛果敢な姿を見せる河野だが、別の一面がある。それはクラブキャプテンとしての顔だ。釜石SWのクラブキャプテンは選手とクラブのつなぎ役であり、地域への発信役でもある。要望をクラブに伝え、ともに改善に向け動く一方で、表敬訪問やイベントなどでは自身の言葉で発信する。つい先週もクラブの代表として、スマートフォンでの確定申告PRイベントに参加した。

一昨季に就任したクラブキャプテンをはじめ、加入以降はヤングリーダー、選手会副会長を務めるなど先頭に立ち続けてきたが、もともとは「人前に出るのが得意ではなかった」という。それでも大東文化大学でキャプテンを務めたことがリーダーとしての素地を作り、いまではクラブを支える一人として存在感を放っている。

「ここまで1勝4敗ですが、今季はどの相手にもやるべきことをやれば勝てるという気持ちを全員が持っています。課題は試合の入り方。立ち上がりがカギになると思います」

愛知県出身の河野にとって両親や旧友の目の前でプレーできる絶好の機会となる今節の相手は2位のS愛知。続く第7節では現在、首位のレッドハリケーンズ大阪と対峙する。

「ここで連勝すれば一気に勢いに乗れる」

波に乗るための重要な2戦。チームの核弾頭が“STEEL WAVE”の先陣を切る。

(髙橋拓磨)

2025.02.13[S愛知]地道なプレーの積み重ねが育む、チームの太い根幹。その守備に注目せよ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第6節
2025年2月15日(土)12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

豊田自動織機シャトルズ愛知はここまでディビジョン2で得点数は最多、失点数も最少。山口知貴選手(青のヘッドキャップ)は「ディフェンスは、チームとして守ることが大切なので、得点数より失点数を意識しています」と語る

上り調子で勝ち星を重ね、2位につける豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)が、日本製鉄釜石シーウェイブスをウェーブスタジアム刈谷に迎えての一戦。S愛知としては、4連勝を飾ってさらに波に乗りたい試合だ。

4勝1敗の成績は、首位を走るレッドハリケーンズ大阪と同じ。しかし、今節を前にしてのS愛知の得失点差は86。ディビジョン2で得点数は最多、失点数は最少の数字だ。直近2試合で勝ち点5を獲得するなど、好調を維持している。

その要因の一つが、セットピースの安定。徳野洋一ヘッドコーチは特にスクラムについて、「今季の開幕から2試合は少しチグハグな状態だったが、コーチと選手が同じ絵を見ながらやってきて、徐々に良くなってきた」と説明する。ただ、「もともとスクラムを強みにしているチーム。5年がかりで強化をしてきたので、本来の力はもっと高いところにないといけない」と上を見据えている。

開幕からプロップで先発出場を続けている山口知貴も、「昨季のS愛知のスクラムからしたら、まだまだ足りないです」と兜の緒を締める。「圧倒的なスクラムで相手を押し込んで、ペナルティを取れるように」フォワード陣一丸で向上していく意気込みだ。

前節、山口からバトンを受け取って今季初出場を果たした津志田卓哉は「試合のメンバーに選ばれたことに感謝して、自分にできることを100%やる気持ちでした」と回想する。スクラムの内容が良くなっていったのも、津志田をはじめ出場機会が限られていたメンバーの貢献があったからこそ。選手同士のコミュニケーションのち密さも、S愛知のストロングポイントの一つだ。

また山口は好調の要因について、失点の少なさを挙げる。「アタックや得点するところは個人の能力によることもある。ただディフェンスは、チームとして守ることが大切なので、得点数より失点数を意識しています」。

S愛知にとって、一つひとつの地道なプレーが生み出す強固なディフェンスは、チームのラグビースタイルの根幹。S愛知の試合を観るときは、ディフェンスの部分に注目してみると、また違った発見があるかもしれない。

(齋藤弦)

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