2025.02.28[日野RD]2年前の悔しさはいまだその脳裏に。ゲームキャプテンが必勝を期して試合に臨む

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第7節
2025年3月1日(土)12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズ(D2)

今シーズンはゲームキャプテンも任されている中鹿駿バイスキャプテン

ディビジョン2のシーズン折り返しとなる第7節。日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)はウェーブスタジアム刈谷で開催される豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)とのビジターゲームに臨む。

ゲームキャプテンの中鹿駿は「S愛知さんは多彩な攻撃を見せてくるチームだが、自分たちも相手以上にエキサイティングなラグビーで対抗したい。それができれば勝利をつかめるし、後半戦で一気に連勝することもできると思う」とチーム全員の思いを代弁した。

「『ここは勝たないといけない』とみんな分かっている。フィジカルの部分はどの相手にも通用しているし、コリジョン(接点)の部分は上回れる自信がある。前節のレッドハリケーンズ大阪戦で課題として見えた『トライを取り切る』『ディシプリン(規律)を守る』という2点を大事に、80分間規律を維持してしっかり勝ち切る」

S愛知とは2022-23シーズンのクリスマス以来の対戦。日野RDとしては逆転負けを喫したそのときの借りも返すべく臨む試合となる。

「あの試合は記憶している。自分自身が日野RDに移籍してきた年で、とても緊張して試合に入ったことも覚えているし、なにしろ展開が展開だったので……」

その試合、中鹿はフル出場し奮闘。シンビン(イエローカード)による10分間の一時的退出者が出る中、後半37分にペナルティゴールで31対30とリード。あと数分を守り切れれば、という状況だった。ところがその直後に逆転トライを許し敗れた。しかし、あのときと違うのは、今季はリーダーとしてラグビーをより深く考え、いかにチームをより高みへ導けるかを考え抜いた中鹿自身の姿だ。

「今季からゲームキャプテンを任されたのですが、負けが込む状況の中で『どうやってみんなをまとめたら良いのか』を真剣に悩んだし、苦しみもあった。でも経験豊富な多くの人が協力して助けてくれた。いまの雰囲気はまったく悪くないので、本当にあと少しの課題を修正していけたら、日野らしいエキサイティングなラグビーをお見せできると思います」

2年前、試合終了直前に逆転を喫した悔しさを2倍にも3倍にもして返し、後半戦の巻き返しにつなげる試合としたい。そのカギを握る中鹿の激しく献身的なプレーに注目だ。

(関谷智紀)

2025.02.28[S愛知]得点ランク1位に立つチームリーダーが尊敬の念を抱く“社員選手”の存在

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第7節
2025年3月1日(土)12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 日野レッドドルフィンズ

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

社員選手の存在については、尊敬しかない、自分には絶対できない、と語るフレディー・バーンズ選手

4連勝中の豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)が、ウェーブスタジアム刈谷に日野レッドドルフィンズを迎えての一戦。S愛知としては、前半戦最後の試合で勝利を収め、後半戦に向けてよりギアを上げていきたいところだ。

今節のチームのテーマは「犠牲」。その意図を徳野洋一ヘッドコーチは「自分たちが積み上げてきたものを発揮するためには、自己犠牲のマインドが必要だから」と説明する。加えて、「自分たちがラグビーをできているのも、誰かの犠牲があってのこと。それをいま一度見つめ直すきっかけになればとも思って」設定したテーマだという。

現在ディビジョン2の得点ランクトップで、トライ数も最多タイの5トライを挙げているフレディー・バーンズには、尊敬の念を抱く存在がいる。それは働きながらS愛知でプレーする社員選手たち。「犠牲という意味では、社員選手はトレーニングのあとに会社へ行きます。自分はプロとして、毎試合全力を出すことで犠牲を払っていますが、彼らはそれをしながら働いているわけですから、尊敬しかありません」。

「自分には絶対できない(笑)」と即答するほどリスペクトしている仲間。「ハードワークすることは、日本の文化でもあると思います。ラグビーでは練習や試合で高いパフォーマンスを求められる。仕事でも真面目に働く。個人的にはもっと恩恵を受けるべきだと思います」。今年で35歳を迎え、イングランド代表やスーパーラグビーなどで研鑽を積んだベテランの言葉の一つひとつには、重みがある。

バーンズのSNSなどをのぞくと、ラグビー界のことを思い、彼にしか紡ぎ出せない言葉で発信をしている。「次の世代にインスパイアを与えたいという思いと、スポーツ選手である前に一人の人間ですので、楽しみながら過ごしたいという思いでやっています。酔った勢いで投稿することもありますけどね(笑)」。

彼のキャラクターの根底には、自己を表現しながら、誰かのためを思うまっすぐな気持ちがあるのだろう。フォア・ザ・チームの精神は、彼がインタビューの最後に語った言葉に集約されている。

「私がトップスコアラーになってチームが下位に沈むよりも、私が得点できなくてもチームが昇格したほうがずっと良いですから」

S愛知の頼れるリーダーの姿から、ますます目が離せない。

(齋藤弦)

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