2025.03.21[S愛知]父の背中を見て学んだ、挑戦し続けることの重要性

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第9節
2025年3月22日(土)12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 清水建設江東ブルーシャークス

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

ウェールズ出身、193cmのセンター、ティアン・トーマスウィーラー選手

6連勝中の豊田自動織機シャトルズ愛知は3月22日、ウェーブスタジアム刈谷に清水建設江東ブルーシャークスを迎えての一戦。ディビジョン1昇格に向けて、歩みを止めることなく勝利をつかみ取りたい。

前節、レッドハリケーンズ大阪との首位攻防戦を制し、首位をキープした。前回対戦で敗れていた相手だけに、しっかりと勝ち切ったことは収穫だが、見据えるのはもっと先の成果。徳野洋一ヘッドコーチは今週も「もうワンステップ成長することを追い求める」ことが大事だと説く。

「われわれを含め、D2のチームはD1に昇格するために強化をしていくのが使命だと思っています。いまの順位がどうであれ、目の前の順位をセーフティーに守り、現状を維持したいというマインドをもっている選手がいるのであれば、その選手はジャージーを手放さないといけないことになるでしょう」

この試合の翌日にはトレーニングマッチも予定されており、シーズンの最後まで激しい競争は続く。ここまで6試合に出場するティアン・トーマスウィーラーは「アスリートである以上は、常に競争心をもつことが大事」と“サバイバルゲーム”に意欲を燃やす。

スポーツを生業としている人にとって、現状に満足することなく、ストイックに物事に打ち込むのは一番大事な資質と言っても過言ではない。トーマスウィーラーは、父の背中を見てその挑戦し続けるメンタルの重要性を学んだ。

「父が僕たち兄弟の見本となって、どんなときでも励ましてくれました。父は警察官をしていて、いろいろ人と接していた中で、困難な状況に直面し、不幸な目に遭ってしまう人を見てきたと言います。そこから、自分がラグビーをプレーしていることは幸運なことだと気付かされました」

自身も17歳のときにプロの世界に飛び込み、厳しい環境にその身を置いた。そこで培われた経験を、日本で遺憾なく発揮している。「父とは毎日のように連絡を取っています。これからも良いパフォーマンスを見せたいですね」。

なぜ勝利を目指すのか。なぜ上を目指すのか。それは支えてくれる人たちに、少しでも恩返しをしたいから。だからトーマスウィーラーは、努力を惜しまない。

(齋藤弦)

2025.03.21[江東BS]壊れることを恐れずに。魂のタックルへの覚悟と生き様

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第9節
2025年3月22日(土)12:00 ウェーブスタジアム刈谷 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークス(D2)

ラグビーを限界までやり切りたい、そこまでいきたい、と語る高橋広大選手(写真提供:清水建設江東ブルーシャークス)

清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)はウェーブスタジアム刈谷で豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)とのビジターゲームに挑む。

ディビジョン2は折り返しを迎え、江東BSは前節、花園近鉄ライナーズと対戦。わずか7点差で敗れたものの、失点が課題となっていた試合終盤の“残り20分”も集中力を切らさず戦い抜いた。特に、2連戦を通じて“もったいない失点”をしなかった点はチームの成長の証だ。試合後の会見でも、仁木啓裕監督兼チームディレクターは「試合内容は非常にポジティブであり、悲観する必要はまったくない」と前向きな評価を口にした。

そんなチームの中で、復帰が近づき闘志を燃やす男がいる。4年目の高橋広大だ。昨季、D3の前半戦ではコンスタントに出場し、POTM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)にも選ばれる活躍を見せた。しかし、負傷によって約1年間戦線を離脱することとなった。

リハビリ期間中、高橋はトレーニングや食事を見直し、より効率的な方法を模索。社会人としての仕事とラグビーの両立を続けながら、成長した自分をピッチで証明する準備を進めてきた。社員選手として、江東BSの手本とも言える姿勢を貫いている。

しかし、彼が「変えなかった」こともある。「けがをきっかけに、プレースタイルを変える選手はすごく多いです。ボールを持つ回数を減らして体を当てに行かなくなる、どちらかというとディフェンシブな選手になる人も多いですけど、僕はあまりそこを気にしなくて、壊れるなら壊れるでいい。そんな気持ちでやっています」。

フランカーという激戦区のポジションで、高橋の強みは“激しさ”だ。「痛いプレーも激しくできると思います。アタックもディフェンスも、前に出るプレーができるというところが、自分の特徴です」。もちろん、そのプレースタイルには常にけがのリスクが伴う。それでも、高橋は迷いなく前を向く。「ラグビーって、何十年もできないスポーツじゃないですか。もうあと何年かしかできないから、その期間はもう本当に限界までやり切りたいです。体が本当に動かなくなったらやめたいと思っています。そこまでいきたいです」。

ラグビーの醍醐味であり、“華”ともいえる激しいコンタクトプレー。その中心に、高橋広大がいる。リーグ戦後半戦、このフランカーの魂のタックルが、チームをさらに加速させる。

(奥田明日美)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧