2025.03.21[日野RD]存在感抜群のベテランが語るチームの進化。「ちょっとの差」を覆し、成長につなげる

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第9節
2025年3月23日(日)12:00 太田市運動公園陸上競技場 (群馬県)
日野レッドドルフィンズ vs NECグリーンロケッツ東葛

日野レッドドルフィンズ(D2)

日本代表3キャップのベテラン、堀江恭佑選手。NECグリーンロケッツ東葛に対しては、接点で「逆にプレッシャーを掛ける。それが一番大事だと思う」

日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)にとって久しぶりのホストゲームは、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)を太田市運動公園陸上競技場に迎える。前回対戦は1月11日に行われた第3節のビジターゲーム。防戦を強いられ、19対56で大敗を喫した相手だが、太田市でのホストゲームでは勝利を奪いにいく。苑田右二ヘッドコーチは「力でこじ開けてくる選手が何人かいるので、その接点で我慢強く戦えるかが重要。攻撃ではフィニッシュまでどうボールを運ぶかのイメージを選手同士で共有できているので、それをしっかり遂行したい」と展望する。

前節の日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)戦ではトライの応酬から最後は2点差で逆転勝利した日野RD。ナンバーエイトとしてフル出場した堀江恭佑は「前半戦は引き分けもあったし勝ち切れなかったが、釜石SW戦で勝利をもぎ取れたのは大きい。勝って反省できることが非常に大きくて『何が良くて結果へとつながったのか』をみんなが気付けて理解することができた。その姿勢を継続してGR東葛戦もチャレンジャーとして挑む」と連勝を期す。

「ディビジョン3から昇格し、対戦相手もその強度も違う中、厳しい戦いが増えるのは間違いなかった。その中で、強いチームとの差を若手と一緒に探しながらここまで来た」と前半戦は苦しんだ時期もあった。しかし、「その『ちょっとの差』を乗り越えようとみんなが模索しながら、一人ひとりがしっかり成長できている良いシーズンになっている」と手ごたえも口にする。3試合ぶりの白星もチームをよりポジティブな方向へ向かわせているようだ。

GR東葛戦に向けては「体の大きな外国籍選手も多く、彼らが良い勢いをもって走り込んでくるのでそれをしっかりと止め切ること。そして逆にプレッシャーを掛ける。それが一番大事だと思う」と接点のプレーでは絶対に負けないと気迫をみなぎらせている。

2シーズン前には共同キャプテンを務め、その後もベテランとして日野RDをけん引し続けている堀江。「若い選手が多くなって発言もどんどんしてくれるし、そういう意味では僕的にはラクになりましたね」と笑顔で語ってくれたが、グラウンドに出ればその存在感は絶大だ。GR東葛戦でもコリジョン(接点)では最前線に立ち、その背中で若いメンバーを引っ張っていく。

(関谷智紀)

2025.03.21[GR東葛]勝利を呼び込む様はまさに“インパクトプレーヤー”。ベテランに宿る闘志が戦う息吹を吹き込む

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第9節
2025年3月23日(日)12:00 太田市運動公園陸上競技場 (群馬県)
日野レッドドルフィンズ vs NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

「苦しい中で楽しんでプレーしようと心掛けています」と語る松浦康一選手。今節もリザーブメンバーとして試合に臨む

ラグビーでは、途中出場で存在感を示す選手に対して「インパクトプレーヤー」という表現が用いられる。現在、3連勝中のNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)において、インパクトプレーヤーとして絶大な存在感を放っているのが松浦康一だ。

前節の九州電力キューデンヴォルテクス戦では、試合終盤に22mライン付近での松浦のタックルがサム・ヴァカの侵入を食い止め、結果的に相手のノット・リリース・ザ・ボールを誘発した。直前のペナルティゴールで28対27と1点差に詰め寄られていただけに、相手の勢いを断ち切ったビッグプレーだった。

グラウンドに立つ松浦の姿には常に闘志がみなぎっている。それを彼は「空元気」と謙遜気味に語るが、劣勢の局面でチームがガクッと意気消沈してしまうぐらいなら、たとえそれが空元気だとしても、チームに戦う息吹を吹き込める選手は貴重な存在だ。

第4節・豊田自動織機シャトルズ愛知戦、第5節・花園近鉄ライナーズ戦では連敗を喫したGR東葛。キャプテンのニック・フィップスの離脱もあり、チームは急降下しかねない危うい状態にあった。だが、流れが変わったのは第6節だった。松浦は第6節から途中出場ながら3試合連続出場を果たし、チームは3連勝を記録した。

「苦しい中で楽しんでプレーしようと心掛けています。自分がどれだけ楽しんでラグビーをやっているか、その姿を同世代にも若い選手にも見てもらいたい。そこからエナジーがみんなに渡っていければいいかなと思います」

松浦は、今年の4月でGR東葛入団10年目を迎え、チーム内では年長者と呼ばれる年齢になった。ただ、年長者としてどう振る舞うべきか、「最近まで分からなかった」と本心を述べる。そこでチーム最年長の瀧澤直と頻繁に食事に行き、ベテランのマインドを学び得たという。

在籍年数も長いとあって、GR東葛をディビジョン1に戻すという思いも人一倍強い。

「チームの土台や文化を作っていきたいですね。ティノ(マリティノ・ネマニ)、タッキーさん(瀧澤)、宮島(裕之)さんとのシニアミーティングでは『選手たちから何かを変えていき、そして若い選手たちに引き継いでもらおう』という話をしています。それを確立していくことが大事かなと。それが入替戦につながり、D1にもつながっていく」

3月23日(日)、GR東葛は太田市運動公園陸上競技場で日野レッドドルフィンズとのビジターゲームを戦う。この試合でも、松浦はリザーブとしてメンバー入りを果たした。

「1週間、自分たちが準備してきたものをどれだけ発揮できるか。リザーブでも、スタメンでも変わらず、チームのやるべきことを遂行できればいいと思います」

4連勝を目指すGR東葛。松浦は、この試合でも間違いなくインパクトを放つ。

(鈴木潤)

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