2025.03.21[九州KV]2年目の余裕と、増すチームへの責任感。3連敗のいまこそ問われる『BE TOUGHER』

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第9節
2025年3月23日(日)14:30 えがお健康スタジアム (熊本県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs レッドハリケーンズ大阪

九州電力キューデンヴォルテクス(D2)

2年目のシーズン、メンバーに定着したフランカーの山添圭祐選手

3連敗中の九州電力キューデンヴォルテクス。チームの目標であるトップ2入りのためにもシーズンの正念場を迎えている。ディビジョン3時代からしのぎを削るライバル、レッドハリケーンズ大阪と対する今節の舞台はえがお健康スタジアム、熊本県でのホストゲームだ。

山添圭祐は大切な思い出を刻んだ。第6節の花園近鉄ライナーズ戦は自身の故郷である長崎県での試合だった。この試合で山添はリーグワン初トライを記録した。

「自分の競技人生に残るトライになりました。たくさんの知り合い、家族が見に来てくれて応援してもらったのですごくうれしかったです。そこで初トライを取れたことは自分でも『ツイてるな』と思いました(笑)」

当日はいつもどおりのプレーを心掛けていたというが、頭の片隅には「地元での試合でトライを取りたいな」という思いもあったという。試合には敗れてしまったが、山添にとってはかけがえのない経験が得られた試合になった。

加入2年目を迎え、今季は脳振盪の影響で欠場となった第7節以外は開幕から安定して出場を続けている。チームが掲げる今季のシーズンテーマである『BE TOUGHER』を「80分間、ずっと動き続けて体を当て続けること。そして、試合に出続けること」だと解釈する山添にとって、まさに有言実行のシーズンとなっている。

必死に目の前のことに食らい付き、がむしゃらに走り抜けたルーキーシーズンと違い、「余裕をもってプレーすることができた」と山添は話す。

「特別に何かを変えてはいません。ほかの選手よりもフィジカルのトレーニングは多くやろうとは思っているくらいで、大きくは変えていません。ただ、プレーについてはコミュニケーションをより多く取ることは意識するようになりました。これまでにはなかった感覚なので、そう(2年目の余裕)なのかもしれないです」

チームは3連敗中と苦しい状況だが、いまこそ『BE TOUGHER』が問われている。

「負けていい試合はないので、全員で勝ちを目指してやるだけ」

“余裕”だけではない、山添の言葉にはこのチームへの責任の強さが宿っていた。

(杉山文宣)

2025.03.21[RH大阪]苦手意識克服のために聞いたライバルからの助言。「常にやり続ける姿勢」でつかんだ先発復帰

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第9節
2025年3月23日(日)14:30 えがお健康スタジアム (熊本県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪(D2)

昨年夏のオーストラリア留学で大きな手応えをつかんだという、フランカーの五十野海大選手(ボールキャリア)

3月23日(日)、九州電力キューデンヴォルテクスとの熊本でのビジターゲームに臨むレッドハリケーンズ大阪。今節は、開幕戦と第2節で先発していた五十野海大が、7試合ぶりに6番で先発する。第3節、第4節には出場できず、1月末の練習試合で負傷した。およそ2カ月ぶりのゲームだ。

五十野が出場していないここまでの試合では、6番には佐藤大朗が入り、今季チームとして注力しているブレイクダウンやコリジョンでチームを堅実に支えている。五十野は、その試合を見守っていたときの感情と向き合い、受け止めていた。嘘をついて自分を偽って見せようともしない。「佐藤大朗選手の活躍は、チームのメンバーとしては、うれしかった。でも、言葉を選ばずに本当の気持ちを正直に話すと、同じポジションを争う者としてはうれしいものではなかったし、怖いなと思っていました」。

そう思うのも当然だろう。開幕前には「すべての試合に出場できるようにしたい」と意気込んでいた。同じポジションの選手が活躍すれば、それに勝る力を発揮しなければならない。学生時代から積んできた前への推進力には五十野自身も今季出場した2試合で手ごたえを感じていたが、佐藤大朗が強みとしているタックルに関しては、やや苦手意識をもっている部分もあった。

その苦手意識をもっている部分を改善するために、「チームでの練習が終わったあとに一緒に練習してもらって」、まさにその佐藤大朗から学んでいる。「ひたすら反復することが大切」だという佐藤大朗のアドバイスに従い、繰り返し練習を重ねてきた。いまは「できるようになってきた」と感じており、以前のような苦手意識もない。松川功ヘッドコーチは五十野について「まだ少し経験値やスキルは足りていないかもしれないけれど、それを頑張って努力でカバーし、常にやり続ける姿勢」を評価していたが、それは試合中だけでなく、苦手意識があることへの取り組みからもうかがえる。

持ち味のスピードとボールキャリーだけでなく、出場していない間にも重ねてきた努力はグラウンドで表現したい。決して受け身になることなく、何度でも繰り返し積極的にプレーしていく。

(前田カオリ)

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