2025.04.10[釜石SW]首位を相手に“あの試合”の再現を。今季最後の“うのスタ”で流れを変える

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第11節
2025年4月12日(土)12:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

日本製鉄釜石シーウェイブスのベンジャミン・ニーニー選手。「前回は東日本大震災復興祈念試合という大事な試合ですごく大きな声援をもらって勝てたので、それをもう一度お見せできれば」

ディビジョン2第11節、日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)は豊田自動織機シャトルズ愛知とのホストゲームに臨む。釜石SWは3連敗中、さらに直近2試合は大差を付けられての敗戦となっているだけに、今季のレギュラーシーズンでは最後となる釜石鵜住居復興スタジアムでの試合を転換点としたいところだ。

勝利のカギを握るのはセットピースだ。前節のNECグリーンロケッツ東葛戦でも、特にラインアウトの成功数が低く、須田康夫ヘッドコーチも「まずはセットピース。そこでボールを確保できないと得点に結び付かない」と課題に挙げた点をどう修正できるか。加入5年目、“ベン”の愛称をもつベンジャミン・ニーニーは「基本的なところをしっかりやること」が成功のポイントと強調する。

「スロー、リフト、ジャンプ、キャッチ。そういったベーシックスキルの一つひとつでベストのプレーをすることが一番大事。相手が研究や対策をしても、そこができていればスピードで勝てるので成功させられると思っています」

3月は4週連続で試合をこなすというタフな月になったが、今節はバイウィークを挟んで行うホストゲームとなる。セットピースへのフォーカスだけでなく、頭の中のリカバリーもそれと並ぶポイントだった。

チームは前節終了後、5日間のオフを取った。ニーニーは1月にそれまで住んでいたアパートから一軒家に引っ越しを済ませており、趣味のガーデニングを楽しんだ。

「ほかにも盛岡市のショッピングモールに出掛けて買い物をしたり、子供たちとラウンドワンのスポッチャで遊んだり。家族との時間を過ごしてリフレッシュできました」

ニーニーは今季全試合でスタメン出場し、フル出場は6試合とチームを支え続けてきた。特に彼にとってこのオフは頭も体もリカバリーし、シーズン終盤の逆襲に向け、英気を養う時間となったはずだ。

釜石SWは残り4試合中3試合がホストゲームという状況であり、“うのスタ”ではレギュラーシーズン今季最後の試合となる。

「うのスタでは『ファンに支えられている』ということを特に感じてプレーしています。前回は東日本大震災復興祈念試合という大事な試合ですごく大きな声援をもらって勝てたので、それをもう一度お見せできればと思っています」

前回の“うのスタ”での試合では前半戦を首位で走ってきたレッドハリケーンズ大阪に勝利した。今回も首位チームを相手に、“あの試合”の再現を期す。200cmのフランカーはときおり笑顔を見せながら強いまなざしで勝利を誓った。

(髙橋拓磨)


2025.04.10[S愛知]「プレーで恩返しできれば」。強固な絆をもつ先輩に成長した姿を見せる

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第11節
2025年4月12日(土)12:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

豊田自動織機シャトルズ愛知の右プロップ、高橋信之選手

9連勝を目指す豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)は4月12日、釜石鵜住居復興スタジアムで行われる日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)とのビジターゲームに臨む。条件次第ではあるが、今節でS愛知のD1/D2入替戦進出が決まる可能性があるだけに、目の離せない試合だ。

S愛知のセットピースを支える高橋信之は「とことんやり切ることにフォーカスしたい」と今節の意気込みを語る。昨季は公式戦3試合の出場にとどまったが、今季ここまで全試合に出場している。

今年で27歳を迎えるが、「気持ち的にはまだまだ若手です。運動量やアタックでの貢献もそうですし、トーク力も含めて足りない部分が多いので(笑)、コツコツと克服していきたいですね」とさらなる成長へ意欲を見せる。試合に出場することで得られた自信が、いまの高橋の大きな武器となっている。

「昨季までとは気持ちの持ち方がまったく違います。昨季はけがなどもあって気持ちの浮き沈みが激しかったけど、今季は試合に向かうためのメンタルが作れています」と堂々たる顔付きを見せる。そんな高橋には、対戦を楽しみにしている相手がいる。

その相手とは、釜石SWに所属する山田裕介だ。一昨季までS愛知に所属し、高橋の1学年先輩にあたる。ともに高校卒業後にS愛知に加入しており、「入団当初から良くしてもらっていた」という。同じフォワードの第一列で、境遇も似ている山田裕介とは「ご飯によく連れていってもらって、ラグビーの話だけでなく、仕事や人生の話もしました」。

現在リーグワンに所属する選手は、大学を卒業して加入するケースが大半を占める。朝明高校からS愛知に加入した高橋は、「入ってから1年半くらいは、練習に参加できる体作りをするために、ずっとトレーニングをしていた」と高卒選手ならではのエピソードを話してくれた。じっくりと鍛錬を積む中で生まれた山田裕介との絆は強固なもの。「プレーで恩返しできれば」と先輩の前での活躍を期す。

(齋藤弦)


試合詳細

見どころ・試合レポート一覧