NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第11節
2025年4月12日(土)12:00 ヤンマースタジアム長居 (大阪府)
レッドハリケーンズ大阪 vs 花園近鉄ライナーズ
レッドハリケーンズ大阪(D2)

今節のレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)のホストゲームは、“大阪ダービー”だ。大阪市を拠点とするRH大阪と東大阪市を拠点とする花園近鉄ライナーズが、互いに大阪府内のホストエリアを代表する誇りをもってヤンマースタジアム長居で対戦する。
今季、スローガンに『大阪UP』と掲げたRH大阪。区民アンバサダー活動を通じて大阪市の人たちと接する機会が増えれば増えるほど、ホストタウンへの愛は深まる一方だ。
それぞれが担当の区を持った区民アンバサダーの選手たちはみな、NTTドコモの社員選手。社業とラグビーを両立する中で、その活動に充てる時間を捻出しなければならない。試合に出た翌日に区民アンバサダー活動を行う選手もいるが、活動が始まってから丸2年。途中で投げ出すどころか、「継続性を重視し、同じところに何度か行けるようにして、絆を深めている」とキャプテンの杉下暢は話す。
区役所をはじめ、区内の学校長の会合や自治会の連合会などに足を運び、自分たちが役に立てることはないかを尋ね、ほかの区での事例を踏まえて提案もする。訪問する際のアポイントを取っているのも、選手たちだ。活動内容は、学校でのあいさつ運動や夢授業、子供食堂の訪問、お年寄りとの健康体操、消防団の活動、清掃活動など多岐にわたる。社業を生かしたお家芸、子供やお年寄り向けにスマートフォンを安全に使うための講習も行う。活動の中では、参加した人たちと一緒に全力で盛り上がり、楽しんでいる。


ラグビーチームとしてだけでなく、さまざまな価値を生み、豊かな社会に貢献していく。喜んでもらえるのであれば、小さなことでも“やりきる”。その姿勢やマインドも伝わってのことだろう。応援したいという気持ちを受け取る機会も増えてきた。たとえば杉下が担当している長居公園が所在する東住吉区では、シーズンが開幕する前の1週間、区役所の職員がチームジャージーを着用して業務にあたってくれたという。試合当日の観客席からは、選手の名前を呼ぶ声援も増えた。
「応援してくれる人にエナジーをもらうばかりではなく、自分たちもエナジーを与えたい」(杉下)。その思いもまた、強くなる一方だ。“大阪ダービー”だからこそ、その強い思いはグラウンドで表現し、「自分も頑張ろうと思ってもらえるような」杉下)ゲームにしたい。RH大阪の原点に立ち帰り、泥臭く、タフに、粘り強く。自分たちが大阪市を誇りに思うだけでなく、大阪市の誇りとなれるよう、80分間を戦い抜く。
(前田カオリ)
