NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第12節
2025年4月19日(土)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 豊田自動織機シャトルズ愛知
NECグリーンロケッツ東葛(D2)
NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、第6節の清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)戦から破竹の6連勝を続けている。いずれもボーナスポイントを獲得し、この6試合で30ポイントを積み上げて、首位の豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)を追走する。
そしてこの6連勝において、出色のパフォーマンスを見せているのが後藤輝也である。
昨季のけがの影響で、今季の前半戦は思うようにコンディションが上がらなかったが、復帰した第6節の江東BS戦以降は5試合で7トライを挙げる活躍を見せ、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝くこと2回。紛れもなくチームの6連勝に貢献した選手の一人だ。
とにかく後藤のトライには華があり、白熱した試合にさらなる彩りを加えて見る者を魅了する。
例えば第7節・九州電力キューデンヴォルテクス戦での先制トライ。リース・パッチェルのキックパスを、トライゾーンでジャンピングキャッチすると、チャーリー・ワージントンのタックルを受けながらも体を反転させてグラウンディングに成功した。アクロバティックなトライだった。
「うまくキャッチできたので、あとは置くだけでした。ちょっとキャッチが怖かったですけどね」
前節の江東BS戦で見せたトライも然り。GR東葛はマリティノ・ネマニと藤井達哉によるラインブレイクで一気に敵陣へ侵入。最後はトライライン際を固める複数の相手選手のわずかな隙間を縫うように、低い体勢で飛び込んだ後藤の右腕が伸びた。TMOの結果、トライが認められた。
「(スクラムハーフの)タツ(藤井)が(ネマニからのボールを受けに)行ったので、そうなるとハーフがいない。(藤井からのボールを)誰がさばくかなんですが、僕が最初に(ボールをさばきに)行ってタツからボールを受けたときに、ボールをさばくよりトライできると思ったのでそのまま自分で行きました。本当にギリギリでしたけど、こちらからはライン上に(ボールを)置けたのは見えたので、みんな(TMOの判定待ちの時間に)不安そうにしていたから『絶対に置けている』と言っていました(笑)」
なぜこうも難易度の高いトライを決めてしまうのか。その問いかけに、後藤は「もちろんミスをしないことがいいんですけど、難しいプレーだからミスをしても、ノックフォワードになっても、相手のスクラムになるだけ。そうなったらもう1回攻めればいい」と答える。失敗を恐れない前向きなマインドが、相手の虚を突くひらめきとアイディアに富んだプレーを生み出すのだろう。
今節はS愛知との上位対決を迎える。ビジターで対戦した第4節は、ニック・フィップスの大けがというアクシデントもあり、GR東葛は0対42の完敗を喫した。
あれから3カ月。現在、GR東葛は6連勝と勢いに乗り、天性のトライゲッター・後藤も好調を維持している。
ディビジョン2の頂上対決。リベンジを果たす準備は整った。
(鈴木潤)