NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン2 第12節
2025年4月18日(金)19:00 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs 九州電力キューデンヴォルテクス
花園近鉄ライナーズ(D2)
前節、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)との“大阪ダービー”で勝利し、連勝を4に伸ばした花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)をホストゲームで迎え撃つ。
RH大阪戦でハットトリックを達成し、勝利に貢献した江川剛人にとっては1月11日のRH大阪戦以来となる今季3度目の先発となった。
『天は自ら助くるものを助く』、とは言ったものである。「勝っているチーム状況で選手を代えるのは簡単じゃない。でも彼はチャンスが来て自分でモノにしました」と向井昭吾ヘッドコーチは目を細めた。
前節のハットトリックは二つの“想定外”がもたらしたものだった。当初、メンバー入りする予定ではなかった江川だが負傷者が出たこともあり急きょ、リザーブスタートに。そして前半17分、セミシ・マシレワが負傷したことでピッチに送り出されたのだ。
「もう出るん?って感じでした」と本音を明かした江川だったが、彼は“持っている男”である。
デビューイヤーだった2023-24シーズンには埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)戦でリーグワン初出場を飾り、デビュー戦でのトライに成功。同じ小学校と中学校で学び、同じラグビースクールでプレーした大先輩の堀江翔太さんと同じピッチに立っていた。
花園Lのホームページで掲載される選手プロフィールで江川は「ラグビー人生で一番うれしかったことは?」との項目に「堀江翔太さんと試合できたこと」を挙げている。
ディビジョン2史上最多となる12,452人の観客を集めた“大阪ダービー”で達成したハットトリックは「自分が覚えている限りは(ラグビー人生で)初めてです」と江川は胸を張ったが、抜群のスピードで抜け出した2つ目のトライや自陣から90m近くを独走した3つ目のトライなど、自慢の走力を存分に披露してみせた。
“持っている男”はデビューイヤーの悔しさをいまだに忘れていないという。「あの時(埼玉WK戦)はそのまま試合に出続けられる実力が付いていませんでした。今度はチャンスを逃さない実力を付けていきたいです」(江川)。
大舞台でキャリア初のハットトリックを達成しても、「ラグビー人生で一番うれしかったこと」は堀江さんとの思い出だと明かす江川。ただ、伸び盛りの24歳は自らが試合に出続けた先に、“新たなうれしさ”が待っていることを知っている。
(下薗昌記)