NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第12節
2025年4月20日(日)12:00 ウエスタンデジタルスタジアムきたかみ(北上総合運動公園) 北上陸上競技場 (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 清水建設江東ブルーシャークス
日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

ディビジョン2のレギュラーシーズンは残すところ3試合となった。日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)は現在8位。4連敗中と結果が付いてきていないが、D2/D3入替戦を免れるため、ここからの試合はすべて背水の陣で挑む。
今節の相手は釜石SWが勝ち点6差で追う6位の清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)。岩手県北上市のウエスタンデジタルスタジアムきたかみで行われるホストゲームは、4月20日(日)12時にキックオフを迎える。
北上市の黒沢尻工業高校で3年間を過ごした阿部竜二は言う。
「今節の江東BS戦に勝つこともそうですけど、残り3試合すべてに勝って、ボーナスポイントも取るというのがチームとしてのフォーカスです」
一戦必勝、すべての試合が決勝戦という位置付けで残り試合を戦うことはすでにチーム内で共有済みだ。その第1ラウンドとなる今節だが、これまで“ここぞ”という試合で輝きを放ってきたのがほかでもない阿部だ。
「高校時代も大学時代も、大きな試合、大事な試合ではいいパフォーマンスを出せているんです」という阿部は、釜石SWに入ってからも昨季のD2/D3入替戦第1節、今季は東日本大震災復興祈念試合となった第7節でトライを決め、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝くなど、ビッグマッチでの勝負強さを証明してきた。
とはいえ、阿部は自信家やビッグマウスといった類の性格ではない。むしろ大事な試合の前は「すごく緊張するし、(ミスや敗戦の)怖さを感じたりもします」とネガティブな考えがよぎることも少なくないと言う。
「逆に『今日は勝てるだろう』というような甘さがどこかにあって、ふわっとした気持ちで入るような試合では全然いいプレーができない。緊張感が高ければ高いほど気持ちがピリッとするし、自分を追い込んだほうがいいタイプなのかもしれません」
どれだけ重要だろうが注目度が高かろうが、試合開始のホイッスルが鳴れば、途端に緊張やネガティブなマインドは消え、体が動く。そして独特のステップから、するすると抜け出すようなランでブレイクする。
なぜそこまで人が変わったような切り替えができるのか。その問いに対しても「自分でも不思議です。試合前はあれだけ緊張しているのに……」と、怪訝な表情を浮かべる。もはやこれは天性の能力としか言いようがないのかもしれない。
自身のラグビーキャリアの土台を作った地で行われる今節。“持っている男”は面目躍如のパフォーマンスを大一番で再び発揮し、釜石SWの“ミッションコンプリート”につなげる所存だ。
(髙橋拓磨)