2025.05.09[GR東葛]今季の集大成。地域、CREWと一体になり、自信をもって

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第14節
2025年5月11日(日)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs レッドハリケーンズ大阪

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

柏の葉公園総合競技場でCREWの皆さんと交流するNECグリーンロケッツ東葛のメンバーたち

前節、花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)との直接対決に敗れ、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は3位に後退した。D1/D2入替戦に進出できる2位に食い込むためには、5月11日に柏の葉公園総合競技場で行われるレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)戦に勝つことが必須。加えて、10日に行われる豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)対花園Lの試合で、花園Lが引き分け以下となることが条件となる。

今週の練習でGR東葛がチーム内で掲げてきた言葉がある。それが“Confidence(自信)”だ。

自分たちの力ではどうすることもできない他会場の結果を意識するのではなく、宮島裕之は「僕たちは僕たちのやることをしっかりやる。うまくできているところはたくさんあるので、それを、自信をもってやれればいい」と言う。

1シーズン、チーム全体でひた向きに練習に取り組んできた。したがって積み上げてきたものには自信をもっており、「自分たちの力を100%発揮できれば、どんな相手にも負けない」と宮島は自負する。そして、100%の力を発揮する上で後押しをしてくれる存在として宮島が挙げたのが、柏の葉公園総合競技場のスタンドを埋めるCREW(GR東葛ファンの総称)だ。

「CREWのみなさんが勝てる雰囲気を作ってくれている。昨季に比べて『俺らのチーム』『地元のチーム』という感覚が、CREWのみなさんの中で強くなってくれている気がします」(宮島)

宮島が強調する理由はよく分かる。例えば、『Re:柏の葉1万人CREW計画』と銘打った第3節の日野レッドドルフィンズ戦では10,646人の観客が集まり、昨季第9節に記録した8,682人という動員を大きく更新した。また、今季の上位直接対決となった第12節のS愛知戦では、スタンドからの自発的な応援がチームの奮起を促し、GR東葛は魂が揺さぶられるかのような激戦を制した。

「僕らが目指しているのは、チームだけが盛り上がるのではなくて、僕たちがいる地域も一緒に盛り上がること。僕らはみなさんのおかげで強くなれる。そういう相乗効果にしたいと思っているから、選手はCREWのみなさんのためにも勝たなければいけない」(宮島)

2024-25シーズンのリーグ戦ラストゲーム。今季の集大成として、GR東葛はCREWと一体となり、1シーズンを掛けて積み上げてきた力を、自信をもって発揮する。

(鈴木潤)

2025.05.09[RH大阪]いまのメンバーで戦える最後の試合。チームが紡いできた“絆”を最高の形で発揮する

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第14節
2025年5月11日(日)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪(D2)

レッドハリケーンズ大阪の松川功ヘッドコーチ。「4位で終えるようなチームではなかった」

前節の結果をもって、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)は、今季を4位でフィニッシュすることが確定した。

RH大阪を応援している人たちが心待ちにしていた、7試合ぶりの勝利だった。試合のあとには、松川功ヘッドコーチの元にも勝利を祝福するメッセージが多く届いたという。そのうちのいくつかには、こう記されていた。

「残留おめでとう」

ディビジョン2での戦いがいかに難しいかをよく分かっているからこそ、就任1年目でも危なげなく来季につなげた健闘を心から讃えているだけであって、他意はないだろう。松川ヘッドコーチも、そのことは十分理解しているし、祝福してもらったことに深く感謝している。けれど、言葉そのものを祝福として自分の中に受け入れることは、難しかった。自分の下で学び合いながら成長を重ねて戦ってくれたチームは、「4位で終えるようなチームではなかった」と思っていたからだ。

昨季は、今季よりも2チーム少ない6チームでのリーグ戦で、上位3チームには歯が立たず、D3との入替戦を回避した4位だった。今季も4位だが、上位相手にも勝利を挙げ、開幕戦から第6節までは首位に立ち続けられるだけの成長と変化を見せた。当然、同じ位置に立っていても捉え方は異なってくる。キャプテンの杉下暢は、「自分たちでもD1にチャレンジできるのではないかと感じられるだけの良いところがあったからこそ、悔しいシーズンだった」と振り返っている。この悔しさは、「次につなげるしかない」(杉下)。

前節を迎える前には、クラブキャプテンの鶴田馨が発起人となって、フロントスタッフを含めたチーム全員で決起会を行った。自分たちが大切にしてきた“絆”を再確認し、それが勝利にもつながった。ただ、シーズンが終われば選手、スタッフともに、人の出入りはあるだろう。今季最後の試合を待たず、チームを去る意志を固めた者もいる。このメンバーで戦えるのは、今節が最後だ。だからこそ、ストームチェイサー(ノンメンバー)や負傷中の選手も含めて、「この1週間を最高のものにしよう」(松川ヘッドコーチ)と準備してきた。今季チームとして重ねてきた成長は、出し惜しむことなくすべてぶつけたい。

いまチームにいる全員での“絆”をもって、今季それぞれが悔しさや喜びを感じながら重ねてきた努力が決して無駄ではなかったと言える来季へと、つなごう。

(前田カオリ)


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