2025.01.10[SA広島]外国籍選手たちのリーダー的存在。温泉好きで面倒見のいい好漢が高ぶるワケ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第3節
2025年1月11日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs クリタウォーターガッシュ昭島

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

テヴィン・フェリス選手、ポジションはフランカー。「ラーメンを食べ過ぎないように注意しているよ(笑)」

外国籍フォワードたちがパワフルにプレーしてマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)を推し進めている。その中心にいるのが、SA広島で4シーズン目をプレーしているテヴィン・フェリスだ。

今週は凍てつくほど寒く、ニュージーランド出身のフェリスはさすがにツラそうだった。「寒さにも慣れてきたけど、今年は特に寒くないかい?」とこぼしていたが、「僕には温泉があるから大丈夫だ」と笑う。日本の生活を楽しみながらチームに溶け込んでいるフェリスの存在が、外国籍選手たちが力を発揮できる要因になっている。

今季に加入したアンドリュー・デビッドソンのことを「とてもユニークな人間で、ラグビーのことをよく知っていてすごく賢い。ラインアウトは本当にいい」と称えるフェリスは、的確なアドバイスを送っている。

「ラーメンを食べ過ぎないように注意しているよ(笑)。ほかにもたくさん美味しいものがあるので、たくさん美味しいものを紹介している」とのこと。デビッドソンの活躍はフェリスのサポートのおかげと言ってもいい。

昨季にSA広島へ加入したタイ・ナッシュは、今季に入って見違えるほどパワフルなプレーを見せている。その理由について、フェリスは「心身ともに充実しているからだ」と言う。

「昨季よりもコンディションがすごく良くなっているね。彼もアンドリューと同じようにフォワードのメンバーを高ぶらせてくれているし、チームのイベントにも私と一緒によく参加している。このチームの文化にも馴染もうとしているからプレーも向上しているんだと思う」

そして、フェリスが一目置いているのがジャクソン・ピューだ。前節は試合終盤に逆転のトライを決めてチームを勝利に導く活躍を見せたピューもシーズン途中に加入した昨季とは明らかに違うプレーを見せており、彼の成長をフェリスはとてもうれしそうに語った。

「プレシーズンですごく強い気持ちを打ち出していたし、今季はすごくいいシーズンを過ごすと思う。私は(オーストラリアでプレーしていたこともあって)彼が16歳のころから知っていて、どんな形で成長してきたのかを見てきた。ここで一緒にプレーできることはとてもうれしいよ」

今節は、そのピューが欠場となる。キャプテンの芦田朋輝も欠場となるため、今節にゲームキャプテンとして臨むフェリスには大きな責任と期待が懸かる。だから、彼は高ぶっていた。

「次の試合は今季最初のホストゲームになる。とても大事なゲームだ。3つ目の勝利を得られるように、できる限り楽しみながらプレーしたい」

いつもは温厚でとても面倒見のよい好漢で、グラウンドに立てば熱いハートで相手に向かっていくリーダー。そんなフェリスに注目してほしい。

(寺田弘幸)

左から、ジャクソン・ピュー選手、アンドリュー・デビッドソン選手、タイ・ナッシュ選手


2025.01.09[WG昭島]相手より先に、一歩前へ。今季初勝利のカギはスクラムの右プロップに

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第3節
2025年1月11日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

右プロップの栗山塁選手。「スクラムで前に出るときに中心となるポジションが3番なので、自分のプレーでチームに勢いを与えたい」

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25ディビジョン3 第3節。クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、広島県広島市のBalcom BMW Stadiumで、D3の首位を走るマツダスカイアクティブズ広島とのビジターゲームに臨む。

開幕から2連敗。厳しい船出となっているWG昭島にとって、悪い流れを食い止めるためのカギとなるのは、やはり原点回帰のスクラムだろう。その中心となるのが栗山塁だ。

開口一番、「ぼくのときはベスト4でしたから、優勝って、すごいですね」。今年の全国高校大会で大会連覇を果たした母校・桐蔭学園高校の活躍は、「いい刺激になった」という。栗山がラグビーを始めたのは桐蔭学園高校に入学してから。当初のポジションはロックだったというが、半年もしないうちにプロップに転向。そこからはプロップ一徹のラグビー人生を歩んできた。だからこそ、スクラムに懸ける思いは強い。

「ほかのチームから、『強いスクラムを組む3番(右プロップ)だな』、と思われるような選手になりたいですね。スクラムで前に出るときに中心となるポジションが3番なので、自分のプレーでチームに勢いを与えたいと思っています。フォワードからバックスにいいボールを供給して、WG昭島らしいアタックをしていきたい」

スクラムで勝つこと──。チームから求められている役割はクリアだ。そして、ここまで多くの試合で先発出場を続けている栗山だからこそ、いまチームが抱えている課題もはっきり見えている。

「最初のアタックはいい。けれど、そこからトライを取り切る決定力が足りないし、キツくなってきたときのコミュニケーションがうまくとれていない。あとは、勝ちたいという気持ちを相手よりも出すこと。自分が声を出せるときは出していきます」と、先頭に立ってチームをけん引していく覚悟はできている。

スクラムでWG昭島の3番が、相手よりも先に一歩前に出る。その一歩が、WG昭島の今季初勝利のカギとなる。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

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