2025.01.31[狭山RG]首位追撃の3連勝へ。長年のライバルをも制圧する

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第5節
2025年2月2日(日)12:00 アースケア敷島サッカー・ラグビー場 (群馬県)
ヤクルトレビンズ戸田 vs 狭山セコムラガッツ

狭山セコムラガッツ(D3)

左プロップの上野拳太郎選手

初のビジターゲームとなった第4節でも、自分たちのラグビーを展開して、連勝を飾った狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)。3連勝がかかる第5節では、トップイーストリーグ時代からライバルとしてしのぎを削ってきたヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)と対戦する。

注目は、安定したプレーが続いているフォワード陣だ。その中でも、プロップの上野拳太郎とロックの藤井樹のプレーに期待したい。開幕から4試合連続でスタメン出場している上野は、「第3節までは、ミスで相手に流れを渡してしまうケースもありましたが、前節は我慢強く攻め続けてトライも多く取ることができたので良かったと思います」と振り返った。今節の相手は幾度となく接戦を繰り広げてきたL戸田。「いつも前評判どおりの結果にはならず、常に競ったゲームになってきた。互いの良さ、弱点も分かっているので、連勝中だからといって気を抜かずに『何が何でも勝つ』という強い気持ちで挑みたいと思います」と力を込めた。

一方の藤井は、先発した開幕戦で負傷交代となってしまったが、そのけがも癒え、前節で先発に復帰を果たしている。

「久しぶりの試合だったので、いいパフォーマンスができたかといえば、まだ足りない部分も多かった。チームの流れの中でフィットし切れていない部分も見えてきたので、そこは早く改善していきたい」

L戸田で注意したい選手に挙げたのは、ニック・イブミー。「攻撃の起点となる彼にプレッシャーを掛けて、思いどおりの動きをさせないことがポイント。ウチのディフェンスもいい状態を保てているのでしっかりと抑えたい」と意気込みを語った。

徐々にミスも少なくなり、今季のスローガン同様、『DOMINATE』(制圧する)試合が増えている。首位追撃へ、負けられない戦いは続くが、いまは攻守ともにいいバランスを保てている。連勝中の勢いそのままに、長きにわたるライバルチームから勝利をつかみ取りにいく。

(松野友克)

2025.01.31[L戸田]すべては宿敵に勝つために。いまの立場でできることを全力で

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第5節
2025年2月2日(日)12:00 アースケア敷島サッカー・ラグビー場 (群馬県)
ヤクルトレビンズ戸田 vs 狭山セコムラガッツ

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

リザーブから出場をうかがう古川拓実選手

古川拓実が今節、ジャパンラグビートップイースト時代からの宿敵・狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)戦を前に燃えている。

トップイースト時代、古川はヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)をけん引する主軸だった。168cm・83kgというセンターとしては小柄なサイズを「大きな相手の下に潜り込める」と武器にし、爆発的なボールキャリーや荒ぶるように熱く戦う姿でチームを引っ張ってきた。

だが、リーグワンへの参入を機にチームが戦力補強を進めると、古川は必ずしもスタートメンバーではなくなった。現実を受け入れられず、落ち込んだ日もある。子どものころから憧れた舞台で戦えるんだ──。沸き起こる高揚感で紛らわせたこともある。

篠田正悟バックスコーチや河野嵩史ヘッドコーチには「俺の現役時代もな」と、当時の苦労話を伝えられ、自分に矢印を向けようと努めてきた。いまはリザーブメンバーに必要な技術や考え方の準備を進めてもいる。

「あいつは偉いよ。切り替えが早かった。俺の現役のときなんて、同じような経験をしたときにもっとグズグズしてたもの」

もがき、前進しようとする古川の姿に、河野ヘッドコーチも目を細めた。

L戸田は開幕2連勝と好スタートを切ったが、ここにきて2連敗。前節は首位のマツダスカイアクティブズ広島に大敗を喫した。そうして迎える今節の相手はトップイースト時代からの宿敵・狭山RG。練習グラウンドでは、古川がチームの輪の中心で意見を飛び交わせていた。個人として結果を残す。その強い思いは変わらない。だが、それ以上に、“このチームの窮地をどうにかしたい”という思いが、二重に乗っかっていた。トップイースト時代に勝ちまくっていたチームが後退していく姿は受け入れられない。

「狭山RGに対しては、みんな勝手に気合いが入ると思う。お互いに体を当て合う、泥臭い感じが似ているんでね。いつだって激しい肉弾戦になるし、絶対に負けられない」

古川には、小柄なセンターとしての矜持がある。

「シンプルに、体を張ることです。ラグビーは必ず接点があり、そこで逃げる人間を俺は信用しないし、信用されない。小さな自分が大きな相手に当たっていけば、相手は必ず1秒、2秒は止まる。その間に味方が連なるようにぶつかれば止められる」

チーム一丸で絶対に勝つんだ──。古川が燃えている。

(鈴木康浩)

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