2025.03.07[L戸田]「元気だけは誰にも負けない」。L戸田の“ゲンキング”、初キャップへ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第9節
2025年3月8日(土)12:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
ヤクルトレビンズ戸田 vs マツダスカイアクティブズ広島

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

リーグワンでは初出場となる須藤拓真選手。「元気だけは誰にも負けないようにやります。そして声だけではなく、プレーでも引っ張っていけるように頑張ります」

連敗中のヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)にチームの元気印、須藤拓真が帰ってくる。プラスのエネルギーを注入できるフランカーだ。誰よりも大きな声を出し、熱量を込めて、仲間を鼓舞できる存在である。

「トライを取られたとき、スクラムを組むとき、誰もが苦しいときこそ自然と声が出るし、それはもう自分の体に染み付いています。僕の思いとしては、自分が声を出したときにみんなに返してほしいということ。苦しいけれど、みんなで声を出してやっていこう、と」

そうやってお互いを鼓舞しながら戦う。だから、ラグビーはより楽しくなる。それが須藤の思いだ。

試合後や練習後に喉がガラガラになるのは日常茶飯事。徳重元気は「練習中に僕らがふがいないスクラムを見せたときには『もっとやれよ』とストレートに熱量をぶつけてくれるし、プロップからすればすごく大きな存在です」と目を細めた。

明和県央高校時代、1学年上のキャプテンに「お前は元気だから“ゲンキング”になれ」との指令を受けてから自分の武器を意識するようになり、習慣化した。日本大学時代も、L戸田に加入してからも、“声で周りを鼓舞できる”立場を譲ったことはない。

昨年の12月、リーグワン開幕直前に負傷し、ここまでリハビリに励んできた。その間、L戸田の仲間たちが奮闘する様子をスタンドから見守るほかなかったが、80分間、彼らを鼓舞する須藤の声が試合映像にも入り込んでいた。

そんな須藤のレビンズ愛は周りにも伝わっている。
「早く試合に出ろよ」
「お前がいないとチームが静かなんだよ」

そういった声が須藤にも届いていた。その声にも支えられ、須藤は試合に出られない苦しい時間を乗り越えてきた。そして今節、ついにスタートのメンバーに名前を載せた。出場すれば、リーグワンでの初キャップとなる。

「試合に出られない期間が長かったし、僕は相当ラグビーが好きだし、ずっと試合に出たいと思っていたので、楽しみしかないです。元気だけは誰にも負けないようにやります。そして声だけではなく、プレーでも引っ張っていけるように頑張ります」

須藤が、連敗中のL戸田にありったけの元気を注入する。さあいくぞ、反転攻勢だ。

(鈴木康浩)

2025.03.07[SA広島]カギはセットピースの安定。その重役を担うのは、相思相愛の二人のプロップ

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第9節
2025年3月8日(土)12:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
ヤクルトレビンズ戸田 vs マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

縁の下の力持ちとなるプロップで、2年目のシーズンを戦う二人がマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)を支えている。

3番で先発する金山忠次選手「梅ちゃんと組んだら絶対に押されないという思いをもってやっています」
17番で出場予定、梅本遥己選手「お互いに高め合えている存在」「これからも高め合っていきたいです」

明るいキャラクターでチームの盛り上げ役も担う金山忠次は、ここまで全試合に出場する貴重な存在で、プロップのやりがいをこう語った。

「セットピースはほんまに大事だと思うんです。ラグビーは全部セットピースから始まるので、味方に良いボールを供給できるように、トライにつながるサポートができるように、自分が体を張りたい。自分は目立たなくていいので、仲間が目立てるような動きをしたいと思っています」

昨季は体調を崩して満足にプレーできなかった梅本遥己は、プレーできる喜びを感じながら今季を過ごしている。そして、金山と同じようにセットピースの重要性を口にする。

「まずはスクラムを安定させることが僕らの仕事だと思っています。一人でも気を抜いちゃいけないし、8人のコネクトが大事ですけど、やっぱりスクラムはフロントだと思います。チームはいいアタックのオプションをいっぱいもっているので、スクラムとラインアウトが安定すれば得点にたくさんつなげていける。僕らの仕事が本当に大事だと思っています」

今季はセットピースがチームの強みになっている。それは彼らの力によるところも大きい。刺激し合い支え合いながら成長していく二人がチームのさらなる成長のカギを握ることも間違いない。

「梅ちゃん(梅本)のことは大学時代から知っていて、(対戦相手として)プロップなのに運動量があって機動力もあるイヤなヤツだなと思っていました(笑)。チームメートになってからは普段から一番一緒にいるし、スクラムも一緒に組むことが多いですけど、梅ちゃんと組んだら絶対に押されないという思いをもってやっています」(金山)

「お互いに高め合えている存在ですね。ダミアン(・カラウナ ヘッドコーチ)が来てフォワードもパスの回数が増えているので、ハンドリングが大事になる。だから二人でよく一緒に練習しています。前節に金山のパスがトライにつながって僕もうれしかったし、これからも高め合っていきたいです」(梅本)

8日のヤクルトレビンズ戸田戦も、活力に満ちたプロップたちに支えられ、SA広島は力強く前進し続ける。

(寺田弘幸)

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