NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第12節
2025年4月12日(土)12:00 AGFフィールド (東京都)
ヤクルトレビンズ戸田 vs クリタウォーターガッシュ昭島
クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

前節、首位のマツダスカイアクティブズ広島との雨中の激闘を制し、勢いに乗るクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は今節、ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)とのビジターゲームに臨む。D2/D3入替戦進出の扉をこじ開けるためには、WG昭島にとってここからの4試合、勝利は絶対だ。
「悔しいです。あのトライは僕らしいトライじゃないんで」
濱副慧悟は前節、6試合ぶりの先発メンバーに名を連ねると、2トライを挙げて勝利に大きく貢献した。しかし、自身のトライにはまったく満足していない。彼が求めるのは、チームでのトライではなく、ビッグゲインやラインブレイクを駆使して自らの力で道を切り拓くものだ。むしろ、トライ自体にはこだわらず、いかに自分の力だけで前進するか、その1点のみに集中している。
今季、濱副はひざの外側靭帯を痛め、復帰した練習の初日に今度は手の甲の骨にヒビが入り、約1カ月間のコンタクト禁止期間が続いた。普通の選手なら、けがから復帰してすぐに別の場所をけがすれば、モチベーションが下がるところだが、濱副は違った。
「スクワットを100%でこなしてグラウンドに出ると、筋肉が痛み切っていて、肉離れのリスクが高くなります。だからシーズン中は100%のスクワットはできない。なので、逆にラッキーだと思いました。完全な状態で復帰できるので」
その期間、レメキ ロマノ ラヴァ(三重ホンダヒート)がヒップスラスト(尻の筋肉を鍛えるメニュー)で300kgを上げていることに刺激を受け、350kgを目標に掲げ、それを達成。より強くなった濱副は、グラウンドに戻ってきた。そんな彼が今季やり残していることは、2つある。
「残りの試合のどこかで、完璧なゲイン、ラインブレイクを見せること。そして、同期入社でもあるワイクリフ・パールー ヘッドコーチをディビジョン2に昇格させること」
トライはいらない。ハーフウェイラインから、相手をラインブレイクで引き裂く、本来の彼の姿が戻ってくれば、みんなが待ち望んだ濱副の完全復活だ。濱副が持つその強いエゴこそが、WG昭島がD2/D3入替戦進出に必要だと彼は信じて疑わない。
(匂坂俊之)