NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第13節
2025年4月20日(日)14:00 維新みらいふスタジアム (山口県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs ヤクルトレビンズ戸田
マツダスカイアクティブズ広島(D3)
1年目のシーズンを躍動してきたスタンドオフがいま、さらにたくましさを増そうとしている。
前々節のクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)戦はプレースキックの成功率の差が顕著に勝敗に表れる形で敗れ、嘉納一千は自責の念に駆られた。
「完全に僕の責任。キックを外してしまって責任をすごく感じました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」
しかし、前節の狭山セコムラガッツ戦のプレースキックの成功率は100%。勝利をつかむことはできなかったが、しっかりとアジャストした23歳は準備の大事さをあらためて実感していた。
「WG昭島戦が終わってから(ボーディン・)ワッカと(井上)陽公と3人でキックの練習する頻度が増えたんですけど、たぶんワッカも自分が落ち込んでいるのを分かっていて練習に付き合ってくれているし、技術的な部分も教えてもらいました。そうやって練習したことが前節につながったと思うし、(サポートしてくれるチームメートがいて)良いチームだなと思います。
以前からずっと準備は大事だと思ってきましたけど、今回、あらためてそう感じています。WG昭島戦も準備していたつもりですし、自信もありました。でも、やっぱりどこか欠けていた部分があったと思うし、キック以外においても試合に臨む準備が自信につながると思っているので、これからも準備を大事にしていきます」
嘉納は今週も全体練習が終わったあとにワッカと井上とキックの練習を続けている。
シーズンはいよいよ佳境を迎え、ディビジョン3を独走していたマツダスカイアクティブズ広島が3回り目に入って2連敗を喫したことで予断を許さない状況となった。3試合ぶりの勝利を狙う今節のヤクルトレビンズ戸田戦は、チームとしてセットピースで相手を上回っていくことがポイントになる。嘉納は「こういうシビれる状況でプレーできることは幸せなことですし、緊張感も楽しみながらプレーしたいです」と笑みを浮かべたあと、表情を引き締めて語った。
「僕がしっかりとフォワードを前に出すためのゲームメークをしていきたい。タッチキックも1mにこだわっていきたいと思います。みんなの強みを出してあげないといけないポジションですし、みんながプレーしやすいようにコントロールしていきたいです」
勝利が求められる一戦。スタンドオフのゲームメークの重要度も増す80分間。嘉納のプレーには注目が集まる。
(寺田弘幸)