2025.05.23[神戸S]リーグワン最高峰へのリベンジ。積み上げてきたものを信じ、今度こそ打ち破る

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
プレーオフトーナメント準決勝
2025年5月24日(土)14:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs コベルコ神戸スティーラーズ

コベルコ神戸スティーラーズ

コベルコ神戸スティーラーズのバックローは準々決勝のときと同じだ。6番がワイサケ・ララトゥブア選手、7番がヴィリー・ポトヒエッター選手、そしてボールをパスしているのがナンバーエイトのサウマキ アマナキ選手(写真は5月17日に行われたプレーオフトーナメント準々決勝、対静岡ブルーレヴズ戦)

5月24日(土)に秩父宮ラグビー場で開催されるプレーオフトーナメント準決勝。コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)は、昨季ディビジョン1王者で今季レギュラーシーズン1位の東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)と対戦する。最強の敵との対戦を前に、デイブ・レニー ヘッドコーチは「自分たちが最高のパフォーマンスを出せるかどうか」と見据え、共同キャプテンのブロディ・レタリックは「しっかりといい準備ができた」と充実の表情。神戸Sは総力をもって、決勝の地・国立競技場への切符をつかみにいく。

「リーグワン最高峰のバックローを打ち破れ」

そうタイトルの付いた見どころ記事を書いたのは第14節・BL東京戦のこと。リーチ マイケルやシャノン・フリゼルらリーグ屈指の実力を持つバックローに挑む、神戸Sのバックローの一人、ナンバーエイトのサウマキ アマナキに話を聞いた記事だ。だが、結果は28対73の大敗。「正直、恥をかかされたと感じています」とサウマキは強い言葉で現実を見つめた。

それでも、神戸Sは練習と試合のサイクルを着実に積み重ねながら、それぞれが自らの成長と向き合ってきた。プレーオフトーナメント準々決勝・静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)戦。バックローのパフォーマンスにサウマキは確かな手ごたえを感じたという。

「この準決勝は、(準々決勝の)静岡BR戦と同じバックローです。その静岡BR戦を振り返ると、バックローはチームをリードできたと思います。特にディフェンスの面でしっかりフィジカリティーを出せましたし、ボールを取り返す部分でもチームに貢献できました。フリゼル選手やリーチ選手に対しても、自信をもっていいプレーをしていけると感じています」

今季D1では、オフロードからのトライ数で1位がBL東京、2位につけるのが神戸S。さらにオフロード成功率は神戸Sがトップの数字を叩き出す。サウマキは状況判断の大切さに触れつつ、「オフロードする上ではコンタクトに勝っていくことが第一。まずはそこからどれだけ仕事を完遂できるかだと思っています」とフィジカルバトルで上回る覚悟を話す。

そして、勝利のために必要なメンタリティーをこう口にした。

「自分たちにフォーカスを置いた上で、信念をもって、自分たちのバックローに対して、チーム全体に対して信頼をもってプレーすることが大事です。特別なことは何もありません。シーズンで積み上げてきたものを出すだけです。自分の仕事内でどれだけ突き詰めて、こだわりをもってやっていけるかの勝負です」

リベンジの先にある決勝へ。神戸Sのナンバーエイトは、仲間とともに、リーグ最高峰を打ち破る。

(小野慶太)

2025.05.22[BL東京]成長への確かな手ごたえ。学び続けるベテランの“全盛期”はまさにいま

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
プレーオフトーナメント準決勝
2025年5月24日(土)14:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 vs コベルコ神戸スティーラーズ

東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京のロブ・トンプソン選手。「今までのキャリアの中でも、今季は良いパフォーマンスができています」

東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は5月24日、プレーオフトーナメント準決勝でコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)と、秩父宮ラグビー場で対戦する。

BL東京は4月6日の神戸S戦で73対28と快勝を収めたが、すでにそのイメージを手放している。12番で先発するロブ・トンプソンは「(神戸Sは)以前、戦ったときとはまったく違うチームだと考えています」と警戒を強め、新たな気持ちで強敵との戦いに臨む。

33歳のトンプソンは今季16試合に出場。ゲインラインバトルでしぶとく前に出ることで、チームに勢いをもたらしてきた。

特に光るのが、ボールをもらう際に走る角度を変えるプレーだ。相手ディフェンスラインに接近し、パスキャッチの瞬間にステップを切ることでその守備網を切り裂いてきた。

かつての日本ラグビーの名手たちが得意としてきたようなこのプレーは、日本に来てから手に入れたものだった。

「日本に来たときに(2020年にトヨタ自動車ヴェルブリッツ・現トヨタヴェルブリッツに加入)、日本人選手はチョップタックル(低いタックル)がうまいので、最初のころは対応に苦労しました。そこで、相手をかわすために角度を変えるなどの工夫をしてきました。こうしたプレーが日本で必要になると思ったからです」

“ラグビー王国”ニュージーランドで『マオリ・オールブラックス』にも選ばれた経験を持つトンプソンは、日本でプレーの幅を広げ、ベテランとなったいまも、自身の成長を感じている。

「プロになって10年間、常に学びながら新しいことを取り入れてきました。今までのキャリアの中でも、今季は良いパフォーマンスができています」

熱さと冷静さ、激しさと繊細さが求められるセンターのポジションで、確かな存在感を示してきたトンプソン。学び続ける男にとっては、いまこそまさに“全盛期”。シーズンを最高の形で締めくくるために、準決勝でも体を張り、工夫をこらし、勝利を目指す。

(安実剛士)

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