2026.05.22[日野RD]“より強く”、“よりうまく”。けがを乗り越え、成長した姿で迎える古巣との対峙

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D2/D3入替戦[D2 8位 vs D3 1位]第1戦
2026年5月23日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs マツダスカイアクティブズ広島

日野レッドドルフィンズ(D2)

日野レッドドルフィンズの大内空選手。弟の大内錬選手(マツダスカイアクティブズ広島)も同じ14番で出場予定だ

決戦を週末に控えた日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)の練習グラウンド。いつものように大内空はチーム練習後にたっぷり個人練習に取り組み、どの選手よりも長くグラウンドで汗を流していた。

「僕は天性の足の速さや強さなどはもっていませんし、スキルもまだまだです。でも、どれだけ努力できるかが試合(のパフォーマンス)につながると思っています」

大内が最後まで個人練習に取り組む光景は2023-24シーズン、日野RDがディビジョン3で快進撃を見せていたときからまったく変わらない。しかし、彼の心にはある変化があった。

「今季は自分でも考えることがありました。けがなどもあって昨季よりグラウンドに立てる時間が減ってしまったことが本当に悔しいです。やはりグラウンドで練習したことしか試合で出ないですし、30歳目前になりましたが、ずっとグラウンドに立ち続けることができたらと思って常に取り組んでいます」

ウイングの主力である大内だが、今季は例年になくけがに悩まされたシーズンでもあった。レギュラーシーズン全14試合に出場を果たした昨季から一転、今季は9試合の出場にとどまり、チームが勝てない中で万全の状態でチームの力になれない状況に葛藤があった。

「シーズン中に(自分が)抜けたということは、僕がリーグワンでプレーするようになってからあまりなかったことでした。出たいという気持ちとけがの状態、それぞれに向き合うというのは精神的にも難しかったですが、後輩たちからも『我慢するところは我慢して、ベストなパフォーマンスを出せるほうがいいです』と声を掛けてもらったり、いろいろとサポートしてもらったりしました。負けず嫌いなのでこれまでだったら痛みを抱えた足を引きずりながらでも出ていたのでしょうけど、(チームを)離れた1カ月強の期間は自分のけがと向き合って、“中途半端ではなく、より強く、よりうまくなって復帰する”ということを果たせたので、いま振り返ると良い期間だったと思っています」

今季はレギュラーシーズンで1勝しかできない苦しいシーズンだった。しかし、その1年はD3で優勝したシーズン以上に多くの学びがあった。「負け続けはしましたし、試合に出られないのは本当に悔しかったですが、僕自身としても成長というところにフォーカスして“うまさ”を上げることにつなげられた1年でした」

奇しくも入替戦の相手はかつて所属したスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)となった。

「古巣との対決になりますが、入替戦だからといって特別に気負った感じもないです。ただ、かつてともに汗を流し努力し合った選手たちと対戦相手としてラグビーができるというのは率直に楽しみに思っています。相手になっても仲間なので、チームの約束事や戦術を遂行しつつ、自分のベストを出して勝利へつながるプレーを見せたいです」

もう一つ楽しみにしていることがある。それは弟の大内錬との兄弟対決だ。

「弟が出てくるかどうかは分かりませんが(先発出場が発表された)、もしグラウンドで対峙することになったら絶対に負けません。ファーストコンタクトからぶち当たってやりますよ」

状態も万全となったいま、入替戦では敵陣を切り裂く、まさに大内空らしいステップワークを見せてくれるはずだ。

(関谷智紀)

2026.05.22[SA広島]「この2試合に勝たないと意味がない」。すべてはこの戦いのために

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D2/D3入替戦[D2 8位 vs D3 1位]第1戦
2026年5月23日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

マツダスカイアクティブズ広島のアンドリュー・デビッドソン選手。「今季にやってきたことをできたら入替戦もうまくいく。そう信じている」

2025-26シーズン、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)は昨季を上回る戦績を残してディビジョン3を連覇した。

選手一人ひとりが練習からそれぞれの役割をしっかりと全うしてきた結果であることは間違いないが、その中でも「MVPと言える活躍を見せた選手は誰か?」と選手たちに問うていくと、最も多くの選手が挙げたのがアンドリュー・デビッドソンだった。

「圧倒的な突破力とフィジカルがある。ペネトレーターとしての存在感は本当に大きいです」(鈴木伊織)

「実際にトライをいっぱい取っているし、敵陣までボールを運ぶことができたらスコアしてくれる安心感がある」(嘉納一千)

「ラインアウトは本当に彼が来てすごく変わった。いろいろなオプションやサインを考えてくれているのも彼で、周りに厳しいことも言えるので、どんどんレベルアップしている」(北林佑介)

「チームにいなくちゃならない存在です。いるだけで本当に頼りになる」(大内錬)

昨季にSA広島へ加入したデビッドソンは、チームの文化やリーグワンのラグビーへの理解を深めて今季に臨み、さらに高いパフォーマンスを発揮しながらチームへの影響力も高めてきた。たくさんの選手がMVPに挙げたことをデビッドソンに伝えると、表情を崩して喜んだ。

「一緒にラグビーしている仲間から、そう言ってもらえることほどうれしいことはない。ただ、自分がそういう活躍をできたのもチームみんなのおかげだと思っている。今季は本当にみんなでいいシーズンを過ごしてきた」

そう言ったあと、デビッドソンは「But」と語気を強め、続けた。

「どんなに称賛を受けたとしても、これからの2試合に勝たないと意味がない」

体を張ってチームを引っ張ってきたのも、時には厳しい言葉を投げ掛けて仲間を鼓舞してきたのも、すべては入替戦に勝ってD2に昇格を果たすため。いよいよ決戦の日が迫ってきたが、デビッドソンは落ち着いている。

「昨季の日本製鉄釜石シーウェイブスとの入替戦で、フィジカル面のレベルの高さを感じたので、今季はそこを特に意識してやってきた。毎週フィジカルを大事にして戦ってきて、ほかのチームをフィジカルで圧倒できたことが何回もあった。今季にやってきたことをできたら入替戦もうまくいく。そう信じている」

自分たちがやってきたことに自信をもち、デビッドソンはチームの先頭に立って日野レッドドルフィンズに挑んでいく。

(寺田弘幸)

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