2025.03.31NTTリーグワン2024-25 D1 第13節レポート(S東京ベイ 33-5 相模原DB)

NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2025年3月29日(土)12:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 33-5 三菱重工相模原ダイナボアーズ

“雨を得たフォワード”陣が見せたストロングスタイル。悪天候にもえどりくの牙城は揺らがず

ごりごりのプレーで勝利をもぎとったクボタスピアーズ船橋・東京ベイ

春をすっ飛ばして夏が到来したかのような前日までの陽気を、凍てついた雨が真冬に書き換えた土曜日の午後。スタジアムの気温は6度。寒々と湿った芝の上では摩擦はその効力を弱め、慣性が幅を利かせた。

この日、三菱重工相模原ダイナボアーズを迎えたオレンジの軍団がホストスタジアムのスピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)に描いてみせたのは、足元が不安定な中での地上戦での強さだった。クボタスピアーズ船橋・東京ベイの武器である屈強なフォワード陣が、摩擦係数が低下したボールを保持するやいなや巨大な肉体を駆使し、ブレーキの壊れたダンプカーのごとく前進。

試合開始から3分、5mラインからのスクラムで先制点を奪い、これまでの課題だった前半の立ち上がりの悪さも払拭。以後も強みのセットピースで試合の主導権を握り続け、モール、そしてスクラムからトライにつなげるマッチョな戦いぶりで、着実にリードを広げていった。

それはまさに、水を得た魚ならぬ“雨を得たフォワード”。格闘技に例えるならば、ステップワークを必要以上には多用せず、接近戦で重たいボディーブローを打ち込みながらノックアウトに追い込むファイトスタイル。大型ロックのルアン・ボタ、205cmの壁が試合を振り返って言葉を紡ぐ。

「雨が降ればいつもフォワードの試合になります。今日のテーマはセットピースをコントロールすることでした。そして、ディフェンスでもリーダーになることです。私は2018年からこのチームに在籍していますが、若い選手たちは先輩選手たちに憧れています。だから、(先輩として)良いパフォーマンスをしなければいけません」

チームを熟知する立川理道も「前半からセットピースでかなり優位に戦ってくれた」と、フォワードの活躍に目を細めた。かくして不敗神話は継続。えどりくの牙城はいまだ崩されることを知らず、同会場での連勝記録は『23』に更新された。昨季のこの時期、チームは苦戦を強いられてもがいていたが、今季は第13節を終えた時点の順位は2位の埼玉パナソニックワイルドナイツに勝ち点2差で迫る3位。プレーオフトーナメントの切符は、もう手の届くところにある。

(藤本かずまさ)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのフラン・ルディケ ヘッドコーチ(右)、ファウルア・マキシ キャプテン

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「コンニチワ!80分間をとおして良いパフォーマンスを見せた選手たちをとても誇りに思います。80分間をとおして(良い)パフォーマンスを遂行するために準備してきて、選手たちはそれをやり遂げました。素晴らしい結果をとてもうれしく思います」

──今後の残りの試合とプレーオフトーナメントに向けて、あえて課題になりそうなところがあるとすればどこでしょうか。

「プレーオフトーナメントにはまだ少し早いですが、まずは毎週毎週、やってきたことを改善していきたいと思っています。来週はリコーブラックラムズ東京さんと対戦します。彼らも第5節で対戦して以来、ここ数週間で本当に成長しています。タフな試合になると思います。

また、今日の勝利についても、エンジョイしていきたいと思います。ベーシックなことをしっかりと行い、規律を守れたからこそ、この勝利を祝うことができます。改善できることは何かという質問に関して言えば、(今季の試合で)初めてうまく、強くスタートすることができました。それを土台にしていきたいと思っています。それは私たちにとって非常に重要なことです」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
ファウルア・マキシ キャプテン

「今週の相手のダイナボアーズさんには(直近の試合では)勝てていて、それがすごく自信になっていたと思います。でも、自分たちは(相手を)リスペクトした上で、自分たちがやりたいことを準備してきました。今日は雨でしたが、やることは変わらないと思って、自分たちのプロセスを踏み、フォワードで自分たちの武器をどんどんと出せたことで、結果につながりました。準備してきたものが出せたと思います」

──今日の天候を考慮した上で、どんな準備を進めてきたのでしょうか。

「週の始めの段階で(今日の天気が)雨という予測を全員で理解して、何が起こっても自分たちがやることは変わらない、自分たちのポリシー、プロセスにフォーカスをしてやっていくということを確認しました。今日は特にフォワードが頑張ってくれたと思います。自分たちフォワードの強みはセットピースなので、それを今日はどんどん生かしてトライまでつなげられたと思います」

三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズのグレン・ディレーニー ヘッドコーチ(右)、岩村昂太キャプテン

三菱重工相模原ダイナボアーズ
グレン・ディレーニー ヘッドコーチ

「スピアーズさんは素晴らしかったです。常にフィジカルで、ゲームをよく理解しており、特にこのような天候条件下では非常に効果的でした。『勝利おめでとう』と伝えたいです」

──直前にメンバー変更がありましたが、その意図はどんなものでしたか。

「単にけがです。過去2試合はメンバーを変えずに戦うことができましたが、今季のリーグは信じられないほど消耗戦になっていると思います。シーズンをとおして選手の負荷を管理している中で、今日はわれわれのベストのメンバーを選びました。何人かの若い選手たちは本当に貴重な時間を得て、素晴らしい相手に対して立ち向かった努力を本当に誇りに思っています」

三菱重工相模原ダイナボアーズ
岩村昂太キャプテン

「あの難しい天候の中、スピアーズさんのフィジカルだったり、セットピースでプレッシャーを掛けられ、厳しい状況が続いた80分ではありました。ただ、選手の努力、粘り強くディフェンスするというところに関しては収穫があったと思います」

──雨の中、特に難しく感じた部分はどこでしょうか。

「もちろんハンドリングでかなり難しいところがありました。ただ、難しかったというよりは、良くできたところはディフェンスです。試合前から、ちょっとタイトになって思い切りプレッシャーを掛けていこうと、チームで話していました。そこをしっかり遂行できて、相手のミスを数多く誘えた部分は良かったと思います」


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