2025.04.06NTTリーグワン2024-25 D3 第11節レポート(狭山RG 48-5 LR福岡)

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第11節
2025年4月5日(土)12:00 海老名運動公園陸上競技場 (神奈川県)
狭山セコムラガッツ 48-5 ルリーロ福岡

父のアドバイスを胸に、初先発で躍動。次節の天王山に向け最高の準備を

この試合が初先発となった狭山セコムラガッツのフルバック、石井雄大選手

立ち上がりからペースを握った狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)が、前節でリーグワン初勝利を挙げ、勢いを付けたルリーロ福岡(以下、LR福岡)を寄せ付けず、3連勝を飾った。前半だけで5トライを奪い、コンバージョンゴールも3つ成功。前半の中盤にコリー・ヒルがイエローカードを受けて、数的に不利な状況に陥ったが、そこでも自慢のディフェンス力でLR福岡の猛攻を阻止。後半も着実に追加点を奪い、相手を1トライに抑える試合運びを見せた。

この試合が初先発となり、80分間プレーした石井雄大は、自慢のキックを含めて攻撃に勢いを与えた。

「自分がやるべきキックとランの部分は良かった。キックならタッチラインにボールを出すべき場面で出せましたし、全体に良い流れを作るキックもできた。ランについても、少ない中でもボールキャリーができたと思います」

石井の父親は、地元・栃木県の高校で指導者として活躍し、かつては日本代表でもプレーした実績をもつ。ラグビーを始めたころから、いろいろなアドバイスをもらい、自身の成長につなげてきたという。「子供のころから良いところを見つけて、それを伸ばしていくような助言をくれました。絶対にネガティブなことは言わないので、メンタル的にもものすごく良い影響を与えてくれています。今日も観に来てくれているので、何を言われるか楽しみです」。

次節は勝ち点差4で迎える、首位・マツダスカイアクティブズ広島との直接対決。ボーナスポイントを奪って勝利すれば逆転で首位に立てる重要な試合だ。大一番に向けて石井は「相手に勢いを与えないように、ディフェンス面がより重要」と気を引き締めた。ディビジョン3首位でD2/D3入替戦へ向かうため、チーム全員が最高の準備をして戦いに挑むことを期待したい。

(松野友克)

狭山セコムラガッツ

狭山セコムラガッツのスコット・ピアス ヘッドコーチ(左)、飯田光紀キャプテン

狭山セコムラガッツ
スコット・ピアス ヘッドコーチ

「今日のフォーカスポイントは、80分しっかりパフォーマンスすることでした。前半のスタートは良かったですが、前半20分ぐらいからエラーやペナルティがちょっと多くなって、ベストパフォーマンスではありませんでした。ルリーロ福岡も、面白いラグビーのやり方をするし、幅の使い方もうまくプレッシャーを掛けてきました。ディフェンスは、最初の良かった部分もありますが、次のマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)戦を考えれば、もっとフォーカスしていかないとゲームは難しくなってしまいます。次のレベルに昇りたいのであれば、80分しっかりとパフォーマンスするという部分へのフォーカスは欠かせないものになると思います」

──数的不利の時間帯がありましたが、相手に得点を与えませんでした。

「イエローカードは、ちょっともったいなかったです。ハーフタイムには(イエローカードを受けた)コリー・ヒルともしっかり話をして、彼自身も理解してくれました。でも、退出している時間帯で得点されなかったし、みんながステップアップできました。ただ、次のSA広島戦で同じことがあれば、すごく悪い影響になると思います。そういう部分での規律は本当に大事です。何度も言っていますが、マイボールのときの規律について、最近の練習でフォーカスポイントとしてあったのに、まだエラーが出ています。それをクリアしないと、残り4試合はすごく難しいものになると思います。チャレンジャーとしてやっていかなければいけないので、規律の部分でしっかりとラグビーをしていきたいと思います。ディビジョン1でも規律がしっかりしているチームが上の順位に来ているのを見ても、分かるはずです」

──レギュラーシーズンは残り4試合ですが、次節のSA広島戦が、大きなポイントになるかと思います。これまで2戦2敗と苦しんでいる状況もありますが、どういう点に気をつけて戦いに挑みたいと思いますか。

「過去2戦は、ゲインラインやディフェンスの部分でできていないことが多かったです。1試合目はスタートがよくなく、2試合目はスタートが良かったのに、ミスが多くなりました。そういう意味でも、ゲインラインはしっかりと取らないといけないです。あとは(飯田)光紀さんが言ったように、接点が大事です」

狭山セコムラガッツ
飯田光紀キャプテン

「まずはリーグワン関係者の皆さま、設営に関わってくださったスタッフの皆さま、ありがとうございました。試合の入りの部分は、簡単に得点が取れましたが、前半の中盤や後半になるにつれて、相手のアタックの部分で良さを出されてしまい、ちょっとゲインラインを取られたり、ディフェンスの甘いところが出たりと、苦しい時間帯もありました。ただそこを粘り切れて、相手に簡単に取らせなかったところは、良かったところだと思います。来週のSA広島戦にもつながる部分だったので、そこのところは伸ばしていって、あとはディフェンス部分でちょっと課題が残りつつあるので、今週1週間しっかり立て直して、次に向けてやっていきたいと思います」

──数的不利の時間帯がありましたが、相手に得点を与えませんでした。

「一人少ない状況で攻め込まれて、すごくキツいシーンはありましたが、14人の中でもしっかり体を張って、全員が相手に対してタックルを決めたり、ダブルでしっかり入ったり、そういうところはすごく良い部分が出たと思います。やっぱり14人の中でもしっかりと戦えたことは、次につながるところかなと思っています」

──レギュラーシーズンは残り4試合ですが、次のSA広島戦が、大きなポイントになるかと思います。これまで2戦2敗と苦しんでいる状況もありますが、どういう点に気をつけて戦いに挑みたいと思いますか。

「大きなポイントはコンタクトの部分だと思います。大きい選手も多いですし、外国籍選手もそれに加わってくると思うので、接点の部分でしっかり前に出て、僕たちのディフェンスができれば何も怖いことはないと思います。そこのコンタクトのぶつかり合いのところがカギになってくるかなと思っています」

──久しぶりの出場となりましたが、体の動きはいかがでしたか。

「今季初めての80分の出場でけっこうキツかったですが、感触的には良かったです。個人的にはもう少し上げないといけない部分もありますが、徐々に慣れていけばコミットできると思うので、次もしっかり頑張っていきたいと思います」

ルリーロ福岡

ルリーロ福岡の豊田将万ヘッドコーチ(左)、三股久典キャプテン

ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ

「今日はありがとうございました。首位に近い狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)さんと試合をする上で、私たちは相手の前に出てくる勢いのあるタックルやアタックに対して絶対受けないこと、点と点との勝負で負けないことに焦点を絞って、1週間ターゲットとしてやってきました。スコアは開きましたが、いまウチができるベストのパフォーマンスを選手は個人個人で見せてくれたと私は思っています。それは一つのタックルだったり、向かっていく姿勢だったりでは負けていなかったと自負しています。この経験が今季中に生きるか分かりませんが、チームを作っていく上ですごく大事な部分と捉えているので、選手のパフォーマンスにはすごく満足しています。ただ、負けたことに関しては、私の分析不足と、ゲームを作れなかった選手に判断をさせられなかった点にあるので、次に生かして、残り4戦、一つでも勝てるように頑張りたいと思います」

──前半16分に相手選手がイエローカードを受け、数的優位な時間帯がありました。その際トライのチャンスを作りながら、相手に粘られてしまったと思います。そこで得点できていれば流れが変わったようにも思います。

「そうですね。相手が一人少ない時間帯にウチがチャンスを生かせなかったというのは、ゲームに影響があったのかなと思います。さっき三股(久典)も言いましたけど、完結(フィニッシュ)のところでは、ちょっと取り急ぎ過ぎたのかなというところもあったので、今後は落ち着いてプレーできるように修正していきたいと思います」

ルリーロ福岡
三股久典キャプテン

「本日は遠方にもかかわらず、たくさんの方が応援に来ていただき感謝しております。ありがとうございました。今週は、ショートウィークで短い時間の準備でしたが、自分たちがフォーカスしてきたことは、試合でも出せたのかなと思います。ただ、完結(フィニッシュ)の部分でのミスだったり、セカンドマンレースのところで負けてしまったり、2番目、3番目のリアクションの部分で負けてしまったりしたので、次節まで少し時間は空きますけど、しっかりそこを修正して次節に臨みたいと思います。今日はありがとうございました」

──前半15分に相手選手がイエローカードを受け、数的優位な時間帯がありました。その際トライのチャンスを作りながら相手に粘られてしまったと思います。そこで得点できていれば流れが変わったようにも思います。

「プレー中にも選手同士では、『この一人少ないときに点数は取っておこう』という話はありました。それで攻めて敵陣にも入れたのですが、攻め焦るというか、そういう部分があって、しっかりとアタックができなかったです。プレーが個人個人になってしまって、そこを相手に突かれてしまいました。そこはしっかりと修正していきたいなと思います」

──今季の狭山RG戦はすべて大差をつけられての負けとなりました。今までの戦いから得られた課題や、または良さが出せた部分などを振り返っていただければと思います。

「自分たちがフォーカスしてきたアタックの部分では、しっかりゲインラインを取りにいくところと、ディフェンスでは、相手がシンプルなアタックで勢いをつけてくるチームなので、ゲインラインを切らせない、自分たちから前に出ることを意識してきました。今日の3戦目は、それがしっかりできたのかなというところはありますが、修正していくところは、自分の仕事だけで終わらないことだと思います。周りに気を遣って、自分の仕事は1じゃなくて、1.5でも1.7でも気を遣ってプレーする。あとはリアクションの部分や、先ほど豊田(将万ヘッドコーチ)さんがおっしゃったように、セットピースのところが大事になってくると思うので、そこを次戦につなげていきたいと思います」

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