2026.05.04NTTリーグワン2025-26 D3 第14節レポート(L戸田 25-26 中国RR)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第14節
2026年5月3日(日)12:00 アースケア敷島サッカー・ラグビー場 (群馬県)
ヤクルトレビンズ戸田 25-26 中国電力レッドレグリオンズ

心をつなぎ留めたのは仲間との日々。たどり着いたのはどんな立場でも全力を尽くすことの大切さ

今シーズンはメンバー外が続いていたヤクルトレビンズ戸田の太田景親選手。「スタメンだろうとリザーブだろうと全力を尽くす。今季はその大切さを、痛いほど学べました」

後半29分、途中出場の太田景親が、ゴール前中央を力強く切り裂き、トライを決めた。その後もヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の攻撃を勢いづかせたが、最終スコアは25対26。追い上げは及ばなかった。

「勝ち切るところまでいかないと…。それがリザーブの役割ですから」

ミックスゾーンで取材に応じた太田の表情には、悔しさがにじんでいた。しかし、それは試合に絡むことでしか味わえない、充実した悔しさだった。

今季、太田にとっては苦しいシーズンだった。

初出場となった第3節・狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)戦では、どこか気持ちが乗り切らず、パフォーマンスは精彩を欠いた。必然的に、その後はメンバー入りすらできない苦しい日々が続いた。

昨季は15試合中14試合に出場し、今季はさらなる飛躍を誓っていただけに、その落差は大きかった。

そんな太田を支えたのは、周囲の仲間たちだった。同じウイングで苦しみを共有する斉藤大智とは練習で激しく競い合い、ノンメンバーが続いていたベテランの徳重元気は折に触れて食事に誘ってくれた。そうした温かさが、途切れそうになる彼の心をかろうじてつなぎ留めていた。

「タフマンズ(ノンメンバー)のみんなと『Aチームを倒そう』と一緒に足を動かせたのも本当に大きかった。彼らがいなかったら……」

仲間たちとともに、太田は崖っぷちで踏みとどまった。再びメンバーに名を連ねたのは第8節、再びの狭山RG戦だった。ちょうどその前の週に、徳重と二人で“決起集会”を開いた直後のメンバー入り。そこにいたのは、別人のような太田だった。

「この試合で終わってもいい。それくらいの覚悟で臨めたんです」

この試合を境に、太田は完全に自分を取り戻し、以降は全試合に絡んできた。今節前には、同じように苦しみを味わい9試合ぶりにベンチに戻ってきた徳重に「今度は元気さんの番ですよ」と背中を押す光景があった。

太田はしみじみと振り返る。

「変なプライドがあったと思います。昨季は14試合も出させてもらって、少し天狗になっていた部分があった。そういうものを捨てて、毎試合に危機感をもって挑まないといけない。スタメンだろうとリザーブだろうと全力を尽くす。今季はその大切さを、痛いほど学べました」

次戦は今季のレギュラーシーズン最終戦。L戸田はルリーロ福岡とのビジターゲームに挑む。

長崎出身の「九州男」を自負する太田は、家族や友人たちの前でいまの自分を見せつけ、チームとともに勝利で今季を締めくくるつもりだ。

(鈴木康浩)

ヤクルトレビンズ戸田

ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(左)、臼田湧人 共同キャプテン

ヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ

「まず、試合開催にご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。また、中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)の皆さまもありがとうございました。試合を振り返りますと、前半はなかなか難しい部分もありながらトライを重ねられてしまいました。しかし、後半は追い付き追い越そうとチーム一丸となってプレーできていました。途中までは精度高く進めていたと思います。ただ、最終的に勝負を決める場面でのミスが結果につながってしまいました。私自身、最後のショットの部分でもっと強く指示していればという思いもあります。次に向けて個人が自分自身に矢印を向け、最終戦を勝利で終われるように準備したいと思います」

──後半途中から追い上げることのできた要因をどう考えていますか。

「後半の途中から入った選手たちが躍動してくれたことが大きかったです。また、前半からフォワードが前に出て頑張ってくれたことで相手の足を止めることができましたし、そこにサブの選手たちのエッセンスが加わったことで、後半途中からの良い流れが生まれたと思います」

ヤクルトレビンズ戸田
臼田湧人 共同キャプテン

「まずは、会場設営など試合開催にご尽力いただいた皆さま、そして、遠くからお越しいただいた中国RRの皆さまに感謝申し上げます。試合内容については、基本的に河野ヘッドコーチがお話ししたとおりです。自分たちの要所でのミスが流れを失う原因となり、今日の敗戦につながったと思います」

──後半の追い上げる時間帯に、グラウンド上で何を感じていましたか。

「自分たちがボールを持ってアタックできれば、トライにつなげられるという手ごたえはありました。ただ、最後に自分たちのミスで終わってしまい、トライまでつなぎ切れなかったことが反省点です。最終戦が残っていますので、今週1週間で最後の詰めの部分の精度を上げ、しっかりと準備をして勝利でシーズンを終えたいと思います」

中国電力レッドレグリオンズ

中国電力レッドレグリオンズの岩戸博和監督(右)、西川太郎主将

中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和監督

「まずはヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の皆さま、リーグ運営関係者の皆さま、ありがとうございました。総括といたしましては、クロスゲームになることは十分に分かっていましたし、『1点差でもいいから勝とう』という意識をチームで共有していました。結果としてそのとおりのスコアになりましたが、選手たちが最後まで粘り強く戦ってくれたことは誇りに思います。特に大事な時間帯でわれわれがスコアを取れたことが大きな勝因の一つだと考えています。一方で流れをつかみ切れなかった時間帯には、L戸田さんにアタックで攻め込まれる場面が目立ちました。これはわれわれのペナルティにより、我慢を強いられる時間が多くなったことが要因です。来週のラストゲームに向けて、この部分を修正し、ホストゲームでしっかりと勝って(シーズンを)締めくくりたいと思います」

──シーソーゲームになると見ていた試合を最終的に勝ち切れた要因は何でしょうか。

「一番はディフェンスの部分だと思います。トライを取られたシーンもありましたが、簡単には取らせませんでした。13人以上がしっかり立ち続けていましたし、『人数をそろえてディフェンスをしよう』と選手たちを送り出していました。L戸田さんにはバックスに優れたランナーがたくさんいるので、そうした選手たちに気持ちよくプレーさせないことをチームで共有していました。アタックよりもディフェンス面でしっかりブロックしてくれたことが大きな勝因の一つです」

中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎主将

「本日はありがとうございました。『1点差でもいいから勝とう』という話をチームで共有していて、本当に1点差の非常にタフなゲームになりましたが、最後に勝ち切ることができてホッとしています。ゲーム内容を振り返りますと、セットピースでのスクラムやラインアウトモールなど、ディテールのミスが多かったことが、流れをつかみ切れなかった要因だと思います。今回の試合に向けては『ポゼッションを高めよう』と話していました。敵陣に入ったところでフォワードとバックスが一体となってフェーズを重ね、スコアにつなげられた点は高く評価できると思います。フォワードの課題として、セットピース、スクラム、ラインアウトをもう一度修正する必要があります。ラストゲームはクリタウォーターガッシュ昭島戦ですが、ここ最近勝てていない相手ですので、ホストゲームでしっかり勝てるように頑張りたいと思います」

──6連敗中という状況で、一つ上の順位の5位との対戦でしたが、この試合に懸ける思いについて聞かせてください。

「正直、順位のことはあまり意識していません。それよりも自分たちがやるべきことをどれだけ遂行できるか、一人ひとりが仕事をどれだけしっかりこなせるかにフォーカスして、この1週間を過ごしてきました。もちろん全員が勝ちたいと思っていたはずですし、一人ひとりが良い仕事をして勝ち取った勝利だと思います」

試合詳細

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