NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D2/D3入替戦[D2 8位 vs D3 1位]第1戦
2026年5月23日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ 20-17 マツダスカイアクティブズ広島
信頼と努力の先にあるものを信じて。根幹となるベテランの存在感
日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)がD2/D3入替戦の1試合目を20対17で勝利した。ただ、3点差というタイトなスコアに、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた堀江恭佑は勝利の喜びも控えめに、来る第2戦に向けて「ここからの1週間が本当に大事だ」と語った。
「今日の試合は、勝つことはできたが反省点も多かった。そこをしっかりと見つめ直し、自分たちのセットピース……、スクラムだったりラインアウトだったり、それぞれを研ぎ澄ますことに集中するしかないと思います。新しく付け加えることよりも、取り組んでいることの精度を究極まで磨き、選手みんなが同じ絵を見て突き詰めていく。本当にそこしかない」
堀江のベテランらしい落ち着き、特にここぞというときの判断力は見事だった。お互いに得点が取れずこう着していた前半18分、日野RDがスクラムでペナルティを奪うとその刹那、堀江が一瞬の判断でタップキックからのクイックスタート。相手ディフェンスを置き去りにして一気にトライゾーンへ駆け込み先制点を奪う。
「スクラムハーフともウイングともコミュニケーションが取れていたし、スクラムは終始優勢だったので常にあのようなプレーは狙っていました」
後半15分の自身2トライ目も、スクラムで相手に強烈な圧を掛け、最後はタイミング良く斜めに切り込んで奪ったもの。シーズン終盤になるにつれ、堀江はチームの根幹となり、若い選手が多い日野RDを支え続けている。
後半15分には2つ目のトライを挙げ、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに今季、連敗が続き雰囲気も沈んでいたとき、苑田右二ヘッドコーチは「勝利を奪うために魔法はない。目の前のことに集中し、ハードワークを積み重ねること。シンプルに迷いなく力を発揮できる蓄積ができたとき、いつかわれわれに大きなチャンスが生まれる」と話していた。ベテランとしての広い視野から後輩たちを励まし、ともに汗を流してきた堀江も、日野RDの選手たちが地道な努力を続け、いま、その成果が花開こうとしていることをよく分かっている。
「結果がなかなか出なかった1年でしたが、その苦しい状況の中でも、選手たちは戦術をはじめ自分たちのラグビーも、コーチや仲間も疑うことなく信じて努力を常に積み重ねてきている。その経験は絶対にこの先もみんなのラグビー人生に生きる。そう信じています」
このメンバーで戦うのも次の広島での“決戦”が最後となる。堀江恭佑はすべてを出し切る覚悟だ。
(関谷智紀)
日野レッドドルフィンズ(D2)
日野レッドドルフィンズの苑田右二ヘッドコーチ(左)、中鹿駿キャプテン日野レッドドルフィンズ
苑田右二ヘッドコーチ
「本日は、われわれのホストゲームで多くのご声援をいただいた中で試合ができたことが、選手たちの大きな力になったと思います。ファンの皆さまには心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)さんも、昨季の入替戦で敗れた経験があり、『今年こそは』という強い思いをもって臨まれていたと思います。ただ、われわれもそれ以上の気持ちをもって、この2週間、中鹿(駿)キャプテンを中心に非常に良い準備ができていたと感じています。試合内容については、まだまだ改善できる場面もありましたが、最後に勝ち切れたことは、次のゲームにつながる大きな勝利だったと思います。第2戦となる広島での試合も、もう一度フラットな状態に立ち返り、自分たちのラグビーをしっかり出せるように最善の準備をして臨みたいと思います。本日はありがとうございました」
──レギュラーシーズン終盤は良くなかったスクラムやラインアウトといったセットピースが改善されていましたが、その要因と今日の結果を受けて次戦へどう準備するかを教えてください。
「セットピースについては、フォワードのメンバーがシーズン中から『少しでも改善したい』という強い思いをもち、非常に多くの時間を掛けて練習に取り組んできました。そうして積み重ねてきたものが、ようやく形になってきたと感じています。今日の試合では、セットピースの部分で相手にプレッシャーを掛けることができたと思います。ただ、SA広島さんも次戦に向けて必ず修正してくると思いますので、われわれ日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)としても、もう一度、自分たちのスクラム、モール、ラインアウト、そしてアタック、ディフェンスを80分間やり切れるよう、しっかり準備していきます。
今日の試合を終えても、まだ"前半の80分"が終わっただけだと思っています。次の80分でも、自分たちの日野RDのラグビーをしっかり表現できるように最善を尽くしたいと思います。選ばれたメンバーはしっかり準備をして、見ているみなさんがワクワクするようなラグビーをプレーする。そして、『日野RDのラグビーは面白い』と感じていただけるような試合をして、シーズンを締めくくれればと思っています」
日野レッドドルフィンズ
中鹿駿キャプテン
「今日は本当にたくさんのファンの皆さまに会場へ足を運んでいただき、応援していただいた中で試合ができたこと、そして勝利をお見せできたことをとてもうれしく思います。
試合については、勝利できたことは素直にうれしい一方で、さまざまな反省点や課題も見つかりました。トライを取り急いでしまった場面も何度かありました。このメンバーで試合ができるのもあと1週間しかありませんので、1日1日の練習を大切にしながら準備していきたいと思います。SA広島さんも、来週は非常に勢いをもって臨んでくると思いますので、しっかりリスペクトをもって戦いたいと思います。今日はありがとうございました」
──見つかった課題はどんな点で、次戦までにどう修正しますか。
「やはり、相手ゴール前まで攻め込んだ場面で、少し無理にトライを取りに行ってしまったシーンが何度かあったことは反省点です。そこで冷静に、これまで練習してきたことを遂行できていれば、もう少しラクにトライを取れた場面もあったのではないかと感じています。全体としてセットピースは安定していましたが、本来、自分たちの強みであるモールで押し切れなかった部分については、まだまだ修正していかなければなりません。ただ、今日の試合でやろうとしていたこと自体に間違いはなかったと思っています。あとは、いま取り組んでいることの精度をさらに高め、チームとしての結束力も強めながら、来週の試合で相手を上回れるように頑張っていきます」
マツダスカイアクティブズ広島(D3)
マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(左)、芦田朋輝キャプテンマツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ
「今日の試合では、われわれSA広島がアタックを多く展開でき、ファンの皆さまにとっても楽しめる試合になったと思います。その一方で、雑なプレーも多く、試合が止まる場面が続いたことで、なかなかリズムを作ることができませんでした。アタック面では日野RDさんのほうがスクラムを効果的に使うなど、うまく試合を進めていた印象がありますし、よりリラックスしてプレーできていたように感じています。ただ、そうした展開の中で、第1戦を3点ビハインドで終えられたことは、ある意味ラッキーだったと思っています。今日の試合で見えた課題はたくさんありますが、その中でも絶対に修正しなければならない部分にフォーカスし、この1週間でしっかり改善して、来週は必ず勝ちたいと思います」
──スクラムについては想定以上に押された印象ですか。また次戦までにどう対策しますか。
「相手はシーズンをとおして毎試合強い相手と戦っていますし、スクラムのテクニックも非常に高かったと思います。フロントローの体重といった数字だけでは測れない強さがあったと感じています。われわれとしても課題をしっかり共有し、相手のスクラムに対抗できるよう取り組んでいかなければなりません。スクラムでは大きなミスというより、足を少し外側に置いてしまったり、バランスを崩してしまったりといった細かな部分に課題がありました。そうした点は来週までに必ず修正しなければならないと思っていますし、しっかり取り組んでいきたいと思います」
マツダスカイアクティブズ広島
芦田朋輝キャプテン
「今日はこの素晴らしいグラウンドで試合をさせていただきありがとうございました。入替戦はチームに大きなプレッシャーが掛かる試合だということを理解した上で準備を進めてきましたが、やはりセットピース、特にスクラムやラインアウトの部分で日野RDさんからプレッシャーを受け、ペナルティが多くなってしまいました。ただ、敗れた中でも3点差に抑えられたことは、自分たちにとって非常にプラスに捉えています。今日の試合は、誰が見ても課題が明確だったと思います。1週間という短い期間ではありますが、その課題をしっかりつぶすことができれば、良い結果につながるという手ごたえもあります。次戦はホストゲームとなる広島で、しっかり勝てるよう準備していきたいと思います」
──敗れはしましたが、収穫と言える部分があれば教えてください。
「アタックについては、自分たちがやりたい形を出すことができれば、得点につながるという感触がありました。また、守備の面では、これだけペナルティが続いた中でも、自分たちの強みをしっかり発揮できたと思っています。ディフェンスはシーズンをとおして常に自信をもって取り組んできた部分でもありますので、次戦ではペナルティを減らすことができれば、結果はついてくると思っています」




























