豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

全員が同じ目線で掲げる、壮大な夢

いよいよ開幕する、NTT ジャパンラグビー リーグワン。ディビジョン2では唯一の日曜日開催となる試合は、豊田自動織機シャトルズ愛知がパロマ瑞穂ラグビー場に清水建設江東ブルーシャークスを迎える一戦。今季、ディビジョン3からディビジョン2に昇格したチーム同士の対戦だ。

徳野洋一ヘッドコーチが「やるべきことをプランどおりに遂行できた」と振り返る、充実の準備期間を過ごしてきた。昨季3度の対戦すべてで勝利を収めた開幕戦の相手に対して、「自分たちが積み上げてきたものを最大限発揮することにフォーカスしたい」と徳野ヘッドコーチ。プレシーズンの成果を存分に披露する意思を示している。相手も昨季の悔しさを開幕戦という舞台で晴らしにくるだけに、激しい試合になることは間違いない。

開幕週のチームからは、一体感を強く感じた。選手もコーチ陣も口をそろえて、「ディビジョン1昇格、将来的な日本一」という目標を発している。2020年から現職を務める徳野ヘッドコーチは「(選手それぞれの)キャリアを取っ払って、みんなが同じゴールを見て、同じ目線で同じ取り組みをしていくことをチームとして明確にしている」と語った。そうすることで「何をすべきかが見えてくる」と同コーチは語る。チームが今季、ここまで順調に階段を上っている理由は、クラブにいる誰もが同じ方向を向いて、たゆまぬ努力をしていることにある。

ここまでのすべてが順風満帆だったわけではない。2021年のトップチャレンジリーグを1位で終えたものの、昨季のリーグワン初年度はディビジョン3スタートとなった。それに対し「選手は落ち込んでいたり、動揺したりしていた」と指揮官は明かす。ただ、“ディビジョン3から日本一を獲るストーリーを描けるのは自分たちに与えられたチャンス”とチームは捉え、前を向いた。

悔しさをエネルギーに変え、1シーズンでたどり着いたディビジョン2の舞台。しかし、ここで足踏みするわけにはいかない。ファン・サポーターには「結果はどうであれ、大きな夢を見ながら試行錯誤して前に進む姿勢を見てもらいたい」(徳野ヘッドコーチ)。まずは開幕戦。勝って豊田自動織機シャトルズ愛知の壮大な物語を進めたい。

(齋藤弦)

徳野洋一ヘッドコーチ


清水建設江東ブルーシャークス(D2)

感動体験を届けるために。打ち出した新たな施策

今季からジャパンラグビー リーグワンのディビジョン2で戦う清水建設江東ブルーシャークスは、12月18日に豊田自動織機シャトルズ愛知との開幕戦を迎える。舞台は愛知県のパロマ瑞穂ラグビー場で、ビジターゲームとなる。

昨季の目標だったディビジョン2昇格を果たして迎えるリーグ初戦。その一戦を前に、「自分たちの力がどれだけ通用するか、披露できるのがとても楽しみ」とバイスキャプテンの松土治樹は話した。

豊田自動織機シャトルズ愛知とは、昨季のディビジョン3で3試合戦い、すべてで敗れている。その相手について、「セットピースの強さがある。攻撃的なフォワードに加え、バックス陣にスピードのある選手が多く警戒したい」と大隈隆明監督。さらに松土は「相手のキープレーヤーとなる副将の小原稜生選手、新加入のナエアタ ルイ選手をいかに止められるか重要になってくる」と述べた。

いかにプレッシャーを掛け続けられるか。自分たちの強みであるスペースを見つけてボール動かす速いボール展開とアタックができるか。それに、ブレイクダウンで負けずに戦えるか。これらが勝利へのカギとなる。一人ひとりのハードワーク、それに“攻撃的なディフェンス”に注目したい。

チームは変わることなく、“仕事とラグビーの両立”を掲げて取り組んできた。昇格したからといって、これまでよりも全体練習の時間が多く取れるわけではない。そのぶん、プレーの質にこだわって日々のトレーニングに臨んでいる。コーチ陣はもちろん、選手同士が高いレベルを求めることで、互いに厳しいことを言い合えるようなチームになってきているという。

今季から、ビジターゲーム全5試合のパブリックビューイングをスタートさせる。ホストエリアである江東区の有明ガーデンがその会場だ。チームと有明ガーデンのコラボメニューも販売されるなど、遠方開催の試合でも多くの方に応援してもらえるよう、ファン拡大の施策を打ち出している。

仕事とラグビーを両立する清水建設江東ブルーシャークス。新たなステージで結果を残し、人々に感動やチャレンジする気持ちを届けるべく、初戦に挑む。

(山村燿)


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