NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン3(リーグ戦) 第4節
2023年1月15日(日) 14:30 ヨドコウ桜スタジアム (大阪府)
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪 43-21 マツダスカイアクティブズ広島
「応援に来てくれる人たちがいるから頑張れる」。4,050人の声援を受けたRH大阪が開幕3連勝
1月15日、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪は、ヨドコウ桜スタジアムにマツダスカイアクティブズ広島を迎え、1カ月ぶりのホストゲームを行なった。
週の初めには雨予報だったにもかかわらず、晴天とまではいかずとも雨も降ることなく冬日和の中で開催。大阪市のスポーツ応援プロジェクト『OSAKA SPORTS GROOVE』(オオサカスポーツグルーヴ)DAYだったことも相まって、雨天だった開幕戦の2倍になる4,050人の観客が足を運び、場外イベントも含めたスタジアム観戦を楽しんだ。今回は来場者にNTTドコモレッドハリケーンズ大阪のチームカラーである鮮やかな赤のミニタオルとTシャツがプレゼントされ、もらったその場でTシャツを着用する人の姿も多く見られた。
試合結果は、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪が43対21で開幕戦から3連勝。3トライ以上の差をつけて勝利したため、勝点5を積み上げている。
結果だけ見れば、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪が危なげなく勝利したように見受けられるかもしれないが、後半26分の時点では、マツダスカイアクティブズ広島が1点差まで詰め寄り、スコアボードの数字は22対21になっていた。
焦りを感じてもおかしくない状況で「会場を見渡したとき、スタンドが自分たちのチームカラーの赤に染まっていた」ことに力をもらったと試合後に話したのは、キャプテンの杉下暢。多くの観客に背中を押され、チームはその後、1つのトライとコンバージョンキックの成功、ペナルティトライを2本得る。背中を押してくれた観客に、22点差をつける勝利を届ける結果となった。
プレイヤー・オブ・ザ・マッチとなったヴィリー・ブリッツも、試合後のヒーローインタビューで「多くの人が訪れてくれ、本当に感謝している。自分たちは、応援に来てくれる人たちがいるからこそ、頑張ることができる」と語っていた。まだシーズンは序盤戦。これから先も多くの人たちとともに喜び合えるゲームを継続し、さらに前へ、さらに上へと進みたい。
一方、マツダスカイアクティブズ広島も、今節はチームのコンディションも優れず、登録メンバーが1人少ない22名となっていたが、今季初勝利の足音も聞こえ始めた。次節はホストゲームだ。「試合に来ていただけるみなさんに、今日のように勝利を信じて戦う姿をお見せした上で、広島で喜びを分かち合いたい」(﨑口銀二朗キャプテン)。
スタジアムに足を運んだ観客一人ひとりの存在が、それぞれのチームをより一層強くたくましくする。
(前田カオリ)
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
マット・コベイン ヘッドコーチ
「とても面白い試合展開だったと思います。簡単に点が入らず、マツダスカイアクティブズ広島さんのディフェンスが良く、ストレスを掛けられました。ハーフタイムには、その中でも今まで作ってきたプランに則ってしっかりやろうということを伝え、後半はうまくそのプランに則ってやり切ることができたので、最終的にはトライと勝利をつかむことができました」
──次節には、どのような部分を修正して臨みたいと考えていますか?
「まず一つ目は、遂行力。やり切る、ということが必要です。よく試合後に話すのは、良い面や良い時間帯があったにもかかわらず、小さなミスをして流れが途切れてしまうということがあるので、プレーを一つひとつやり切ることが大切です。自分たちがやろうとしていることは効果的でうまくいくことがわかっているので、何か新しいことを課題にするのではなく、今までにも出てきていた課題をしっかりやり切ることが大切です。2点目は、ブレイクダウンだと思います。このディビジョンでしっかり戦うには、しっかり競争に勝ち、僕らが掲げているアップテンポのラグビーをやり切る。この2点です」
──メンバーを入れ替えて臨んだ試合でしたが、どのように感じましたか?
「とても良いパフォーマンスをしていたと思います。特にフルバックの山本貫太選手は、吉澤太一選手に代わってスターティングメンバーになりましたが、開始すぐのトライもあり、とても良い試合のスタートを切ってくれたと思います。もちろんほかの選手もそうですが、今回もらったチャンスをしっかりつかみにいこうという姿勢が見えました。今日の試合でメンバー外となっている選手たちも、日々のトレーニングでとても頑張っています。それによって出場メンバーに対して少しでも気を抜くとメンバーが代わるというプレッシャーを掛けていますし、良いパフォーマンスの選手が試合に出られる環境が作れています」
──今日の試合には、4,050名の観客が訪れました。
「とてもうれしいです。可能であれば、もっとたくさんの方が来てくれるとうれしいですね。私たちは、仲間や会社を代表してここでプレーしています。その人たちが誇りに思えるようなプレー、大阪を代表できるぐらいのパフォーマンスをしていきたいです」
NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
杉下暢キャプテン
「まず、勝点5をしっかり取れてよかったなと感じています。直近の数試合は、試合の入りが悪い展開が続いていましたので、今日の試合では、試合の入りからエンジンを上げ、しっかり挑むことにフォーカスして臨みました。実際にスムーズにトライまで結びつけることができたので、そこに関してはチームとしてレベルアップできたと感じています。ただ、試合を通してマツダスカイアクティブズ広島さんのフィジカルなプレーに少し苦戦してしまいました。セットプレーのスクラムやラインアウトディフェンスを中心にしっかりプレッシャーをかけることができたので、最終的にこのようなスコアにすることができましたが、修正するところはまだまだ多くあるので、シーズン中にしっかり修正して今後につなげていきたいと考えています」
──次節には、どのような部分を修正して臨みたいと考えていますか?
「アタックに関しては、良いプレーをして22mラインに入ったあと。そこでボールセキュリティが甘くてボールを落としてしまう場面が多かったので、そこをまず我慢強くアタックしていきたいです。ディフェンスに関しては、相手のシンプルなボールキャリーに対してちょっと受けてしまって、パッシブ(受け身)なタックルをしてしまう場合があったので、力強くレベルアップしていきたいです」
──メンバーを入れ替えて臨んだ試合でしたが、どのように感じましたか?
「チーム内で良い競争が行われていることをあらためて感じました。また山本貫太選手、トニシオ・バイフ選手、ジョシュ・フェナー選手は、チームにモメンタム(勢い)を与えてくれました。本当にハングリー精神をもってみんなプレーしていますので、けがをする人がシーズン中に出てくることはあるかもしれませんが、誰が出ても良いスタンダードでプレーできるチームになってきています」
──今日の試合には、4,050名の観客が訪れました。
「今日みたいに試合会場が僕らのチームカラーの赤色に染まっていると、自分たちの試合に臨む気持ちは、より高まります。来てくださった方々に『試合を見に来てよかった』と思ってもらえるようにプレーしました。今日の試合では、後半の途中に22対21の僅差になるタフな展開になりましたが、試合会場を見渡すと赤色に染まっていたので、そこからパワーをもらうことができました。みなさんの応援のおかげで、勝点5まで取ることができたと思います」
マツダスカイアクティブズ広島
マツダスカイアクティブズ広島
中居智昭ヘッドコーチ
「本日はゲームをありがとうございました。この素晴らしいスタジアムでゲームができたこと、チームとして幸せに思います。ありがとうございます。NTTドコモレッドハリケーンズ大阪さんの個を中心とした激しい攻撃に苦しんではいましたが、選手が2人目、3人目としっかり相手に絡みついて、うまくボールを下げさせなかったことが最後の最後までスコアを接戦にできました。また、アタックとしては全員が前に出ようという気持ちが出るような場面が多々あり、すぐ倒れず、一歩でも前にドライブという気持ちがありました。全員が前を向き、どんどんチーム全体が盛り上がりました。結果は負けてしまいましたが、今日のプレーを次の勝利につなげるようにがんばっていきたいです。本日は、22名のメンバー登録となってしまいました。コンディション不良も発生しまして、チームとして改善すべき点が多々あると思いますので、しっかりと試合に向けてベストパフォーマンスを出せるようやっていきますので、今後ともよろしくお願いします。本日はありがとうございました」
──1点差に迫る時間もありました。逆転するには何が足りなかったでしょうか?
「スコアを取るのはすごく良い形で取れているので、やはりチームが勢いに乗るためには連続したスコアが必要だと考えます。トライを取ったあとのキックオフのレシーブの部分の流れをつかむなど、再び自分たちの流れを引き寄せるために、やはり連続スコアが必要です。ウチが連続スコアし、相手に連続させない。それで勝利により近づくのではないかと考えますので、そこを修正していきます」
──次のホストゲームに向け、意気込みを聞かせてください。
「現在3試合を終え3敗。われわれは勝利に飢えています。全員で次の試合を勝つため、できることすべてをやっていきます」
マツダスカイアクティブズ広島
﨑口銀二朗キャプテン
「本日はありがとうございました。アタックの部分は、テンポが出たシーンもあり自分たちのボールを動かすラグビーが機能してきています。トライを3本取れたことは、自分たちの自信につながります。しかし、ディフェンスのところで、相手の強い個に対して、前半はしっかり我慢できていましたが、自分たちに流れが来たにもかかわらず、相手に流れを渡してしまったところが、まだまだ成長していかなければならないところだと感じています。勝つことができませんでしたが、下を向くことなく次の試合での勝利に向かって、しっかり準備していきます。これからもよろしくお願いします」
──1点差に迫る時間もありました。逆転をするには何が足りなかったでしょうか?
「自分たちの簡単なミス、トライを取ったあとの簡単なミスや、ペナルティの部分です。そこについては、自分たち自身で厳しく突き詰め、しっかりやり切ることにフォーカスして取り組んでいかなければいけません」
──次のホストゲームに向け、意気込みを聞かせてください。
「前回の広島でのホストゲームでは、自分たちは不甲斐ない試合をしてしまいました。次の試合では、来ていただける皆さんに今日のように自分たちが勝利を信じて戦う姿勢をお見せした上で、しっかりと勝利し、広島で喜びを分かち合いたいです」