マツダスカイアクティブズ広島(D3)
リアクションではなくアクション。守備から良い流れを作り、初勝利を
開幕戦以来のホストゲームで今季初勝利を目指すマツダスカイアクティブズ広島が迎える相手は、九州電力キューデンヴォルテクスだ。
元日本代表の山田章仁が出場した第2節と第3節に勝利して2勝1敗の戦績を残していることからも、その影響力を感じさせるが、中居智昭ヘッドコーチは一緒にプレーしたこともある過去を振り返りながら山田章仁の存在感の大きさを語っている。
「まだ現役でやっているんですから尊敬しますし、いまも元気ですね。僕が現役の頃からいつも彼は元気の源でしたし、いまもエナジーをもって九州電力キューデンヴォルテクスの選手たちが躍動しているところを見ると、彼の存在が大きいんじゃないかなと思います」
その活気のある相手に対して、勢いをもって試合に入っていけるどうかを中居ヘッドコーチはポイントに挙げている。
「自分たちからモメンタム(勢い)を作り出していきたいと思います。ウチがダメなときはリアクションになるときで、前節は入りのところでいきなりトライを取られてしまった。そこからよく巻き返したとはいっても、主導権を握られていたことは間違いないので、リアクションからアクションに変えて自分たちから主導権を握っていきたいと思います」
選手たちも気持ちは入っている。中島陸斗は「とりあえず勝ちにこだわって、何とかまず1勝目を挙げれるようにしていきたい」と言い、「チームとしてディフェンスは良い状態にあると思うので、ディフェンスからうまく試合の流れをもってきたい。そこから速いテンポでアタックできるように自分がボールをさばいていきたいですし、スペースをうまく突けるように視野を広くしていきたいと思います」と見据えた。
今節は、前節で欠場した武田知大が戻ってくることも頼もしい。推進力のあるフッカーは「セットプレーの安定は大前提で、バックスの展開力はだんだん良くなってきているので、次の試合はフォワードがもっと前に出ることをやっていきたい。フォワードが出られたらバックスの展開力もより生かせるようになって、もっと得点につながるプレーも増えると思う」と力強く語っている。
立ち上がりからチーム一丸となって果敢に前に出るマツダスカイアクティブズ広島の姿が見られそうだ。
(寺田弘幸)
九州電力キューデンヴォルテクス(D3)
連勝中のチームにも慢心はなし。成長にどん欲な集団が目指すは3連勝
第4節は試合がなかった九州電力キューデンヴォルテクス。2週間ぶりの試合となる今節は、1月22日13時からBalcom BMW Stadiumでマツダスカイアクティブズ広島との一戦を戦う。開幕戦以来となるビジターゲームで3連勝を収め、1巡目の戦いを終えたいところだ。
前節はホストゲームに中国電力レッドレグリオンズを迎えて、32対0で快勝。「ディフェンスについては何も言うことがない」と赤間勝監督も評価し、敵将の岩戸博和ヘッドコーチにも「すべて九州電力キューデンヴォルテクスさんのディフェンスにシャットアウトされた」と言わしめるほどだった。
「勝って兜の緒を締めよ」とは勝負の世界において最も有名な格言の一つで、今節に向かう九州電力キューデンヴォルテクスにとって意識しなければならないマインドだ。快勝のあとに2週間空くこと。そして、相手はいまだ勝利がないチーム。外から見れば、油断や慢心が生まれかねない状況に映る。順調なときこそ、落とし穴は潜んでいるもの。ただ、17日の練習ではチームにそんな雰囲気は一切、なかった。
荒牧佑輔が「マツダスカイアクティブズ広島さんには練習試合で1勝1敗。勝った試合も接戦でした。自分たちとしては油断できる相手ではないことは全員がわかっている」と話せば、ウォーカーアレックス 拓也も「慢心はないと思います。自分たちは慢心できるようなレベルではないですし、僕たちが慢心できるような相手は一つもない」と話す。
練習後にはキッカー陣が居残りでゴールキックの練習に励む姿が見られたが、前節は6トライを挙げながらコンバージョンキックの成功は1本のみ。慢心どころか課題を見つけて向上しようとするチームに、赤間監督も「慢心や油断という部分については何の問題もないかなと思います。心配もしていません」と太鼓判を押す。
「まだまだ成長の余地がいっぱいある」とウォーカーが言うように成長にどん欲な集団に慢心はない。敵地・広島でも九州電力キューデンヴォルテクスらしいラグビーを展開する。
(杉山文宣)