2023.01.30NTTリーグワン2022-23 D3 第5節レポート(WG昭島 37-32 RH大阪)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン3 第5節
2023年1月28日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 37-32 NTTドコモレッドハリケーンズ大阪

全勝チームを倒した、6分間の逆転劇

逆転勝ちのクリタウォーターガッシュ昭島。スクラムも収穫があった

前節までNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン3で負けなしのNTTドコモレッドハリケーンズ大阪を37-32で破り、クリタウォーターガッシュ昭島はホストゲーム3連戦の初戦で逆転勝利を飾った。これでAFGフィールドではリーグワン初年度から4連勝となり、「ずっとここで試合がしたい(笑)」と、ワイクリフ・パールー ヘッドコーチも試合後は上機嫌だった。

試合前半は、一方的な展開で押し込まれた。NTTドコモレッドハリケーンズ大阪にラインアウトモールからの2トライを含む3トライを献上し、苦しいゲーム展開に。「こちらが思い描いていたモールでのトライだった」と、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪の杉下暢キャプテンが振り返ったとおり、ビジターチームのペースで進んでいた。

前半を終えて15点のビハインド。このままズルズルと引き離されると思われたが、後半開始からフェインガ・ファカイに替えてテビタ・オトを投入。この采配がずばり的中した。セットピースが安定し、両ウイングの濱副慧悟とトム・イングリッシュまでボールがつながるようになった。そして、後半8分からのわずか6分間で試合をひっくり返してみせた。

普段はセンターを主戦場とするトム・イングリッシュは、「10年ぶりにウイングでプレーしました。ボールを持ったときにスペースがあるのは楽しい」と一言。この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチを受賞した濱副とのコンビは今後、相手チームにとって脅威となるに違いない。

もう一つ収穫があった。クリタウォーターガッシュ昭島のスクラムだ。「今までの試合ではスクラムでペナルティをとって、相手陣22mに入るという戦い方ができていたが、今日に関してはそれができなかった。クリタウォーターガッシュ昭島のスクラムは他のチームと比較しても強かった」と、相手の杉下キャプテンも脱帽だった。

自分たちが進んでいる方向は間違っていない──。今シーズン掲げるランニングラグビーの確立へ。チームのメンバーそれぞれが大きな自信をもって、確実に階段を上っている。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島のワイクリフ・パールー ヘッドコーチ(右)、石井洋介キャプテン

クリタウォーターガッシュ昭島
ワイクリフ・パールー ヘッドコーチ

「勝てて良かったです。選手たちの頑張りを評価したい。自分たちのやりたいラグビーを遂行できました。前節は残念な結果だったので、今回はファンのためにも自分たちのラグビーをプレーすることにフォーカスしていました。今日はそれができました」

──15点差で折り返した中、ハーフタイムにはどんな指示をしたのでしょうか?

「前半はボールタッチが少なかったですが、ボールを触ったときは良いプレーができていました。タッチ回数が増えればいけるという感覚はありました。セットピースでは課題が多かったです。ハーフタイムの指示としては、セットピースの改善とエッジでのラックでした」

──前節から大きくメンバーを入れ替えた意図を教えてください。

「今週はブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)にフォーカスしたかったので、(中尾)泰星と川瀬(大輝)をメンバーに入れました。ベンチメンバーもフォワード6人、バックス2人にしました。今日はバックローが頑張ってくれました。今週はキャプテンを含めて、練習がうまくいったと思います」

──次節に向けて意気込みを教えてください。

「前回、ここで勝利して次の試合で負けてしまったので、今日はこの勝利を楽しんで、明日からは次のレベルに上がれるように、また練習していきたいです」

クリタウォーターガッシュ昭島
石井洋介キャプテン

「勝てて良かったです。前半は悪い入りをしてしまいましたが、その中で、チームとして自分たちの強みが共通認識として持てていたので、後半切り替えて勝つことができました」

──ラインアウトのミスが起点となって3トライを献上してしまいました。なにがうまくいかなかったのでしょうか?

「NTTドコモレッドハリケーンズ大阪のラインアウトが強かったというよりは、こちらのメンバーが変わったところでコミュニケーションが取れていませんでした。そこは修正しないといけないと思います」

──次節に向けて改善したいところを教えてください。

「今日の試合の課題はセットピースのところだと思います。そこが少しうまくいきませんでした。そこはチームとして強みとしてやっていきたいので、この1週間で修正していきたいです」

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪のマット・コベイン ヘッドコーチ(右)、杉下暢キャプテン

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
マット・コベイン ヘッドコーチ

「良い試合ではありませんでした。前半は良いスタートを切ることができましたが、後半はクリタウォーターガッシュ昭島がエナジーあるラグビーをしていました。それが彼らの勝利につながったと思います」

──この2週間どういう準備をしてきて、今日の試合でそれがどのぐらい体現できましたか?

「準備はうまくいっていたので、前半の20分までは自分たちのやりたいラグビーができていました。ただ、ハーフタイムを挟んだことで流れが変わってしまいました。クリタウォーターガッシュ昭島は勢いがつけば、そのまま流れに乗ってしまうチームです。彼らのやりたいスクラムで勢いをつけさせてしまいました」

──この結果をどのように受け止めていますか。

「率直に残念な気持ちです。選手も努力はしましたが、綺麗なプレーができなかった。この負けからしっかり学んで、次にしっかり生かすことができれば、価値のある負けだと思います」

NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
杉下暢キャプテン

「前半40分は非常にいいラグビーができていたが、後半はアタックのところで受けてしまいました。外側のスペースを相手のランナーにゲインされて同じような形でトライを取られてしまって、修正ができませんでした。さらにディシプリンのところでも、同じような反則を繰り返してしまいました。ただ、最後はリザーブのメンバーがトライを取ってくれて、ボーナスポイントを獲得することができたのは良かったです」

──前節から2週間空きました。特にフォーカスして取り組んだことはどのようなことでしょうか?

「試合を通してオフ・ザ・ボールでハードワークすることにフォーカスしてきました。アタックに関しては22mラインに入ったところで、バックスとフォワードが連携して、強度高くアタックをすることで、トライまで結びつけることを意識してきました。ディフェンスに関してはダブルタックル。ブレイクダウンでプレッシャーをかけ、その間にディフェンスラインを整理し、ノーオフサイドでプレーしたかったです。ただ、そこに関しては乱れてしまいました」

──あらためて、今日の結果の受け止めを教えてください。

「率直に悔しい気持ちでいっぱいです。負けたことには必ず原因があると思うので、この1週間で原因を突き止めて、そこから修正していきたいです」

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