埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1 カンファレンスA)
埼玉WKの“ラスボス”、堀江翔太が今季初先発へ。「自分の仕事を全うする」
埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)がNTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1 第8節の交流戦で花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)を迎え撃つ。リーグ戦の折り返し地点となる一戦は2月18日、熊谷スポーツ文化公園ラグビー場で午後2時30分キックオフだ。
リーグ唯一の7戦全勝で首位を走る埼玉WKと、ディビジョン1昇格初年度で7戦未勝利の花園L。置かれている立場こそ違うが、トライを奪いに行く意志は同じ。埼玉WKは自分たちのミッションを果たすためにフィールドに立つ。
前節のNECグリーンロケッツ東葛戦は、長田智希の初トライなど前後半で6トライを奪って45対0と快勝。ディフェンスは今季初の無失点ゲームとなった。
埼玉WKは先週末のゲームがなかったため1週間の自主練習、そして1週間の全体練習を経て万全の状態で花園L戦を迎える。
16日に発表されたスタメンでは、堀江翔太がゲームキャプテンとして今季初先発する。
これまで後半途中からの出場でゲームを締めてきた堀江は「先発も途中出場でもやるべきことは変わらない。ただ、リザーブではゲームの流れや相手の動きが把握できている中でのプレー。その意味では先発の難しさはあるが、自分の仕事を全うするだけ」とゲームへ向かう。
2月中旬には、日本代表のミーティングにも出席したという。「コーチングスタッフからポイントなどの説明があったが、そこは意識してやっていく。フィジカル、スキルなど全体的に上げて成長していきたい」。堀江は16日の練習後に、リザーブに回る坂手淳史キャプテンとコミュニケーションをとり、セットプレーなどを入念に確認。埼玉WKの“ラスボス”は、先発の高揚感、代表からの刺激を注入してスタートからピッチに立つ。
今ゲームでは、日本代表PR稲垣のジャパンラグビー トップリーグ、リーグワン通算100試合出場のメモリアルゲームでもある。稲垣、堀江という日本ラグビーを盛り上げてきた両雄が、勝利への原動力となる。
(伊藤寿学)
花園近鉄ライナーズ(D1 カンファレンスB)
再起の司令塔のキックが勝利へのカギ。王者相手に大番狂わせを狙う
花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が2月18日に行われる交流戦のビジターゲームで、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)と対戦する。
NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1では現在、無敗で首位を走るのが前年度王者の埼玉WK。一方、未勝利で最下位の花園Lは昇格チームとしてディビジョン1に挑む立場だ。
バイウィークを経て、心身ともにリフレッシュしてきた花園Lだが、この試合で見せるべきは今後につながる戦いぶりである。
前節の静岡ブルーレヴズ戦は14対34で競り負けたものの、課題だった守備は前半奮闘。ただ、2トライにとどまった攻撃はチームが本来目指す、流れるようなパスワークから奪ったものではなく、相手のミスに乗じたものだった。
その試合で感じた守備の手ごたえを保ちながらも、埼玉WKには攻撃で本来の良さを出したい考えだ。
「相手が王者とかどのチームというのはいま関係ないと思っています。とにかく自分たちのラグビーをすること」と水間良武ヘッドコーチは話すが、埼玉WK戦では今季加入したジャクソン・ガーデンバショップが第4節以来の先発メンバーに名を連ねた。
アキレス腱断裂からの復帰を目指す世界的名手のクエイド・クーパーに代わる存在として期待されたジャクソン・ガーデンバショップだが、守備面に課題を抱えるため、先発から遠ざかってきた。ただ、紅白戦ではサブ組に回っても「キープ・ワーキング(やり続けよう)」と仲間を鼓舞。腐ることなく課題のタックルなどに取り組んできた。
14日の練習後、「まだ合格レベルではないですけど、守備は良くなってきました」とジャクソン・ガーデンバショップを評した水間ヘッドコーチだが、守備面に多少、目を瞑ってでも起用を明言したのはその攻撃のセンスを認めるが故。「スコアを取り切るキッキングバトルで陣地合戦でも勝つというところでジャクソン(・ガーデンバショップ)と8番にワイマナ・カパを起用します」(水間ヘッドコーチ)。
ディビジョン1で唯一、二桁の総失点に食いとどめている最少失点の埼玉WKだけにチャンスは決して多くないだろう。
だからこそ「パスにしてもキックにしてもスペースを見つけることが自分の特徴的なスキル」と話すジャクソン・ガーデンバショップのゲームメイクが鍵になる。
再び這い上がってきた司令塔の一蹴りに注目だ。
(下薗昌記)