NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第2節
2023年12月24日(日)12:00 太田市運動公園陸上競技場 (群馬県)
日野レッドドルフィンズ vs クリタウォーターガッシュ昭島
日野レッドドルフィンズ(D3)
“日野のSHOEI”。頼もしきニューカマーが勝利に導く
久しぶりのホストゲームを勝利で飾る。その強い思いを胸に、日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)は12月24日(日)12時から群馬県・太田市運動公園陸上競技場でクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)と対戦する。
苑田右二ヘッドコーチは「WG昭島は外国人選手も多く、フィジカルでどんどん当たってくるチーム。その相手に対して自分たちがよりハードワークして、力を出し切るところにフォーカスしている」と、開幕戦で見せた良い流れを継続したいと意気込む。また、苑田ヘッドコーチは「WG昭島は強いボールキャリアーが何人もいるが、そこで後手に回らないように。しっかり相手にプレッシャーを与えられるかがキーになる」と、フィジカルコンタクトで負けないことを試合のポイントに挙げた。
中でも、開幕戦でジャパンラグビー リーグワンデビューを果たしたフランカー・井島彰英への期待は高い。熊本西高校から東海大学へ進んだ井島は昨季、アーリーエントリーで日野RDに加わったが、直後にチームが出場を辞退したため臥薪嘗胆の日々を送らざるを得なかった。しかし、「リーグワンの先輩たちとはフィジカルの面でこれだけ差があるのか、と入団当初は衝撃を受けましたが、その差を埋めるべくしっかり積み上げてきました」という努力が今季花開いた。
リーグワン初キャップとなったディビジョン3の開幕戦で、「開幕するのが待ち遠しかった。そんなに緊張することもなく、試合にはすんなりと入り込めた」と井島は躍動。「チームみんなの走る意識が高い。ここぞという場面でのスプリントなど練習で取り組んだ形をうまく出せた」と、前半最後の勝負どころでもディフェンスで体を張り、チームの勝利に大きく貢献した。
「開幕戦でのプレーには自分自身まだまだ納得はいっていない。特にディフェンスでチームに貢献できる選手になりたい。後半に入っても運動量やプレーの精度が落ちないフィジカルを鍛えていきます」。初キャップの喜びもそこそこに、井島はWG昭島戦での爆発を誓う。
「日野RDの強みもフィジカルなプレー。そのバトルは必ず勝って良い流れに持っていきたい。ボールキャリーの回数を増やしてガンガン前へ出ます」
「彰英」の読みは「しょうえい」。何か命名の秘話があるのか聞くと、「まさしく親がタレントの照英さんを好きで、彼のような心が大きくて優しく、頼もしい人間になるように願って名付けたと聞いています」と教えてくれた。彼の屈託のない笑顔はまさにファンの心をわしづかみにするものがある。週末は勝利の原動力となり、その笑顔をまた見たい。
(関谷智紀)
クリタウォーターガッシュ昭島(D3)
ピアーズ・フランシスが勝利へ導く。元イングランド代表のリーグワンデビュー戦
開幕戦では後半に逆転負けという悔しさを味わったクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、12月24日、今季初勝利を目指して太田市運動公園陸上競技場で日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)と対戦する。
ピアーズ・フランシスが、ついにベールを脱ぐ。ラグビーワールドカップ2019日本大会では、イングランド代表としてプレーした。当時のイングランド代表のヘッドコーチといえばエディー・ジョーンズ(次期日本代表ヘッドコーチ)だ。
「エディーさんからは、チームの一員として自分の役割を果たすことを教えられました。理想のスタンドオフはジョニー・ウィルキンソン(元イングランド代表)。今年のラグビーワールドカップでも活躍したオーウェン・ファレルやジョージ・フォード(イングランド代表)からは、リーダーとしての立ち振る舞いを学びました」とピアーズ・フランシス。イングランド代表ではセンターを任されることが多かったが、WG昭島ではスタンドオフでの起用となりそうだ。
「WG昭島が掲げている目標に共感できました。何よりワイクリフ・パールー ヘッドコーチと一緒にラグビーをしたかった」と話す経験豊かな努力家は、すでにチームの中心的な存在となりつつある。NFL(ナショナル・フットボール・リーグ。アメリカで絶大な人気を誇るプロのアメリカンフットボールリーグ)のコーチから学んで、「自分のスタイルを確立させた」というキックを武器に、チームを前へ進めてくれるに違いない。
WG昭島でのデビュー戦となる今節に話を向けると、「日野RDにはブルーズ(スーパーラグビーのチーム)で一緒にプレーした、昔からの友人のオーガスティン・プルがいるので、彼と対戦するのが楽しみです」。
いまから20年前のラグビーワールドカップ2003オーストラリア大会決勝。ジョニー・ウィルキンソンのドロップゴールがオーストラリアを沈め、イングランドを優勝へと導いた。今度は、ピアーズ・フランシスがWG昭島をディビジョン3の『Champion』へ導く番だ。
(匂坂俊之/Rugby Cafe)