NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1 第3節 カンファレンスA
2023年12月24日(日)14:30 ヨドコウ桜スタジアム (大阪府)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 静岡ブルーレヴズ
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスA)
一日早いクリスマスプレゼント。世界的名手二人が満を持してリーグワンデビューへ
この二人にフラン・ルディケ ヘッドコーチが期待するのは「スキル」、「リーダーシップ」、そして「Xファクター」的な要素。「ともに経験値が高く、判断力も素晴らしい。着実にチームを手助けしてくれると思う」と全幅の信頼を置く世界的名プレーヤーが、ついに日本のグラウンドに立つ。
ラグビーワールドカップ2023フランス大会で活躍した強豪選手が多く集結し、開幕節から大きな盛り上がりを見せる今季のジャパンラグビー リーグワン。その戦いの輪に、いよいよ二人が割って入る。元ニュージーランド代表のデイン・コールズと、元ウェールズ代表のリアム・ウィリアムズ。クリマス前日の大阪・ヨドコウ桜スタジアム、静岡ブルーレブズとの一戦に、まさに満を持して先発出場する。
「やっと試合に出られる機会を得られました。とてもエキサイティングな気持ちです。しっかりとハードワークをしてチームに貢献したいと思います」(デイン・コールズ)
「ワールドカップ以来の試合となり、とても楽しみにしています。クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)でプレーできることを誇りに感じます。チームに貢献し、勝利を収めたいと思います」(リアム・ウィリアムズ)
バックス並みの走力を持ち「フッカーの定義を変えた男」と言われるデイン・コールズに、高く舞い上がったハイボールの処理の達人であるリアム・ウィリアムズ。国際試合の経験も豊かで、数々の修羅場をくぐってきた彼らの存在は、優勝してもなお、さらなる高みを目指すS東京ベイにとってこれ以上はないほどのお手本とも言える。チームを率いる立川理道キャプテンが語る。
「自らコミュニケーションをよく取ってくれますし、馴染むのも早く、チームにいい影響を与えてくれています。デイン(・コールズ)はスローイングやスクラムワークの経験があり、そういった面での違いを見せてくれると思います。リアム(・ウィリアムズ)には、状況を一変させてくれるようなプレーが期待できると思っています。ハイボールの処理もすごく強く、安心して15番を任せられます」
S東京ベイは開幕節でライバルの東京サントリーサンゴリアスに大敗を喫するも、第2節の三重ホンダヒート戦では快勝。初戦の課題をしっかりと修正し、チーム本来の勢いと強みを取り戻した。このタイミングで、さらにデイン・コールズとリアム・ウィリアムズがメンバー入り。チームにとって大きな起爆剤となるはずだ。
「このチームには高いエナジーを感じます。また、選手たちはみんな、速く走って展開していくラグビーをします。これは私にとって新鮮なスタイルで、こうしたラグビーができることを楽しみにしています」(デイン・コールズ)
22日14時半に出場メンバーが発表されるや、公式SNSには「待ってました!」と言わんばかりのコメントが多数寄せられた。待望のリーグワンデビュー戦は、S東京ベイからの1日早いクリスマスプレゼント。
(藤本かずまさ)
静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)
世界No.1からどん欲に学ぶ25歳。“丁寧なハードワーク”は今季初勝利のために
前節で一度は逆転しながらも、最後に逆転されて敗れ、開幕2連敗となった静岡ブルーレヴズ。何としても今季初勝利を挙げたい今節の相手は、昨季の王者、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)だが、藤井雄一郎監督は「次は勝ちます」と力強く宣言する。
今季初勝利に向けて「自分たちのプレーで一つひとつ修正してきたところをしっかり出し切って、勝つために自分のできることをすべてやっていきたいです」と強い意気込みを見せたのは、今季からバイスキャプテンとなった庄司拓馬だ。
2021年に立命館大学を卒業して静岡BR(当時はヤマハ発動機ジュビロ)に加入し、2021年4月のジャパンラグビー トップリーグプレーオフトーナメント2回戦で公式戦初出場。昨季は負傷以外ではフランカーの主軸の一人として活躍した。
前節からは、ラグビーワールドカップ2023フランス大会で「ターンオーバー数No.1」に輝いた南アフリカ代表のクワッガ・スミスと6番・7番コンビを組んでおり、偉大な先輩からも多くのことを学んでいる。
「僕がレヴズに入ったころからずっと、クワッガ(・スミス)という人を意識して練習や試合に取り組んできました。リーダーシップも、プレーヤーとしてもすごい人だし、人としても素晴らしいので、良いところを盗みながら彼のような選手を目指しています。(プレーの面では)ワークレートや、“ここで頑張る”というところ。ジャッカルに関しては、とんでもないところでボールを取ってきてしまうのがクワッガ(・スミス)なので、あれを真似しろと言われるとなかなか難しいと思います。自分としてはどこに嗅覚をもって、どこで行けるのか行けないのかという判断のところを真似していきたいと思っています」
今季も日々のチーム練習後に自らジャッカルのトレーニングに励んでおり、フランカーとして「やっぱりジャッカルは自分の武器にしたい」と言う。その意味では、最高の手本が目の前にいることは、彼にとって非常に大きなプラスになっている。
王者、S東京ベイに勝ち切るためには「自分たちが準備してきたことをどれだけ全員でやり切れるか。基本技術のところから、ブレイクダウン、スクラム、ラインアウト。一つひとつのプレーを大切にしないと勝機はやってこないと思います」と庄司は言う。
記者の質問にも一言、一言丁寧に答える25歳のバイスキャプテンは、試合でも一瞬たりとも手も気も抜くことなく、丁寧にハードワークし続けることを誓った。
(前島芳雄)