2024.02.10NTTリーグワン2023-24 第6節 日野RD vs SA広島-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第6節
2024年2月11日(日)14:30 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ vs マツダスカイアクティブズ広島

日野レッドドルフィンズ(D3)

初キャップと初ホストゲーム。
386日ぶりの東京開催で見られる二つの「初」

日野レッドドルフィンズの小山内健選手。「今回の初キャップには自分の中でいろいろな思いがあります」

今季4戦全勝、勝ち点18で首位を走る日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)は、2月11日(日)、ホストチームとしてAGFフィールドでスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)を迎える。第4節に予定されていた中国電力レッドレグリオンズ戦(以下、中国RR)が中止となったため1月6日以来約1カ月ぶりの試合となるが、そのときの対戦相手がSA広島。その試合は61対17と広島の地で快勝したが、ひさしぶりの東京でのホストゲームでその再現を狙う。東京での日野RDホストゲームは2023年1月21日のディビジョン2第4節・浦安D-Rocks戦以来となる。

この試合を最も心待ちにしているのが小山内健だろう。第4節でもメンバーに選出されていたがまさかの中止でリーグワン初キャップを記録するチャンスが潰えてしまった。

「今回の初キャップには自分の中でいろいろな思いがあります。昨季、初キャップの予定だった試合で出られず、今シーズンも第4節の中国RR戦でメンバーに入りながらも中止。今回3度目の正直ということで、先ほど苑田(右二)ヘッドコーチからジャージーを手渡されたときは心からうれしかったです」。ラグビーではメンバー発表のときにヘッドコーチからジャージーを一人ひとりに手渡されるという儀式があるが、23人のメンバーの最後に苑田ヘッドコーチが小山内の名前を呼ぶという粋な計らい。ジャージーが手渡されたその瞬間、チームメートから大きな拍手が起こったという。

第4節の中止の報に「『またか』と内心では思いました。でも、その後の3週間は良いトレーニングができています。今シーズンは日野RDに入って一番グラウンドに立つ時間も長いと思いますし、首脳陣からコンディションも良いと認識してもらっている」と前向きな気持ちで週末の試合に臨む。「アタック、ディフェンス両方の面でワークレートを高くプレーしたいと思うので、その姿をファンの方にはしっかりと見ていただきたいです」と小山内は初キャップへ向けての熱い気持ちを話してくれた。

そして、もう一人の『初』はエイジェイ・ウルフだ。1月6日のSA広島戦ではリーグワン初キャップながらいきなり2トライを奪う大活躍。昨季から「大器」と期待されてきた存在が初のホストゲームでついにその姿を披露する。

「ホストゲームでのスタメンはもちろん初めてなんですが、本当に試合が待ち遠しいです。決められた規律をしっかり守って戦い、勝利を信じて全力でいきます」と語るエイジェイ・ウルフ。「広島での試合は2トライこそ取れましたが、ボールキャリーの部分やオフロードの部分で『もっと良いプレーができたのでは?』と反省点もありました。準備はしっかりとできているので、その部分を改善した姿をホームのファンのみなさんにお見せしたいと思います」。

将来の目標を聞くと「ぜひ日本代表のジャージーを着て、日本のためにプレーしたい」と即答する頼もしき22歳。銀髪をなびかせてゲインラインを突破する迫力ある姿は多くの観客の心をわしづかみにすることは間違いない。「ひるまずにタックルをどんどんしかけたいですし、試合の最初から最後まで全力を出し切ります」とエイジェイ・ウルフは気迫十分だ。

苑田ヘッドコーチはSA広島との再戦に向けて、「相手の特長はしっかり分析できています。前節も最初の20分は非常にタイトな試合になった。そこでわれわれがどこまで我慢できるか、そしてパニックにならずやるべきことを遂行できるかがカギとなる」と気を引き締めて臨む。今季掲げている「人もボールも動く、エキサイティングなラグビー」を386日ぶりとなる東京でのホストゲームでしっかりとホームのファンに披露するつもりだ。

(関谷智紀)

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

初の兄弟対決へ。負けず嫌いの兄に弟が
見せる想像以上の成長

マツダスカイアクティブズ広島の大内錬選手はリザーブから出場予定、兄の大内空選手(日野レッドドルフィンズ)は11番で出場予定だ

大内兄弟対決が2月11日、AGFフィールドで実現する。

マツダスカイアクティブズ広島に所属する大内錬は、今季から日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)でプレーする兄の大内空との試合ができる日を心待ちにしていた。

第3節にBalcom BMW Stadiumで行われた一戦は7人制日本代表候補合宿に参加していたためプレーできず兄が躍動するところをVTRで見ることになった弟は、「本当に楽しみです。家族もみんな楽しみにしていますよ。こうやって相手として兄と試合をするのは初めてなんです」と言い、対抗心を口にした。

「兄はとにかく負けず嫌いなので、特に僕には絶対に負けたくないと思っているはずです。小さいころはよくケンカをしていましたけど、僕の全敗でした。常に兄が自分の上に立っていましたし、絶対に自分に弱い姿は見せたくないはずです(笑)」

兄の想像を上回る成長を弟は見せてくれるはずだ。

昨年から7人制日本代表候補合宿に何度も参加して大内錬はたくましさを増してきた。「いつも合宿は学びがすごく多いです。練習もハードですけど、みんなが細かいプレーにも意識を高く取り組んでいるので一瞬たりとも気が抜けない。本当に一日一日が楽しいですね」という充実の時間を過ごしている。先週も7人制日本代表の合宿に参加していたため今節はリザーブとなるが、「どんな状況であっても流れを変えてチームを良い方向に運んでいきます」と意気込みを語っている。

ディビジョン3全チームと対した1クール目を2勝2敗で終えたチームにとっても、ここまで全勝の日野RDと対戦する今節は重要な一戦になる。

中居智昭ヘッドコーチは「日野RDさんとも大きな差はない。でも、細かいところやプレーの正確性の部分でまだまだ改善点があるので、ディテールにこだわって準備してきましたし、プレー自体には自信を持ってやっていこうと言っています」と話し、今季初スタメンとなるキャプテンの﨑口銀二朗は「今年は『ほんまに勝つんだ!』っていう空気で練習ができている。ここで勝ってもっと勢いに乗っていきたい」と話した。

自信をもって臨み、日野RDに勝って上昇気流に乗っていきたい。

(寺田弘幸)

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