2024.03.01NTTリーグワン2023-24 第8節 SA広島 vs 江東BS-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第8節
2024年3月2日(土)13:00 福山通運ローズスタジアム (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs 清水建設江東ブルーシャークス

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

SA広島の“最強の二人”。相思相愛の
コンビネーションで勝利へと導く

マツダスカイアクティブズ広島で息の合ったコンビネーションを見せるボーディン・ワッカ選手(中央手前)とジェイコブ・アベル選手(中央奥)

「(ボーディン・)ワッカのボールタッチの回数を増やしたいという意図でこれまで10番で起用してきましたけど、彼から学んでほかのメンバーも成長してきたので、数週間前から(ボーディン・)ワッカを15番で起用するオプションも準備をしてきた。やっぱり(ボーディン・)ワッカは広いスペースがある状態で勝負を仕掛けると本当に危険な選手になれる」(中居智昭ヘッドコーチ)

相手にとって大きな脅威となるボーディン・ワッカは、息の合ったコンビネーションを見せるジェイコブ・アベルがいることで、さらに輝いている。

前節、後半33分にボーディン・ワッカからパスをもらって逆転のトライを決めたジェイコブ・アベルは、「あのトライはワックス(ボーディン・ワッカの愛称)のおかげ」と笑みを浮かべ、ボーディン・ワッカと同じチームでプレーできる喜びを語った。

「オーストラリアにいたころからワックスを見ていたし、同じチームでプレーしたいと思っていたけど、同じチームでプレーすることはできなかった。ここで一緒にプレーできるなんて、本当にうれしいよ」

ボーディン・ワッカもジェイコブ・アベルにとても助けられているようだ。

「いつもお互いにイジり合ってすごく仲良くやっているし、ここに来てからは言葉の壁も感じなくなった。日本語の得意なハックス(ジェイコブ・アベルの愛称)がそばにいてくれるおかげでとてもプレーしやすい」

ジェイコブ・アベルは来日して1年が経ったばかりだが、かなり日本語が上達している。好きな日本食を聞くとすらすらと言葉が出てきた。

「ヤキニク大好き。最高ね。ラーメンも大好き。ウドンもカツドンも大好き。オコノミヤキはあんまり(笑)」

あどけない笑みを広げたジェイコブ・アベルが「ここでしっかりと頑張って、できる限り日本で長くプレーしたい。これからの残り6試合はすごく重要だ。その一つひとつを頑張っていきたい」と決意を口にすると、ボーディン・ワッカも力を込めて言った。「日本でラグビーを楽しんでいるし、残りの試合もみんなでやらなければいけないことをすべてやりたい。そうしたら結果が必ず付いてくる」。

3月2日に行われる清水建設江東ブルーシャークスとの重要な一戦も、ボーディン・ワッカとジェイコブ・アベルがマツダスカイアクティブズ広島を勝利に導く。

(寺田弘幸)

清水建設江東ブルーシャークス(D3)

見ることしかできなかった敗戦を糧に。
プライドを胸に臨むリベンジマッチ

清水建設江東ブルーシャークスの日髙駿選手。「ラインアウトの要として、アタックもディフェンスも整えることがサインマスターの役割。その役割を100%全うしたいです」

前節で2シーズンぶりの連勝を飾った清水建設江東ブルーシャークス。その勢いをつなげたい今節は、前回対戦で敗れたマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)との試合となった。

前回対戦の第4節は、スクラムで相手に押され、さらにペナルティで自陣への進入を許し、ラインアウトモールなど合計5トライを喫しての敗戦。「完全にフォワード負けした試合」と選手たちは振り返る。前半をリードして折り返した中での逆転負けだった。

そして迎える今節に特別なモチベーションで臨む選手がいる。前節のクリタウォーターガッシュ昭島戦でセットピースの要として重要な役割を担い、試合終盤には今季初トライを決めた日髙駿だ。

日髙は、先述のSA広島戦でメンバー外となり、スタンドから試合を見ていた。「自分がグラウンドに立っていたら……」と何もできない自分に不甲斐なさを感じていた。

前回のSA広島戦前、チームはモール、スクラムに自信をもっていた。そのため相手に押される展開を予想しておらず、試合中の修正が間に合わずに相手にやりたいラグビーを展開されてしまった。「外から見ていると、パワーだけでなく、モールディフェンスの方法や、空中戦で競り合うなどほかの選択肢の必要性を感じていました」(日髙)。

高校時代からロック一筋の日髙。加入初年度から試合に出場し、先輩にもまれながらロックのスキルを深く学んできた。ラインアウトのサインマスター(コーラー)としての経験値にも自負がある。「あの試合に出ていたら違うコールを出せた自信がある。あのとき、こうできたのでは……」と、出場できなかったことにもどかしさを隠せなかった。

今節、そんな悔しさを晴らすチャンスが巡ってきた。「ラインアウトの要として、アタックもディフェンスも整えることがサインマスターの役割。その役割を100%全うしたいです」と意気込む。フォワード陣をいかに動かし、試合をコントロールすることができるか。

日髙は、昨季は肉離れで苦しみ、公式戦は終盤の2試合のみの出場だった。そのぶん、今季に懸ける思いも大きい。

チームとして掲げる今節のフォワードのテーマは“プライド”。今週は練習の中でもセットピースに時間を掛けて取り組んできた。“プライド”を胸にSA広島とのリベンジマッチに挑む。

(山村耀)


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