2024.03.03NTTリーグワン2023-24 D3 第8節レポート(SA広島 27-40 江東BS)

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第8節
2024年3月2日(土)13:00 福山通運ローズスタジアム (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 27-40 清水建設江東ブルーシャークス

敗れても前を向く。
勝負の後半戦はベテランが支え、押し上げる

マツダスカイアクティブズ広島の齊藤遼太郎選手。この日はゲームキャプテンを務めた

福山通運ローズスタジアムにも清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)をサポートする方々が多く駆け付けた。仁木啓裕監督は試合後、第4節に敗れたマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)に勝利し、安堵して語った。

「前回、ホームで負けてしまって、われわれとしては非常にショッキングな敗戦でしたのでどうなるかなと思っていましたけど、当社は全国各地に支店がありまして、どこでもたくさんの方々が応援してくださる。これは非常にありがたいことだと思っていますし、そういった方々にとって、来週、会社へ行くのが少しでも楽しくなるような、モチベーションになるような試合ができればと思っていたので良かったです」

江東BSの強い気持ちが表れた前半だった。前半2分にボーディン・ワッカにインターセプトされて先制トライを決められるも、チームはまったく動揺しない。キャプテンの白子雄太郎は「キックオフから自分たちのいいアタックを継続してできていたので、切り替えてもう1回やるべきことをやろうと話しました」という。前半11分にジョンベン・コッツェがトライを決めると、前半だけで4つのトライを重ねて一気に試合を決めてみせた。

SA広島にとっては悔やまれてならない前半だった。今季初先発した31歳の齊藤遼太郎は「自分がチームをリードしていかないといけない立場でしたけど、チームに勢いを与えることはできなかった」と振り返り、齊藤と同期の後藤大も「今後の順位を左右する上でも今日のゲームは非常に重要だった。残念な結果になってしまって、いまは悔しい気持ちでいっぱいです」と話した。

重要な一戦で力を出し切れなかった悔しさが込み上げるも、これまでSA広島を引っ張ってきたベテランの二人は前を向いて語った。

齊藤は力を込めて「いまは若手がすごく頑張ってくれている。だからこそ、ベテランが負けじと食らい付いていくことが大事なのかなと思っています」と言い、後藤は「自分ももう若くない。チームの潤滑油になれればいいと思っていますし、一試合一試合プレーできる喜びを噛みしめながらプレーしていきたい」と話した。

シーズンは後半戦に突入したばかり。ベテランがチームを支えてSA広島を押し上げていく。

(寺田弘幸)

マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島の中居智昭ヘッドコーチ(右)、齊藤遼太郎ゲームキャプテン

マツダスカイアクティブズ広島
中居智昭ヘッドコーチ

「本日のゲーム、ありがとうございました。昨季に続き福山での開催を実施できたことをうれしく思います。

ゲームのほうは、寒い中でなかなか選手の動き自体が上がり切らない前半に、清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)さんの時間でスコアを重ねられた。そこが大きくて、後半はマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)の時間もあったんですが、スコアは届かなかった。すごく自分たちのリズムに乗れないゲームだったと感じています。

チームとしては重要な一戦として江東BSさんにチャレンジしていく気持ちを持ってゲームに挑みました。その中で江東BSさんの継続するアタックが今回のゲームはすごくよく出たと思います。SA広島のほうもしっかりと後半に自分たちの時間を作ってスコアする時間がありましたので、自分たちの時間と相手の時間のスコアの強弱というところをしっかりと修正していきたいと思っています」

マツダスカイアクティブズ広島
齊藤遼太郎ゲームキャプテン

「リーグワン関係者のみなさま、江東BSのみなさま、本日の試合、ありがとうございました。

SA広島としては重要な一戦と捉えていた中で、本当に一つひとつのプレーを楽しむという気持ちでスタートしたかったんですけど、前半の序盤から江東BSさんのエリアマネジメントにちょっと苦しめられて、先手を打たれた感じがしています。後半はもう一度やり直そうということで気持ちを盛り返して入りました。まだまだ熱い気持ちは持っていましたし、それが後半のスコアに表れたのかなという気はしています。

後半のプレーができるということは、ここ数試合を通じて示せていると思うので、それを序盤から出さないと。どれだけSA広島の味を出していけるかというところがカギになると思うので、そういったところを日々の練習からもう一段、ギアを上げて意識していかないといけないです。悔しい結果になりましたけど、しっかりと受け止めて修正していきたいと思います」

清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクター(左)、白子雄太郎キャプテン

清水建設江東ブルーシャークス
仁木啓裕監督

「まず初めに、この試合の開催にあたり多くの関係者の方々に尽力していただきありがとうございました。

前回、ホームの江東区夢の島競技場で負けてしまって悔しい思いをしてから、2連勝してここに来ました。今日はベストゲームではなかったかもしれないですけど、勝って兜の緒をしっかり締められると思います。来週も広島で試合があるので、しっかりここで出た課題を持って、次のゲームに向かっていきたいと思います。ありがとうございました」

──今日もスタンドを青に染めてくれていた方々がたくさんいました。どんなゲームを見せないといけないと思っていましたか?

「前回、SA広島さんにはホームで負けてしまって、われわれとしては非常にショッキングな敗戦でしたので、どうなるかなと思っていましたけど、当社は全国各地に支店がありまして、どこでもたくさんの方々が応援してくださることは非常にありがたいことだと思っています。そういった方々に、来週、少しでも会社へ行くのが楽しくなるような、モチベーションになるような試合ができればと思っていました」

清水建設江東ブルーシャークス
白子雄太郎キャプテン

「前回にホームでSA広島さんと試合をした際に、後半にスクラムとライアンアウトモールでやられて逆転負けを喫してしまったところがあったので、まずはフォワードから一丸となってゲームを作っていこうと話をしていて、そこをできたのが今回の良かったところかなと思います。ただ、やはりスクラムでプレッシャーを掛けられてしまってペナルティを取られてしまった部分もあったので、そこはまた持ち帰らないといけない修正点かなと思います」

──立ち上がりにトライを取られてしまいましたが、選手同士でどんなことを話していましたか?

「キックオフから自分たちのいいアタックが継続してできていたので、切り替えてもう1回やるべきことをやっていこうと。特に変えることはなく、自分たちがやるべきことをやって、一人ひとりが責任を遂行して、自分たちのゲームに戻そうという話をしました」

──慌てているような雰囲気はなかったですか?

「はい。(立ち上がりの失点は)ちょっと事故的な感じでインターセプトされてしまったので、本人は焦っていたかもしれないですけど、声を掛け合ってやりました。試合が始まってみんながやれると思っていたと思うので、慌てることなくできたと思います」

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