2024.04.04 NTTリーグワン2023-24 第12節 BR東京 vs 横浜E-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第12節 カンファレンスB
2024年4月6日(土)13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 vs 横浜キヤノンイーグルス

リコーブラックラムズ東京(D1 カンファレンスB)

心掛けるは地道なプレー、貫くはハードワーク。
『事務機ダービー』で見せるプライド

リコーブラックラムズ東京の礒田凌平選手。「自分がどうやったら勝利に貢献できるかを考えながら準備しています」

リコーブラックラムズ東京が3勝目を目指し戦う第12節の相手は、横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)。4月6日(土)に駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で迎え撃つ。

前節・東芝ブレイブルーパス東京戦後、ピーター・ヒューワット ヘッドコーチが「できることをすべてやってくれた」と褒め称えた選手がいる。

センターの礒田凌平。チームに対して貢献できることを100%出し切ったその姿勢が、勢いを与えた。

決して恵まれた体格ではない。13番には大型の外国籍選手が起用される傾向にあるが、礒田は178cm/88kg。小柄な部類だ。だからこそ、地道なプレーを心掛ける。足りないと思ったポジションを自ら見つける。アタックでは、スペースを生み出す“おとり役”として運動量を上げる。仕事を探し、細かなハードワークを積み重ねる姿勢は、どんな試合でもどんな練習であっても一貫している。

その礒田には、好きな言葉がある。

「咲いた花見て喜ぶならば、咲かせた根っこの恩を知れ」

ジャパンラグビー リーグワンの選手になったいまがあるのは、これまでに関わってくれた人たちがいるからだ。環境を整えてもらうこと、トレーニングメニューを組んでもらえること、アドバイスをしてもらえること。これまでに携わってくれた人たちがいるからこそ在るいまの自分を忘れないでいたい。「恩を忘れないように」と、立命館大学時代のキャプテン・古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)が教えてくれたその言葉を、いまも大切に胸に刻む。

前節には勝ち点1を伸ばし、現在チームが有する勝ち点は13。依然、BR東京は入替戦圏内の10位にとどまる。

「もちろん入替戦にはいきたくないし、一つでも順位を上げたい。そのためにもまずは横浜E戦。自分がどうやったら勝利に貢献できるかを考えながら準備しています」

奇しくも両チームの親会社は複合機メーカー。トップリーグ時代から『事務機ダービー』として盛り上がる。「プライドがあります。負けたら情けない。勝ちたいです」。

この4月で社会人6年目に突入した礒田が、プライドを懸けた一戦に挑む。

(原田友莉子)

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

貫きたい先行逃げ切り。「準備万端」のSHが、
テンポをコントロールし、ピンチを未然に防ぐ

横浜キヤノンイーグルスの荒井康植選手。「自分のやるべきことは明確なので、あとは練習でやってきたことをしっかりと表現する。準備万端です」

バイウィーク明けとなる今節、横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)はリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)とのビジターゲームに臨む。試合会場は駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場。キックオフは4月6日(土)13時だ。

前節の東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)戦。横浜Eは終了間際にペナルティゴールのチャンスを得た。キッカーは名手の田村優。決まれば逆転できるシチュエーションに、横浜Eの選手たちは祈るような気持ちで田村の背中を見つめていた。

「優さんならば絶対に決めてくれる」(荒井康植)

チームメートの気持ちを乗せたペナルティゴールが決まり、ノーサイドの笛が鳴ると、ベンチ前の選手たちは思わずピッチへと駆け出していた。「優さんは格好良かった。勝ったときはめちゃめちゃうれしくて、ウルっときましたね」。劇的な逆転勝利に試合後の荒井は感極まっていた。

劇的勝利の余韻が残る中、バイウィークに突入。横浜Eの選手たちは東京SG戦の勝利を無駄にしないためにも、BR東京戦に向けて集中したトレーニングを積んできた。今週のチーム内テーマは、“いい試合のスタートを切って、80分間ゲームをコントロールして勝ち切る”こと。“先行逃げ切り色”の強い横浜Eらしく、試合開始からフルスロットルで相手に襲い掛かり、先手を奪ってそのまま勝ち切る“アタッキング・ラグビー”を貫く覚悟だ。スクラムハーフで先発予定の荒井は自身のタスクをこう認識している。

「アタックであればテンポをコントロールすること。またディフェンスでは相手のポイントとなる選手を警戒し、危機察知能力を生かして未然にピンチを防ぐ。自分のやるべきことは明確なので、あとは練習でやってきたことをしっかりと表現する。準備万端です」

BR東京戦の試合会場は駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場。プレシーズンの11月に“駒沢”でBR東京と対戦した際は、敗戦を喫しているため、「苦い思い出を勝利で晴らしたい」と荒井は言う。

レギュラーシーズンは“ラスト5”。2年連続のトップ4入りへ。「あまり先のことは考えずに目先の試合に集中する」と荒井は言葉に力を込めた。

(郡司聡)


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