2022.03.04NTTリーグワン 2022 D1 第7節レポート(BR東京 12–30 横浜E)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第7節 交流戦
2022年2月27日(日) 13:00 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 (東京都)
 リコーブラックラムズ東京 12–30 横浜キヤノンイーグルス

横浜キヤノンイーグルスの沢木敬介監督(右)、田村優キャプテン

横浜キヤノンイーグルス
沢木敬介監督

「皆様、お疲れさまでした。いいプレーもあったが、課題が明確になるゲームでした。その課題を、来週に向けてチーム全員で改善して、良い方向へチームの流れをもっていけるようにしっかり準備をしたい」

──序盤にトライを決めた松井選手と、POM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれたマフィ選手への評価は?

「松井はウイングでトライを取るのが仕事なので普通だと思う。ナキは、先週と比べてもちょっとずつパフォーマンスが上がってきているが、まだまだ力が発揮できると思う。とはいえ、二人ともよく頑張っています」

──マフィ選手は今シーズン調子が良いが、普段見ていて感じることは?

「しっかりトレーニングをしていることだと思う。ナキだけではなく、1週間、試合のためのトレーニングができる選手は、いいパフォーマンスをしています」

横浜キヤノンイーグルス
田村優キャプテン

「暖かくて、風の強い難しいコンディションだったが、うまく流れがつかめた。これから成長できる、良いレッスンでした」

──序盤は、分析どおり準備していたものを出せた感じがしたがその辺りの感触と、課題になった点は?

「うまくみんながスキャニングできているときはボールをスペースに運べたが、おろそかになるとただぶつかっているだけの時もありました。ただ、うまくいっているところはギリギリのラインですが、これから対戦するアタックの強いチームにはちょっとしたチャンスとスペースを生かしていかないといけない。良くなっているので、改善点というよりはさらに良くしていきたい、というところです」

──風下の前半でいい入り方をしたが、どのようなことを意識していたか?

「風下というより舞っていて、コンディション的に結構難しかった。ボールを保持しながら、スペースが開けば走るし、なければ蹴るし、ペナルティを取れれば取るなど、とにかく精度の高いプレーを意識しました」

──前半からペナルティを、クイックでいく場面が印象的だったが、事前のプランか、ゲームの中での判断か?

「プランにもあったが、それより風が強くてラインアウトを投げるのが大変だと、ラインアウトからでもいいアタックはできていたが、庭井選手と話をして対応しました」

──先週の試合と比較して、前半からゲームコントロールができていた印象があるが、レビューが良かったり、良い修正ができたということか?

「先週も良かった。そう感じたのなら、そう書いてください。アクシデントにも、みんないいパフォーマンスをしていました」

──スクラムハーフの山菅選手が初先発だったが、そのパフォーマンスと試合前、試合中で何か話したことは?

「強気な選手。あれだけ強気に攻めてくれたので、自分も助けられました」

横浜キヤノンイーグルスのアマナキ・レレイ・マフィ選手(左)、松井千士選手

横浜キヤノンイーグルス
アマナキ・レレイ・マフィ選手

「いい攻撃のスタートをしようと週の初めから話をしていた。それがしっかりできた。2週間ほど、フラストレーションが溜まる試合をしてしまって、自分たちがしたいスタートができていなかった。いいスタートを切ることを、選手全員で頑張って取り組みました」

──後半最後の方のスクラムからサイドを抜けて獲ったトライは、スクラムからのサインプレーだったのか?

「その時の感覚で動いた。その前に、フロントローがいいスクラムを組んでくれたことが、トライとなるプレーに繋がりました」

──先週も今日もモールでトライを獲る場面が多いが、フォワード陣でどういうことを意識しているのか?

「今年は、モールとスクラムについて時間を掛けて練習している。練習では合わせて1時間以上の時間を費やすようにしている。また、選手の中でも、コリー・ヒル選手や、コーバス・ファンダイク選手のように、モールでリーダーになれる選手がしっかりといることです」

──ホーンが鳴った後も、自陣からアタックするなど、80分間のワークレートが高く、素晴らしいと思った。それだけスペシャルなエナジーが出てきていること、例えばトンガであのようなことが起きたことへのメッセージ、自分なりのエナジーになっているのか?

「モチベーションはいろいろなとことろにあり、もちろんトンガの状況もありますが、もう一つ個人的にはコロナの状況で家族が試合会場にいないこと。自分の子供たちに、テレビの向こう側から頑張っている姿を見せられるように。もしかしたら、寝ていたかもしれないけど、そういった意味でもモチベーションをしっかりもっていたことが、エナジーが出ていた理由の一つかもしれない。また、1週間かけて練習で、試合に向けた準備をしていくなかで、チームメイト全員が自分のこともサポートしてくれて、臨めたこともある」

横浜キヤノンイーグルス
松井千士選手

「チームとしてはいい入りができたと思うが、前半の後半に3本目のトライなど、得点に繋げることができなった。そのため、後半は巻き返されたため、次節に向けて修正をしていきたい」

──田村選手とのコンビネーションが良く、松井選手のトライに限らず、分析や自分たちが準備してきたことが序盤戦はできたのでは?

「優さんとのコミュニケーションは、1週間前からしっかり準備できていた。前節はフォワードに頑張ってもらったが、今節はしっかりバックスとしていい準備ができ、プレーができました」

──ゲーム全体の中で、アタックでうまく攻めているときと、相手に守りで粘られるときとあったと思うが、それぞれの特徴、もう少しこう攻めたらトライが獲れたのではと思うことはあるか?

「映像を見てみないとわからないが、モメンタムがあるときはいいアタックができています。それを生み出すために、なんでそこでトライが獲れなかったのか、モメンタムの部分が関係していると思う。もう1回この部分を、フォワードをうまく動かしながら、バックスがコントロールできるときはコントロールして、一貫性をもって80分間戦えば、自分たちのいいアタックに繋がると思います。映像をチェックしながら、もう一度取り組んでいきたい」

リコーブラックラムズ東京のピーター・ヒューワット ヘッドコーチ(左)、松橋周平選手

リコーブラックラムズ東京
ピーター・ヒューワット ヘッドコーチ

「すごく残念な結果になりました。コロナの影響で数週間試合ができていなかったので、すごくエキサイトしていました。最初の10分、15分の硬度がなかったような気がする。もちろん、フラストレーションが溜まる結果となってしまいました。良い結果をもって試合に臨みましたが、横浜が前半良いプレーをしたと思います。ただ、後半は自分たちのチームができることを見せられたと思います。4試合目でしたが、これからもっといい試合を見せれたらと思っています。連続で試合ができたらいいなと思っています」

──後半、ハーフバックの南選手が入ったところで、チームのリズムが出てきた印象を持ったが、今回メンバーに入れた理由と、今日のパフォーマンスに関する評価は?

「素晴らしかったと思います。ベンチから出て、インパクトを与えてくれました。南はポテンシャルもあるし、才能のある選手です。今、成長している最中でもあります。今、正しい方向に成長していて、南が入った時にチームのテンポも変わりましたし、自身の役目もきっちり果たしたと思います」

──去年までセブンズに呼ばれる機会が多く、セブンズの経験が活かせていると思うか?

「もちろん、彼のプレイイングススタイルには役に立っていると思います。彼はアタッキングが得意なハーフです。彼はまだ若い9番です。これからはテクニック、キックやパスなどを今後成長させていく必要性があります。今の形で成長していけば、将来的にはすごく良い選手になると思います」

リコーブラックラムズ東京
松橋周平選手

「今日はありがとうございました。ホームタウンである駒沢ということで、試合がキャンセルになって、ここで今年できるのが最初で最後ということ、相手が横浜であることもあって、チームやブラックラムズファミリーのために勝つことを強く望んで挑みましたが、最初の20分を横浜のやりたいようにやられてしまったことがすべてです。自分自身も、フィジカルに行けず、悔しかったです。ただ、後半になってから、自分たちのやりたいプレーができるようになりました。試合が続くので、次の試合に向けて改善し、追求していきたいと思います」

──なかなか流れをつかめなかった前半の立ち上がりのところは、田村選手のキックの選択とか、向こうが対策してきたことが、うまくはまってしまったような印象だったが、実際プレーをしている選手はどのように感じたか?

「僕らも田村優さんが起点になって、どんどん乗ってくることはわかっていたので、それに対する対策はしっかりとってきたつもりだったが受けてしまって、横浜を乗せてしまう結果になりました」

──その中で後半の途中から、自分たちのゲームに持っていけたことは、何かいい修正ができたのか?

「修正というより、あれが自分たちのラグビーなのですが、それを最初から出せなかったことに尽きます」

──試合間隔が開いたことによる難しさはあったのか?

「そこに関しては、かなり僕らはフラストレーションがありました。試合ができると思ってできなかったことで、試合に関する感覚が薄れていたのかもしれません。ただ、それは言い訳にはならず、自分たちのやるべきことをやれなければならなかった。多少のフラストレーションがなかったとは言えません」

──最初の20分受けてしまった要因は?

「相手が最初の20分、シンプルにフィジカルで、勢いよく来ることはわかっていました。僕らもフィジカルで、相手の勢いを止めなければならなかったのですが、そこに対する対応、バトルができませんでした。フラストレーションかどうかは、言い訳になるので関係ないと思います」

──セットプレーの、特に前半のラインアウトを失敗したことがリズムに乗れなかった要因に見えたが、何がうまくいかなかったのか?

「シンプルに相手のディフェンスが良かったということと、自分たちが惑わされたこと。でも、後半はしっかり修正して獲れたので、最初からもっとできた部分があったと思います」

リコーブラックラムズ東京のブレア・カーワン選手

リコーブラックラムズ東京
ブレア・カーワン選手

「がっかりしています。大事な試合でしたが、試合間隔が開いたりしていたため、なかなか均一にラグビーをすることができなかった。最初の20分から25分に出てしまった。後半には自分たちのラグビーができるようになったが、そのときには大きくダメージを受けたあとで、追いかける立場になった。追いかけているときにミスが起き、相手に対応されてしまった。いくつか修正する場所があると思います」

──試合を通して、自身はハードワークをしていたと思うが、自身のパフォーマンスとどのような想いで試合をしていたか?

「最初の20分が少しさびついている感じがありました。とはいえ、ラグビーができることへの喜びを感じていました。今シーズンは試合があると思ったらなかったりしたことで、連続で試合をしているチームと比べて、チャレンジングでした。最初の20分は残念でしたが、ハーフタイムに良いメッセージがあって、自分も効果的に関われたと思います」

──前半終了間際の自陣で、相手のペナルティを誘うブレイクダウンがあったと思いますが、振り返っていただけますか?

「5mのところだと思いますが、低いタックルを決めることができ、倒れた状態でした。そこにヒートがあったので、しっかり行きました。ラッキーでした」

──若い選手がたくさんいて、成長しながら勝っていくチームだと思いますが、チームの中でどのような役割を果たしていこうと考えていますか?

「私たちのチームには平選手や南選手など、若くて才能のある選手がたくさんいて、その選手たちとプレーできることにはワクワクしています。日本人の選手は直感みたいなものを持っています。このリーグに限らず、世界の若い選手が順調に成長していくことは重要であるが、特にアタックだけではなくディフェンスで良いパフォーマンスができるようにしていく必要性があります。個人的にはみんなより少し経験があるので、自分が心掛けていることは見本となる行動をすることだと思います。もちろん助けられるものがあれば伝えます。ただ、オーバーコーチングには気を付けています。これをしてしまうとネガティブな影響もあると思うので、どちらかというと自分の背中で見せることを心掛けています」

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