2024.04.09NTTリーグワン2023-24 D1 第12節レポート(静岡BR 43-14 三重H)

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第12節 カンファレンスA
2024年4月6日(土)14:00 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ 43-14 三重ホンダヒート

逆転でのプレーオフトーナメント進出へ。
カギはエンジン全開の両スクラムハーフ

静岡ブルーレヴズのスクラムハーフのふたり。ブリン・ホール選手(左)、矢富勇毅選手(右)

桜もほころぶ陽気の中、ヤマハスタジアムでは、静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)が、三重ホンダヒートを迎えての一戦に臨んだ。試合は、ディビジョン1のトライランキングでトップをひた走るマロ・ツイタマの躍動もあり、静岡BRが43対13で勝利し、ホストゲーム2連勝を飾った。

この日のスタジアムは“バイクダービー”として、にぎやかな雰囲気に包まれた。会場にはバイク最高峰レースMotoGPで活躍したYAMAHAとHONDA、両メーカーのバイクが展示され、選手入場の際には、ピッチに並んだ両バイクによるエグゾーストノイズ(排気音)がBGMという演出。エンジンの回転音と独特の匂いがまだ残る中でのキックオフとなった。さらにハーフタイムには、2台のオフロード用バイクがピッチを周回したあと、バックスタンドの階段を駆け上がるパフォーマンスで再度観客を魅了した。

またこの試合は、チーム在籍17年目の39歳、静岡BRのレジェンド矢富勇毅のクラブキャップ数150キャップという節目の試合でもあった。そのレジェンドの花道を整えたのは、先発のブリン・ホール。藤井雄一郎監督も、「(ブリン・ホールは)トライも取ったし、ゲームコントロールとかアシストも含めて、今日はすごく良かった。矢富が出るとチームの士気が上がるし、常に元気な選手だからもう少し長く出してあげたかったですが……」と、両スクラムハーフを称賛した。
「(敵陣)22mに入ってから自分たちの形ができています。自分がスペースに向かって走ったときに、たくさんのオプションがあるので、相手のポジショニングを見極めた上で、仲間にパスをしているだけです。ブレイクダウンのところも練習でやったことが、しっかり試合に出ました」(ブリン・ホール)

静岡BRのプレーオフトーナメント進出を目指す戦いは残り4試合。力強いボールキャリーを生かしたブリン・ホールと、元気印の矢富勇毅。両スクラムハーフのエンジン全開で、勝利の階段を駆け上がれるか。

(有働文子/Rugby Cafe)

静岡ブルーレヴズ

静岡ブルーレヴズの藤井雄一郎監督(右)、庄司拓馬バイスキャプテン

静岡ブルーレヴズ
藤井雄一郎監督

「(今日の試合で)やることは、とにかく5ポイントを取りたいということ、次につながる試合をするということだったので、途中で(トライを)2本取られたりもしましたが、しっかり立て直すことができて5ポイントを取れたので、次につながると思っています」

──今日のゲームプランについて、戦術的な部分を教えてください。

「次のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦でやりたいブレイクダウン(接点)のところなど、いろいろなところをしっかりできるか。自分たちは、一つずつ先に進んでいくしかトップ4に行く道はないので、相手がどうであれ、しっかり成長できるようにやっていく。そういう意味では、選手はよくやってくれました」

──10番で出場した奥村翔選手の評価を教えてください。

「急きょ10番に入ることになって、ひさしぶりに80分間出て、ゲームコントロールもキックの精度も良かったです。合格点だと思います」

──4,452人という観客数について、どう感じますか?

「本当に優勝を争うような試合であれば、もちろんもっと入ると思いますが、今日は本当に勝たないといけないカード(試合)で、大きな声援もありましたし、すごく熱を感じたので、私たちとしては1万人くらいいるという感じでやっていました」

静岡ブルーレヴズ
庄司拓馬バイスキャプテン

「勝利のために、しっかり自分たちのやるべきことをしっかり遂行する、80分間遂行するというところで、誰が出てもいい準備はできていたので、基本的にはしっかり80分やり切れたと思います。その中で、修正点もあったので、しっかり来週につなげていけたらと思います」

──ホストゲームでの勝利をどのように感じていますか?

「僕たちは(試合に)来てくださった人たちから熱量をもらっているので、そこに対して自分たちができること、“勝ち”を見てもらえたのが何より良かったです。一つひとつの勝ちを重ねていけば、ホストゲームもそうですが、ビジターゲームでも観客が増えてくると思うので、しっかりそこに向けて、僕たち選手は全力を尽くしていきたいです」

三重ホンダヒート

三重ホンダヒートのキアラン・クローリー ヘッドコーチ(右)、小林亮太ゲームキャプテン

三重ホンダヒート
キアラン・クローリー ヘッドコーチ

「とても残念な結果になりました。フィジカル的にも前半は圧倒されて、うまいことゲームを進めることができなかったというのが正直な感想です。後半はパフォーマンスを改善できたのですが、そのパフォーマンスを前半から出さないといけないと思います。後半だけを切り取ってみれば、14対12で勝っていたところに関しては、チームとしての収穫だと感じています」

──スクラムで苦戦したことについて、どう感じていますか?

「スクラムに関して、静岡ブルーレヴズは、リーグワンの中でもベストチームの一つだと考えています。いくつかわれわれのほうに吹いてほしかったペナルティもありましたが、相手の強みを出させてしまった試合でした」

三重ホンダヒート
小林亮太ゲームキャプテン

「本日は、ヤマハスタジアムで試合させていただいてありがとうございました。(キアラン・クローリー)ヘッドコーチが言ったように、前半はフィジカルのところで相手に優位に進められてしまって、自分たちのラグビーができなかったというのがすべてだと思います。後半の入りはしっかり集中して一時はいいペースでしたが、そこでしっかり相手を仕留め切れず、またコンタクトのところで後手に回ってしまいました。この結果を真摯に受け止めて、改善できるようにやっていきたいと思います」

──苦しい試合が続いているが、キャプテンとしてチームを鼓舞する上で、心がけていることはありますか?

「前のゲームも今回のゲームも、総じて負けはしていますが、自分たちの役割をしっかり遂行すれば、いいゲームができています。今日の試合でも、いい時間帯がありました。自分たちがどれだけ役割を果たせるか、その中にはフィジカルのところ、体を当てるところもありますが、そういう時間帯をもっと長くするのが課題だと思っているので、日々みんなにそういうところを言うように心がけています」

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