NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1(リーグ戦)第14節 カンファレンスB
2024年4月20日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
横浜キヤノンイーグルス vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ
横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)
“イーグルス愛”を再認識したジェシー・クリエル。
勝利で笑顔を届けることが、その答え
横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)は今節、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)を秩父宮ラグビー場に迎えてホストゲームを戦う。横浜Eの4連勝が懸かった一戦は、4月20日(土)14:30にキックオフの笛が鳴る。
南アフリカ代表のラグビーワールドカップ連覇の立役者が、NTTジャパンラグビー リーグワンのピッチに戻ってくる。1月に親指の負傷でチームを離脱していたジェシー・クリエルが、相模原DB戦のメンバー入りを果たした。
もともと、けがの耐性に優れたジェシー・クリエルが、ここまで長期間、所属チームを離れることはなかったという。それでも、失って気づいたことがある。南アフリカ代表のセンターは、“イーグルス愛”を再認識した。
「チームを離れたことで、この横浜Eという場所が自分にとって、いかにスペシャルな場所であるかを再認識する貴重な機会になりました。チームメートと一緒にいられないこと、毎日(練習場の)CSP(キヤノンスポーツパーク)に来て、“イーグルスファミリー”に会えないことの寂しさは、この環境から一度出てみないと自覚できません」(ジェシー・クリエル)
ラグビーワールドカップ優勝メンバーが離脱したことは痛手だったが、チームメートは同時期に戦列を離れたファフ・デクラークを含め、いい順位で二人を迎えられるように結束していた。「僕らが離脱しても結束力を失わずに戦ってくれた」とはジェシー・クリエルの言葉だ。
「興奮を抑えているような状態」で迎えるNTTジャパンラグビー リーグワン復帰戦。控えの立場からピッチに立ったとき、愛するチームのために、ジェシー・クリエルはどんな姿を見せてくれるのだろうか。
「力強いボールキャリー、ディフェンスのオーガナイズでチームに貢献するのは、この5年間ずっと続けてきたことです。勝利をつかんで横浜Eのサポーターを笑顔にしたい。それが自分にとって一番のモチベーションになっています」(ジェシー・クリエル)
2シーズン連続のプレーオフトーナメント進出へ。「チームのために行動できる」(荒井康植)“ナイスガイ”が、シーズンのラストスパートに向けたエナジーを注入する。
(郡司聡)
三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスB)
ラインアウト改善のキーマン。
強みのフィジカルを生かし、ライバル撃破へ
リーグ戦残り3試合のタイミングで、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)が横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)との“神奈川ダービー”第2ラウンドに挑む。
第1ラウンドとなった第4節は接戦の末、35対40でホストチームの相模原DBが敗れた。相模原DBの“入替戦回避”と横浜Eの“プレーオフトーナメント進出”。現在、お互いの目指すところと立ち位置は異なるが、神奈川の覇権を懸けた熱戦を期待したい。
相模原DBとしては、ここ数試合の敗因となっている個人的なミスをどれだけなくせるかが勝利をつかむカギとなるだろう。
相模原DBのウォルト・スティーンカンプは「高い精度でプレーするようにチームとして心掛けています」と今週のトレーニングの狙いを明かす。
南アフリカ共和国出身の28歳。昨季、地元のブルズから、海外でのキャリアを積むために相模原DBに加入した。ブルズの元チームメートで、ホンダヒート(当時)やコベルコ神戸スティーラーズに所属していたマルセル・クッツェーから日本の良さを聞いていたことも来日の後押しになったようだ。
デビューした昨季は、203cm、121kgの体躯を生かし、ラインアウトやモールで相手に脅威を与え、相模原DBの粘り強い守備に貢献した。今季は日本人の低いタックルにも慣れ、フィジカル面も向上。シーズン終盤に入っても好調で、「いいコンディションを維持できています」と本人も語っている。
ウォルト・スティーンカンプのラインアウト成功数はリーグ8位タイ。前節のトヨタヴェルブリッツ戦ではラインアウトに苦戦したが、「前節のようにうまくいかない試合もありますが、自分たちの意識としては、結果が良いときも悪いときも改善してきました。確実に改善できると自信を持っています」と前を向く。
横浜E戦に向けては「シーズンをとおしてフィジカル面のプレーを大事にしてきましたが、横浜E戦では特に意識したいと思います。自分の役割である、フィジカルを生かして前にボールを運ぶところ、モールで勢いをつけるところをしっかりとお見せしたい」と意気込んだ。
彼を筆頭に相模原DBが80分間をとおして集中力を維持し、高い精度でプレーできれば、持ち前のハードワークがより生きる。その先に結果がついてくるはずだ。
(宮本隆介)