2024.04.19NTTリーグワン2023-24 第13節 WG昭島 vs 日野RD-見どころ

NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン3 第13節
2024年4月20日(土)13:00 厚木市荻野運動公園競技場 (神奈川県)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs 日野レッドドルフィンズ

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

「スタンドオフのおかげで勝った」と言われるために。デビュー戦でこそガツガツいく

ルーキーながら10番を背負う、クリタウォーターガッシュ昭島の半田裕己選手。「謙虚に、ではなく、ガツガツいきたいです(笑)!」

クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)は、神奈川県の厚木市荻野運動公園競技場で、日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)と対峙する。現在、ディビジョン3の4位につけるWG昭島にとっては、D2との入替戦進出のために残されたチャンスは、今節を含めてあと3試合。いずれも絶対に負けられない戦いだ。

シーズン最終盤の大事な3連戦の初戦で司令塔を託されたのは、この春に近畿大学を卒業したばかりの“はんちゃん”こと半田裕己。小学生のときにラグビーを始めてから、ずっとスタンドオフとしてプレーしてきたという生粋の司令塔だ。

デビュー戦に向けて、半田に意気込みを尋ねると、「コーチに求められているのはエリアの部分(をコントロールすること)だと思います。自分の武器であるキックをうまく使いながらプレーしたいです。WG昭島の選手としては初めての試合ですが、常に周りとコミュニケーションを取りながら、謙虚に、ではなく、ガツガツいきたいです(笑)!」。笑顔を絶やさず、試合の日を迎えるのが楽しみで仕方がないという半田は、スタンドオフとしての自分の特徴をこう分析する。

「得意なプレーはキックと、ゲームコントロール。一人ではすべてを見切れないので、周りの選手に情報をもらいながら、でも、最後は自分で判断したい。(WG昭島は)外側にいい選手がいるので、バックスリー(ウイングとフルバックのこと)の3人をうまく使いながら、ボールを回して、アグレッシブにアタックしていきたいです。『スタンドオフのおかげで試合に勝った』と言われるような選手になりたいですね」と、プレーでも強気な発言でも、チームをけん引してくれそうだ。

ワイクリフ・パールー ヘッドコーチからは、「強いチーム(日野RD)を相手にファーストキャップを取るほうが、今後のラグビー人生にとって意味がある」という言葉を贈られた。それならば、半田のリーグワンデビューには、絶対に負けられない戦いがふさわしい。

(匂坂俊之/Rugby Cafe)

日野レッドドルフィンズ(D3)

貫きたい“エキサイティングなラグビー”。
2年ぶりにピッチに立つベテランが先導役となる

日野レッドドルフィンズの10番は、ベテランの染山茂範選手。まる2年のブランクがあるが「練習でうまくこの試合に向けて状態を合わせられた。気負わずに自信をもって試合に入りたい」(写真提供:日野レッドドルフィンズ)

日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)は4月20日(土)に神奈川県の厚木市荻野運動公園競技場でのビジターゲームでクリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)と対戦する。日野RDにとっては、勝てばディビジョン3優勝が決定する大事な試合だ。

第11節の中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)戦は26対26で引き分け。開幕からの連勝は7でストップした。それでも、無敗は継続中だ。

苑田右二ヘッドコーチは「開幕前から『全勝でD2昇格を果たす』という目標を掲げて取り組んできたが、現在、リーグワンで無敗はD1の埼玉パナソニックワイルドナイツとウチだけなので挑戦は続いている。前節は、引き分けという結果以上に日野RDの掲げる“エキサイティングなラグビー”を最後まで貫けなかったことを悔しく感じている。1年間取り組んできた“エキサイティングなラグビー”を80分間出し切るところが重要になってくる」と語る。

そして、勝てば優勝が決定するというこの試合で、苑田ヘッドコーチがスタンドオフの先発に指名したのが、染山茂範だ。明治大学から中国RRを経て2017年に日野自動車レッドドルフィンズ(当時)に加入し、トップリーグ昇格の際には中心選手として活躍したベテランに試合の舵取りは託された。

「けがで試合間隔が(2年以上)空いてしまっている部分に若干の不安はありますが、練習でうまくこの試合に向けて状態を合わせられた。気負わずに自信をもって試合に入りたいと思います」と準備は万端。

「WG昭島は体の大きな選手も多く突破力があるので、ディフェンスで相手にゲインさせないこと。日野RDとしては我慢しながら確実なプレーでマイボールを継続し、しっかりスペースができたときに正しい場所へボールを運んでいく。そこがポイントだと思っています」と染山は試合を見据える。

さらに染山にとってモチベーションの源となることがもう一つある。明治大学から同期の堀江恭佑もナンバーエイトのポジションで今季初先発するのだ。

「大学ではプライベートでも仲が良く、いろいろなことを共有してきたかけがえのない存在です。ひと言では言えないのですが……。お互いに試合では出し切って、一緒に喜び合えたらと思います」と染山は言葉を継ぎつつも、「『この試合に勝てば優勝だ』などと考えている選手は一人もいない。前節で引き分けて、みんな非常に悔しい思いをしているので、『あの引き分けがあったからこそ、この試合がベストになった』と言える結果が一番です」と力強く語った。

日野市にはこんなに素晴らしいラグビーのチームがある、ということを伝えるべく1年間を戦って来た日野RDにとっては集大成のゲーム。今季のD3優勝はもちろん、その先へと続く道も見据えてWG昭島戦に臨む。

(関谷智紀)

ニュースの一覧へ