2024.05.23NTTリーグワン2023-24 プレーオフトーナメント3位決定戦 横浜E vs 東京SG-見どころ

NTT ジャパンラグビー リーグワン2023-24 プレーオフトーナメント3位決定戦
2024年5月25日(土)12:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
横浜キヤノンイーグルス vs 東京サントリーサンゴリアス

横浜キヤノンイーグルス(D1 カンファレンスB)

今季はハットトリックでPOTMに!
横浜Eの誇るスピードスターが、2年連続の3位へ導く

昨シーズンのプレーオフトーナメント3位決定戦での横浜キヤノンイーグルス・松井千士選手(2023年5月19日/対 東京サントリーサンゴリアス/秩父宮ラグビー場)

あと3点届かず、無情のノーサイド。1週間前のプレーオフトーナメント準決勝、埼玉パナソニックワイルドナイツの松田力也のキックでタッチラインを割ったボールを最も遠いサイドから見守った松井千士の目に、泣き崩れるチームメートの姿が映った。「惜しい試合で終わることがないようにしよう」。チーム全員でそう確認して臨んだレギュラーシーズン16戦全勝チームとのプレーオフトーナメント準決勝は、17対20のスコアで涙を呑む結果となった。

一度は失意に暮れた横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)だが、チームは今季最終戦へ必死に気持ちを奮い立たせた。2年連続3位フィニッシュへ。この試合でジャパンラグビー リーグワン単独で最速の50キャップに到達する小倉順平は東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)との3位決定戦に「勝つマインド」で臨むことを強調する。

奇しくも今季の3位決定戦は昨季と同一カード。対戦相手がかつて所属した古巣であり、昨季の同カードで2トライを奪っている松井にとっては、これ以上ない舞台が整った。松井は言う。

「3位決定戦の相手が古巣ですし、個人的な感情もあるので、バチバチとやり合いたいと思っています」

松井が古巣との3位決定戦に闘志を燃やす理由は、ほかにもまだある。特に今季は第2節のトヨタヴェルブリッツ戦で負傷離脱して以降、復帰とけがでの離脱を繰り返し、思うに任せないシーズンを過ごしてきた。「モヤモヤする期間が長かった中で最後にメンバーに選んでもらった」と感謝する松井は、「“有終の美”を飾っていいシーズンだったと言えるようにしたい」と話した。

松井をメンバーに送り出した沢木敬介監督からは「相手のバックスリーを振り切ってトライを取ってほしい」と発破を掛けられた。また、チームメートからは昨季の3位決定戦での活躍の再現を期待されているという。指揮官やチームメートからの期待を背負う松井は、「みんなの期待に応えたいし、今季はハットトリックしてプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲りたい」と目標を定めた。

相手ディフェンスを切り裂く“スピードスター”が、横浜Eを2年連続の3位に導く。

(郡司聡)

東京サントリーサンゴリアス(D1 カンファレンスA)

全試合先発で迎える髙本幹也の新人ラストマッチ。
自らの判断力を信じ、日本屈指の10番にお返しする

この3位決定戦に出場すれば、レギュラーシーズン全16試合にプレーオフトーナメント2試合、そのすべてに先発出場ということになる東京サントリーサンゴリアスの髙本幹也選手

東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)の今季最終戦は、5月25日(土)、秩父宮ラグビー場で横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)と戦うプレーオフトーナメント3位決定戦となった。昨季も3位決定戦で同じ相手と戦い、敗れてシーズン4位に終わった屈辱がある。1年経って、チームとしての成長した証が欲しい。

選手個々においては、すでに成長した証を見せた選手もいる。ルーキーイヤーにあたる今季、このプレーオフトーナメント3位決定戦に出場すれば、レギュラーシーズン全16試合、そしてプレーオフトーナメント2試合、そのすべてにおいてスタンドオフのポジションで、スタメンでの出場を果たすことになる髙本幹也だ。

プレーオフトーナメント準決勝・東芝ブレイブルーパス東京戦では、先制点となるドロップゴールを決める強心臓ぶりも発揮。試合後には“世界最高の10番”であるリッチー・モウンガのほうから髙本に歩み寄り、健闘を讃えられる場面もあった。

「リーグワンを1シーズン経験して、『自分の“判断力”や“感覚”は通用するんだな』という手ごたえはつかめています。(準決勝で決めたドロップゴールも)『イケるな』と思った感覚に従った結果です」

それでも、髙本は自分の出来に満足していない。

「チームに対しての影響力はまだまだ足りてない。それは先輩方を見ていたら分かります。ラグビーワールドカップメンバーの先輩方を始め、チームに対しての影響力がすごく大きい人たちばかり。僕も早くチームを勝たせるプレーヤーになりたいですね」

“チームを勝たせる影響力を持つ選手”は、対戦する横浜Eにもいる。同じ10番を背負う日本屈指の司令塔・田村優だ。今季第11節で対戦した際には、最大25点差のリードを奪いながら後半だけで一気に詰め寄られると、試合最後のワンプレーで田村優がペナルティキックを選択。“逆転サヨナラペナルティゴール”を決められて、悔しい大逆転負けを喫した。

「田村選手はいつも落ち着いて、毎回いい判断をしてくる選手です。その判断の部分ではやっぱり負けたくないですね」

目の前で味わったあの悔しさを、今度は髙本がお返しする番だ。ルーキーとしてのラストマッチ。日本屈指の仕事人を前に、髙本は自分の判断力を信じて、チームを勝利に導く。

(オグマナオト)

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