一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン(以下「リーグワン」)の規律委員会は、リーグワンの会員チームである三重ホンダヒート及び同チームの所属選手の違反行為に対し、以下のとおり懲罰を決定いたしましたので、リーグワン懲罰規程第20条第1項に基づき公表いたします。
なお、三重ホンダヒートによる所属選手の違反行為に関するチームからの公表は以下のとおりです。
https://www.honda-heat.jp/news/1874/
三重ホンダヒートに対する懲罰
1 懲罰の内容
けん責
2 懲罰の根拠条項
リーグワン懲罰規程第8条第1項第2号、第3条第2項
リーグワン規約第23条第4項、第3条第3項
3 違反行為の内容
三重ホンダヒートに所属する當眞慶選手(以下「當眞選手」という。)、田嶋グン選手(以下「田嶋選手」という。)及び饒平名悠斗選手(以下「饒平名選手」という。)は、2024年9月14日(土)、チームの本拠地であり同選手らが居住する三重県鈴鹿市から愛知県名古屋市まで當眞選手の自家用車で赴き、当日宿泊するための施設を確保していない中で、同日午後8時15分ごろから翌15日(日)午前0時30分ごろまでに3店舗で飲酒し、その後、同日午前1時ごろから當眞選手の自家用車内で仮眠を取った。
當眞選手が、同日午前6時00分ごろに目覚めたところ、自家用車のバッテリーがあがっていたため、JAFを呼んだ。同日午前6時45分ごろにJAFの対応が終わり、エンジンが正常に作動するようになったため、當眞選手は、三重県鈴鹿市に戻るため運転を開始した。
同日午前6時50分ごろ、自家用車を運転中の當眞選手は、覆面パトカーに乗車した警察官に呼び止められ、アルコール検査が行われたところ、當眞選手の呼気から基準値を超えるアルコールが検出された。
なお、同乗者である田嶋選手及び饒平名選手は、覆面パトカーに呼び止められるまで眠っており、警察官の声掛けにより目覚め、當眞選手が運転していたことを認識するに至った。
三重ホンダヒートは、モビリティメーカーのチームとして、交通安全教育に特に力を入れており、選手らがチーム内に交通安全委員会を組成し、3か月に1回の頻度で、違反事例をチーム内で周知するなどの啓蒙活動を行っていた。また、チームのミーティングの中でも、交通ルールに関する周知・啓蒙を行っていた。
しかしながら、これらの取組みについては、必ずしも選手にきちんと伝わっておらず、選手が自分事として捉えていなかったなどの意見も出ており、現に本件事案が発生していることからも、チーム内に規範意識・遵法意識を浸透させるための対策が不十分であったことは否定し難い。
したがって、三重ホンダヒートの監督責任を完全に否定することはできず、正会員は、選手をして、「本規約を遵守させなければならない」と定めるリーグワン規約第23条第4項に違反するものと認められる。
4 懲罰の理由
飲酒運転は、重大事故を引き起こしかねない危険な行為であり、かつ、近時は社会全体で問題視されている行為であり、三重ホンダヒートによる管理監督が不十分であったといわざるを得ない。
他方で、所属選手の違反行為による事故は発生していないこと、所属選手による違反行為がチームの活動外で発生していること、三重ホンダヒートは、交通安全委員会を組成し、3か月に1回の頻度で、違反事例を周知するなどの啓蒙活動を行っており、また、チームのミーティングの中でも、交通ルールに関する周知・啓蒙を行っており、選手が飲酒運転をしないために相応の管理体制を敷いていたこと、本件発生後、外部弁護士や法務部門責任者などからなるコンプライアンス委員会を新たに設置し、研修内容の見直しや定期的な浸透度確認を行うことでコンプライアンスのさらなる強化を図っていること、二度と同種事案を起こさないよう再発防止を徹底することを約束していることなどの酌むべき事情も認められ、これらを総合的に考慮すると、けん責とすることが相当である。
選手に対する懲罰
當眞選手に対する懲罰
1 懲罰の内容
けん責
2 懲罰の根拠条項
リーグワン懲罰規程第8条第2項第2号、第3条第2項
リーグワン規約第3条第3項
3 違反行為の内容
當眞選手による上記「三重ホンダヒートに対する懲罰」の3記載の行為は、道路交通法に違反する行為であり、選手は、「法律、命令、条例等を遵守し、社会的規範を尊重して行動しなければならない」と定めるリーグワン規約第3条第3項に違反するものと認められる。
4 懲罰の理由
飲酒運転は、重大事故を引き起こしかねない危険な行為であり、かつ、近時は社会全体で問題視されている行為であり、厳しい非難は免れない。
他方で、本違反行為による事故は発生していないこと、所属する本田技研工業株式会社からは降格(減俸)処分が、三重ホンダヒートからはチーム対外活動参加禁止6か月間の処分がなされ、さらには、実名報道がなされるなどの一定の社会的制裁を受けていること、反省の態度も顕著であると認められることなどの酌むべき事情も認められることから、これらを総合的に考慮すると、けん責とすることが相当である。
田嶋選手に対する懲罰
1 懲罰の内容
けん責
2 懲罰の根拠条項
リーグワン懲罰規程第8条第2項第2号、第3条第2項
リーグワン規約第3条第3項
3 違反行為の内容
田嶋選手による上記「三重ホンダヒートに対する懲罰」の3記載の行為は、道路交通法に違反する可能性のある行為であり、選手は、「法律、命令、条例等を遵守し、社会的規範を尊重して行動しなければならない」と定めるリーグワン規約第3条第3項に違反するものと認められる。
4 懲罰の理由
飲酒運転は、重大事故を引き起こしかねない危険な行為であり、かつ、近時は社会全体で問題視されている行為であり、飲酒運転をすることとなるおそれのある者に対し、飲酒を勧めるような行為も禁止されており、厳しい非難は免れない。
他方で、田嶋選手は當眞選手が運転を開始したことを認識していなかったこと、本違反行為による事故は発生していないこと、所属する本田技研工業株式会社からは譴責処分が、三重ホンダヒートからはチーム対外活動参加禁止6か月間の処分がなされ、さらには、実名報道がなされるなどの一定の社会的制裁を受けていること、反省の態度も顕著であると認められることなどの酌むべき事情も認められることから、これらを総合的に考慮すると、けん責とすることが相当である。
饒平名選手に対する懲罰
1 懲罰の内容
けん責
2 懲罰の根拠条項
リーグワン懲罰規程第8条第2項第2号、第3条第2項
リーグワン規約第3条第3項
3 違反行為の内容
饒平名選手による上記「三重ホンダヒートに対する懲罰」の3記載の行為は、道路交通法に違反する可能性のある行為であり、選手は、「法律、命令、条例等を遵守し、社会的規範を尊重して行動しなければならない」と定めるリーグワン規約第3条第3項に違反するものと認められる。
4 懲罰の理由
飲酒運転は、重大事故を引き起こしかねない危険な行為であり、かつ、近時は社会全体で問題視されている行為であり、飲酒運転をすることとなるおそれのある者に対し、飲酒を勧めるような行為も禁止されており、厳しい非難は免れない。
他方で、饒平名選手は當眞選手が運転を開始したことを認識していなかったこと、本違反行為による事故は発生していないこと、所属する本田技研工業株式会社からは譴責処分が、三重ホンダヒートからはチーム対外活動参加禁止6か月間の処分がなされ、さらには、実名報道がなされるなどの一定の社会的制裁を受けていること、反省の態度も顕著であると認められることなどの酌むべき事情も認められることから、これらを総合的に考慮すると、けん責とすることが相当である。
リーグワン懲罰規程
https://league-one.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/file/menu/7193_655fd63a8dec2.pdf