NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第2節(リーグ戦) カンファレンスA
2024年12月28日(土)13:05 えがお健康スタジアム (熊本県)
浦安D-Rocks 19-62 静岡ブルーレヴズ
覚悟していた高い壁。それでも浦安DRは簡単には屈しない
熊本県のえがお健康スタジアムで、ディビジョン1でのホストゲーム開幕戦を迎えた浦安D-Rocks(以下、浦安DR)であったが、静岡ブルーレヴズに完敗。D1初勝利とはならなかった。
想像も覚悟もしていたが、トップカテゴリーの高い壁が分厚く立ちはだかる。いま、ネイビーのジャージーを身にまとう選手たちはD1の環境で必死にもがいている最中だ。
この日も1週間前の開幕戦と同じく、開始早々にペナルティゴールで先制を許すと、前半20分以降はミスが多発し、失点を重ねてしまう。合計5つのトライを奪われ、まさかの0対36の大差で折り返す。後半は3分という早い時間帯にトライを奪い返すが、さらに4つのトライを相手に重ねられ、スタジアムは意気消沈。悲願のD1昇格を成し遂げた昨季には味わうことのなかった空気が流れていた。
それでも、この悔しさも絶望もD1を戦っているからこそ感じる気持ちであり、この高いレベルと刺激こそが、一昨季、昨季と2シーズンかけて求めてきたものと言っていい。この経験こそが、将来の血となり肉となっていくはずである。
開幕から2試合連続でフル出場を果たした安田卓平は、「(D2と比べ)コンタクトレベルもスキルレベルも個々の能力は高い」としっかりと現実を受け止めながらも「自分たちにはそのレベルでもプレーできる選手はいる。現状は自分たちでしか変えられないし、一人ひとりが向き合っていくしかない」と真っすぐ前を見つめた。また、地元・熊本でのプレーとなった橋本法史は「そんなに簡単に勝てる相手はいないし、勝つのは難しいと感じているけど、自分たちが戦える部分もちゃんとある」と言い、昨季、日野レッドドルフィンズでバイスキャプテンを務めていた経験を踏まえ、「(苦しいときこそ)チームとして同じ方向を向いて、自分たちの進む方向を見失わないようにすることが大事」と続けた。
実際、開幕戦も今節もタイムアップを告げるホーンが鳴ったあとに意地のトライを奪っている。浦安DRは簡単には屈しない。いまこそ一枚岩となり、堂々と臆せずにD1の強豪たちに挑んでいく。
(須賀大輔)
浦安D-Rocks
浦安D-Rocks
グレイグ・レイドロー ヘッドコーチ
「酷い試合でした。ラグビーというスポーツにおいて、基礎的な部分。フィジカルのところやラインアウトを獲得できないと難しい展開になってしまうのは、当たり前の話だと思います」
──「酷い試合」になってしまったと感じる原因を教えてください。
「分析しないといけない部分もありますが、今日の試合の印象としては後手に回ってしまい、相手が攻めてくるのを待ってしまったところがありました。ラグビーにおいては積極的に攻める姿勢、果敢に攻める姿勢がまずは大事になってくると思うので、そこができていなかったことに尽きると思います。ディビジョン1ではそこが一番大事になってくることだと思いますし、1週間の準備としてはすごくいい部分もあったと思うのですが、そこもしっかりと見直して何が問題だったかを見つめ直さないといけません」
──昨季までほとんどビハインドの展開を経験していない中、そういう状況に陥ってしまったときに大事になることはどんなことでしょうか?
「今日の課題で言えば、ラインアウトを獲得できないとディフェンスの時間が長くなってしまうので、まずはそこの修正からですね」
──地元・熊本出身の橋本法史選手の評価をお願いします。
「スクラムハーフの選手としては、ディフェンスする時間も長くてパフォーマンスを出すには難しい試合状況ではありました。ただ、試合の流れを変えたい意図で彼を後半から投入しました。彼自身は、飯沼蓮選手と似たような強みをもっている選手でゲームのテンポを出せるところ、スキルのレベルやラグビーの理解力が高いところは長所だと思います」
──ペナルティの多さをどう修正していきたいですか?
「規律の部分で言えば、ラインアウトを獲得できないことでどんどん後ろに下がってしまっていたことが大きな要因だったと思います。後ろに下がってしまって、トライライン付近でのディフェンスになるとやはりレフリーの目は守備側に向いてしまうところはあるので、ラインアウトは修正が求められます。良い部分はかなり少なかったので、そこは見直してみるしかないですね」
浦安D-Rocks
飯沼蓮キャプテン
「今日はありがとうございました。(グレイグ・レイドロー)ヘッドコーチも言ったとおり、フィジカルの部分で相手に押されてしまいました。自分たちのチャンスの時間もありましたが、セットピースやラインアウトのところでペースをつかみ損ねてしまい、こういう試合になってしまったと思います」
静岡ブルーレヴズ
静岡ブルーレヴズ
藤井雄一郎監督
「本日はありがとうございました。今日は新しく(D1に)上がってきたチームとの試合でした。選手たちは最初からしっかりとプレーしてくれたと思います。最後、トライを取られてしまいましたけど、全般的には良くやってくれたと思いますし、またしっかりと準備して次の試合に備えていきたいと思います」
──具体的に良かった点を教えてください。
「ラグビーなので、スコアを取ることですが、そのスコアの仕方です。最初はペナルティでトライになりませんでしたけど、全般的に点数を重ねられて良かったと思います」
──浦安D-Rocksに対してどんな対策を施してきましたか?
「同じ方向(順目)に攻めるということですね。自分たちのターンオーバーやトランジションのところで外側にスペースができて、その意味ではしっかりと選手たちが対応してくれたと思います」
──2連勝といいシーズンの滑り出しになったと思います。
「そうですね、まだ2試合だけですが、昨季は最初の2試合に勝てなかったので、これからも大事にやっていきたいと思います」
──スクラムの手ごたえを教えてください。
「しっかりとスクラムでプレッシャーを掛けられました。後半に(イエローカードの影響で)7人になったときに押せなかったのはありますが、全般的にはしっかりとコントロールできていたと思います」
静岡ブルーレヴズ
クワッガ・スミス キャプテン
「チームのみんなが本当に素晴らしいエフォートをして頑張ってくれたと思っています。先週の課題から、今週はアタックにフォーカスしてやってきました。長い距離を走ったところから、また、ターンオーバーからトライを取ることができたことが、自分たちにとってはすごく良かったと思います。今日はしっかりと勝利を楽しんで、また来週からしっかりと準備をしてまた試合に向かっていきたいと思います」