2025.01.19NTTリーグワン2024-25 D2 第4節レポート(RH大阪 38-19 江東BS)

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン2 第4節
2025年1月18日(土)14:30 ヤンマースタジアム長居 (大阪府)
レッドハリケーンズ大阪 38-19 清水建設江東ブルーシャークス

力強く、切り裂くゲイン。パリ五輪7人制日本代表がいよいよ本領発揮

セブンズ日本代表から戻ってきた、レッドハリケーンズ大阪の吉澤太一選手

ヤンマースタジアム長居で行われたディビジョン2第4節では、レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)と清水建設江東ブルーシャークスが対戦。ホストチームのRH大阪は、相手に先制トライを許したものの、前半で逆転に成功。38対19で、開幕から4連勝とした。

この日は、今季初めて吉澤太一が先発出場した。

昨季はチームとの両立に悩んだ末に、パリオリンピックへの出場を目指してセブンズ(7人制ラグビー)日本代表に参加。RH大阪でのリーグ戦出場は4試合だけだったが、パリオリンピックにはバックアップメンバーとして帯同。順位決定戦のサモア戦とウルグアイ戦に途中出場を果たし、社内の期待に応えるRH大阪初の“オリンピアン社員”になって帰ってきた。

今季はチームでの活動に注力。開幕から3戦は、リザーブで出場している。ゲームキャプテンを務める茂野洸気は、吉澤について「リザーブだろうと先発だろうと、フィールドに出ればチームに良い流れを作ってくれるので助かっている」と話している。けれど、吉澤自身は「これまでの3試合は、納得できるプレーではなかったし、チームに貢献できていなかった」と感じていた。自身がそう感じるのも理解できる。第2節にはトライもあったが、今季はまだ彼の真骨頂と言えるプレーを見せられていなかった。

ハリーズ(RH大阪ファンの愛称)も待っていたであろう、相手の守備を切り裂いて駆ける姿が見られたのは、前半29分。山口泰輝からボールを受け取った吉澤は、相手選手二人の間をすり抜け、一人のタックルをかわす。さらに相手がもう一人タックルに来たところで、サポートに来たブレイク・ギブソンにボールを渡し、ギブソンがトライした。吉澤が30mほどのゲインを獲得したこのラインブレイクを見て、ハリーズはきっとこう感じたに違いない。「レッハリに吉澤太一が帰ってきた」、と。

その3分前には、土橋郁矢が前に短く蹴り出したボールに反応。ディフェンスラインを抜け出してボールを取り、トライエリアに飛び込んでグラウンディング。2シーズン前に印象深かった場面を想起させるその姿もまた、帰ってきたと感じさせる要素になった。

セブンズ日本代表では、パリオリンピックへの出場権を獲得するところから、アジアや世界の高いレベルを体感してきた。その経験は「自信になった」と振り返る。後半にタッチライン際を力強くハンドオフしながら突破していく姿からも、それは十分に感じられた。

昨季からずっと「快く(セブンズ日本代表での活動に)送り出してくれたチームに感謝している」という気持ちを持ち続けている吉澤。「若手選手のサポートをしていく」ことも務めながら、チームのために地に足を踏み締め、前へと走り続ける。

(前田カオリ)

レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪の松川功ヘッドコーチ(右)、茂野洸気バイスキャプテン

レッドハリケーンズ大阪
松川功ヘッドコーチ

「5,514人という多くの方々に足を運んでいただいたホストゲームで、しっかりと自分たちのプレーをして勝利できたことは、とても良かったと感じています。ファーストキャップの若い選手も出てくれましたので、そうした部分もまた、チームとして次につなげていけるだろうと思います」

──4連勝という結果について、どう感じていますか。

「とてもうれしく思っています。自分たちらしさ、ひたむきに努力するところ、例えばすぐに起き上がってプレーするところやボールに対してしっかりアプローチするなど、スキルももちろん大切ですが、そういったアティチュードの部分を表現できていることが、この結果の一つの要因になっています。

次の試合も、長いシーズンのうちの一つの通過点だと考えています。連勝を重ねると意気込むのではなく、試合などで出た課題を克服し、常にチームとしてさらに良くなっていくことを意識し、日々繰り返していきます」

──ファーストキャップの豊永慎之佑選手について、どう見ていますか。

「ルーキーながら、常に成長できるよう頑張っています。もちろんまだ失敗することもありますが、そういった中でもポジティブに行動し続けています。トレーニングにも朝早くから練習場に来て取り組み、ハングリーさもあります。そういった部分をチームに取り入れてほしいと思い、今回の試合に出てもらいました。

出場時間はわずかでしたが、良いプレーも良くないプレーも両方あったと思います。それが彼にとってもこれからさらに成長していく要素になるでしょう。チームとしても、財産になっていくものです。出てもらって良かったと感じています」

レッドハリケーンズ大阪
茂野洸気バイスキャプテン

「今回のホストゲームにも、たくさんの方たちに来ていただき、うれしいです。この試合を開催するにあたって関わってくださった多くの方々にあらためて感謝しています。レフリーのみなさん、清水建設江東ブルーシャークスのみなさん、ありがとうございました。

試合のほうは、結果としては勝利することができましたが、チームとしての課題がたくさん見つかった試合だったと感じています。特に、前半の入りの部分では、自分たちのミスで相手にボールを渡してしまったりコントロールを失ってしまったりしたことは、また次の試合に向けて修正していきます」

──4連勝という結果について、どう感じていますか。

「松川ヘッドコーチが話したとおり、私たちのチームには突出したスター選手がいるわけではなく、一人ひとりが何事にも全力で取り組むというところがチームの強みだと思っています。プレシーズンから厳しいトレーニングを積んできたことが、いまの結果につながっているのかな、と思います。

毎日成長していくことをやめず、1試合1試合を全力で戦うことで、勝ち星を重ねていければと思います」

──次の試合まで2週間空きますが、課題をどのように修正していきたいですか。

「自分たちの形というのをしっかり練習で成功するようにしていく必要があります。あと、フィフティーフィフティー(の成功率)のパスをなくしたいですね。それがボールキャリアーの判断なのか、周りの声掛けなのかというところも含め、精度をより高めていきたいです。また、ラックの2人目の寄せに関しても、今日は少し遅いように僕は感じました。それらの点は、練習でまたしっかり指導してもらえるよう、功さん(松川ヘッドコーチ)にお願いします」

清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクター(右)、白子雄太郎キャプテン

清水建設江東ブルーシャークス
仁木啓裕監督兼チームディレクター

「こういった素晴らしい環境でラグビーをさせていただき、皆さまありがとうございました。また、開催にご尽力いただきました協会の皆さま、関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

チャレンジをするというところで大阪に乗り込んで来ましたが、連勝しているチームと先週負けたチームの差かな、と感じました。チャレンジャーとして、一つひとつ勉強して、この長いシーズンはまだまだありますので、この敗戦は理由も含めてしっかり受け止め、今後に歩んでいきます」

──試合終了間際、相手にトライさせなかったことについて、どう感じましたか。

「前半の最後と後半の最後は、同じシチュエーションでトライをさせずに守り切りました。本当にタフになったと感じました。もちろん、状況は違えども、後半に関しては勝敗が決まった状態の中で、ひたむきにトライをさせなかったことに感謝しています。非常に次につながる部分だと感じました。レッドハリケーンズさんの得点パターンだと、あのような場面だとピック&ゴーも含めて力強く前に進んで得点するところだったと思いますが、それはすべて防ぎ切ったと思っています。そこは本当に自信になります。崩されてトライを取られたシーンは、一つもこの試合ではなかったと思っています。首位を走るチームに対して、しっかり戦えました。それはとても評価しています」

──チャレンジャーとして大切なことはどういったことでしょうか。

「それはもう、気持ちだと思います。ラグビーは、気持ちがないと絶対にできないスポーツだと思います。私も小学生でラグビーを始めましたが、気持ちだということは常々言われてきました。どれだけ能力があっても、気持ちがなければ何もできないと思いますので、やはり気持ちだと思います」

清水建設江東ブルーシャークス
白子雄太郎キャプテン

「相手を分析し、優秀なキッカーがいるということ、少ないフェーズでトライを取り切る力があることを理解していましたので、自分たちのボールを失わないよう、なるべくボールをキープして戦おうと話をしていました。けれど、ボールをロストしたり、ペナルティを重ねたりするシーンが少なくなく、失点につながってしまったと感じています」

──試合終了間際、相手のトライを許さず、守り切りました。

「私たちは、フォワードはフォワード、バックスはバックスで、それぞれの勝負に勝っていこうということで、今シーズンは『ユニットプライド』を掲げています。ラインアウトディフェンスやモールディフェンスのところは、フォワードの主戦場です。そこでしっかり守り切れたことは、監督も言ってくれたとおり、自信につながる部分です。次節につなげていきます」

──2週間後のホストゲームに向けて。

「自分たちのミスでボールをロストしてしまったところは、連係も深め、ミスのないようにしていきたいと考えています。最終的な局面でペナルティをして終わってしまっていることで、相手にアタックするチャンスを与えています。自分たちでしっかり自律して、ペナルティなくディフェンスの応援に行くというところを2週間で修正したいと思います。

おそらく、豊田自動織機シャトルズ愛知さんには、まだ公式戦で勝利したことがなかったと思います。地元で応援してくださるファンのみなさんに良いところを見ていただけるよう、ホストゲームで勝利したいです」

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