2025.02.10NTTリーグワン2024-25 D1 第7節レポート(浦安DR 31-26 三重H)

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン1 第7節(交流戦)
2025年2月8日(土)12:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks 31-26 三重ホンダヒート

誕生日に、先制トライで、初勝利。頼もしきキャプテンの有言実行

浦安D-Rocksの飯沼蓮キャプテン。「本当にこの1週間は、勝ってファンのみなさんにあいさつすることを毎日、毎日イメージしていて、それが本当に起きると信じていました」

ネイビーとイエローで染まった秩父宮ラグビー場で、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)が待ちに待ったディビジョン1初勝利を挙げた。最後は5点差まで詰め寄られたが、逃げ切りに成功。今季最多の5トライを奪い、13,000人以上が駆け付けた聖地で歓喜の瞬間を味わった。

若きキャプテンの笑顔がはじけた。キックオフから1分経たず、敵陣右サイドでボールをつなぎ、トライゾーン(インゴール)に飛び込んだのは飯沼蓮。この日が25歳の誕生日だった背番号9は、明治大学の先輩である田村煕からパスを受けると、タックルに来る相手を寄せ付けずにトライを決めた。それと同時に沸き上がる大歓声。この電光石火の先制劇が、チームに勇気と勢いをもたらし、初勝利につながった。

「あまり意識しないようにしていましたけど、せっかくの誕生日なので活躍して勝利したいとは思っていました。本当にこの1週間は、勝ってファンのみなさんにあいさつすることを毎日、毎日イメージしていて、それが本当に起きると信じていました」

この勝利を誰よりも待ち望んでいたのは、ほかの誰でもない飯沼だった。開幕から白星が遠い中、ときには厳しい言葉を発して自覚を促し、ときには前向きな言葉で奮い立たせ、チームをまとめてきた。自身としても第3節、第4節では先発落ちを経験。キャプテンとしても、イチ選手としても悔しさを味わってきた。

それでも、第5節で先発に戻ってきてからは、以前よりも安定感のあるパフォーマンスを発揮する。そして、つかんだ初勝利を「しっかりと喜びながら勢いに乗りつつ、反省するところは反省して次の試合に向けて準備していきたい」と、キャプテンらしくかみ締めた。

今季の開幕直前、「日本一のスクラムハーフになりたい」と宣言した飯沼はこう言っていた。

「自分がどのくらい躍動しているか。今季はそれをチームのバロメーターとして見てもらって大丈夫です」

まさにそのとおりのパフォーマンスで導いた初勝利。まだまだ長いシーズン、これからも浦安DRの先頭には、頼もしきキャプテンがいつもいる。

(須賀大輔)

浦安D-Rocks

浦安D-Rocksのグレイグ・レイドロー ヘッドコーチ(右)、飯沼蓮キャプテン

浦安D-Rocks
グレイグ・レイドロー ヘッドコーチ

「本日、たくさんの応援をいただいたNTTグループ全体の方々に感謝の言葉を申し上げたいと思います。13,000人もの前でプレーすることは選手たちにとっても本当に力になると思いますし、これからも会社の力になれるように頑張っていきたいと思います。

ヘッドコーチとしては、初勝利できたことに大変満足しています。ラグビーは(勝つためには)相手よりもたくさん得点しなければいけないスポーツなので、それをできたことがすごく良かったと思います。選手たちがハードワークしてくれたので全員を誇りに思っています。チームとしてはまだまだ改善できるところもありますので、引き続き精進していきます」

──(飯沼蓮キャプテンへの1つ目の質問で、キャプテンからの「一番学びになった試合はどの試合か?」という問いを受けて)

「三菱重工相模原ダイナボアーズ戦ですね。開幕戦です。前半を11対9と勝っている状態で折り返して、風下の前半にしっかりと戦い抜けた中、後半はそこから遠ざかってしまった部分はあったので、相手にアジャストさせるような自分たちのいいプレーをし続けることが大事だと(伝えました)。それが今日はできたと思いますし、これから先も学んだことを生かして、その学びを加速させていこうと思います」

──今日のフィジカリティーの部分の評価をお願いします。

「フィジカルの部分では本当に素晴らしいパフォーマンスができました。(飯沼)蓮も言っていましたが、今週、自分たちはフィジカルのところに大きなフォーカスをしていました。ここまでの全試合での最大の学びとしては、相手のことを過大評価し過ぎて待ちの姿勢になってしまったところです。だから、『今日はしっかりといいスタートを切ろう、フィジカルでいこう、いい選手は十分にそろっているからパフォーマンスは出せる』というメッセージをチームには発信していました」

浦安D-Rocks
飯沼蓮キャプテン

「本日は寒い中、ありがとうございました。たくさんのファンの方々が苦しいときもチームに声援を送ってくれて本当に力になりました。感謝しています。

ゲームにつきましては、この1週間、チームで(前節の)埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)戦を終えてから、その反省を生かして本当にいい準備ができました。まずはゲームの入りを意識しようと。三重ホンダヒート(以下、三重H)さんはフィジカルのチームなので、フィジカルで負けない。最初の1分からそれを示していこうと話して、本当に入りが良くて、そのままいい流れで勝利をつかめたかなと思います。ペナルティの部分や最後にスコアをされたところなど、まだまだいらないミスやペナルティ、反対に自分たちがもっとスコアをできる部分もたくさんあったので、しっかりとこの勝利を喜びながら勢いに乗りつつ、反省するところは反省して次の試合に向けて準備していきたいと思います」

──今日の初勝利を受けて、これまでの試合の中で、一番学びになっていた試合はありますか。

「難しい質問ですね。本当に全試合で課題が見つかっているので、この試合が、とは言えないですね……。(ヘッドコーチのほうを見て)どう思いますか?」

──守備に定評のあるチームである三重Hにアタックが機能していたと思いますが、攻略ポイントはどう考えていましたか?

「相手陣地、ゴール前に入ったときに一人ひとりがハードワークをする。しっかりと選手一人ひとりが体を低くして、レッグドライブをして、ブレイクダウンをクリーンに出してと、シンプルなところをしっかりとできたので、バックスでトライを取れたと思います。一人ひとりのボールキャリーの質だったり、ブレイクダウンの質だったり、ハードワークの質だったりと、誰にでもできる当たり前の部分にこだわった結果かなと思います」

──お誕生日おめでとうございます。なかなか誕生日当日に試合があるものでもないと思いますが、その中で先制トライを決めました。自身のパフォーマンスを振り返ってください。

「ありがとうございます(笑)。あまり誕生日は意識していなかったですけど、せっかく誕生日なので活躍して勝利したいと思っていました。本当にこの1週間は、勝ってファンのみなさんにあいさつすることを毎日、毎日イメージして、それが本当に起きると信じていたので、苦しい場面でもチームのみんなを信じて、メンバーを信じて戦えたのでそれが良かったと思います」

──前節の埼玉WK戦の後半のスコアは同点でしたが、それが自信になった部分はありますか?

「今まではキックのゲームが多かったけど、埼玉WK戦の後半は自陣から自分たちで攻めてチャンスを作れて、自分たちのアタックを信じることができたし、強みだなと再確認できました。もちろん、キックは使いつつ、攻めるところは攻めるというバランス、オプションをうまく使いながらできたので、これからもっと脅威にしていきたいと思います」

──前半に繁松哲大選手の負傷交代がありましたが、そのときのチームの様子はどうでしたか?

「哲大さんはいい守備をしてくれて、フィジカルの部分でも前に出てくれていたんですけど、ああいう形になってしまった。それでも、チームでしっかりと集まって、もう過去のことなので、焦ったり動揺したりせずに次を見ようとだけ話していました。哲大さんを心配して、映像を見ている選手もいましたけど、いまの自分たちに集中しよう、目を自分たちに向けようと(田村)煕さんも話してくれていましたので、集中できていたと思います」

──オテレ・ブラック選手が15番に入りましたが、その点はいかがでしたか?

「ハーフは後ろを見ることができないので、たくさんコミュニケーションを取ってくれると、自信をもってプレーできます。ゲームコントロールできる選手が多かったし、サム・ケレビを含めてプレーしやすかったですね」

三重ホンダヒート

三重ホンダヒートのキアラン・クローリー ヘッドコーチ(右)、パブロ・マテーラ ゲームキャプテン

三重ホンダヒート
キアラン・クローリー ヘッドコーチ

「浦安D-Rockさんが勝ちにふさわしいパフォーマンスをしていたと思います。前半に関してはフィジカルのところがうまくいかず、前に進むことができず、自分たちのやりたいことができなかったです。もちろん、後半になって若干点差は縮まりましたけど、パフォーマンスにも結果にも今日は残念な気持ちですね」

──本来は守備が強いチームだと思いますが、今日はその守備を破られてしまったと思います。その原因をどうお考えですか?

「1つ目のトライがいい例だと思います。キャリーしたときに、相手に簡単にアドバンテージラインを越えさせてしまっていた。それによって幅を取れず、クイックボールがすぐに出るので、さらに幅を作り出す時間もない状況がありました。もちろん、1on1のタックルでミスをしている部分もあったので、相手のドミネイトしてくるキャリーに対して1on1のタックルでミスをしてしまっていたことが1点。それと簡単にアドバンテージラインを越えられてしまって、自分たちの取りたい幅をディフェンスから作り出すことができなかったという2点だと思います」

──ペナルティを取られてしまう回数も多かったと感じます。

「今日は簡単なもの、絶対に防げたようなものも何個かありました。あとは、よく取られていた印象のものでいうと、相手のタックラーが(こちらのボールキャリアを放さず)そのまま(ボールを取りに)入っているように見えていたので、あれはリリースしていないのではないかな(ホールディング)と思っていましたけど、レフリーがリリースしているとするならば、そこに自分たちが順応できなかったと思います。規律に関しては今日だけでなく、自分たちが準備していく部分だと思っています」

──スクラムハーフで竹中太一選手を先発で起用し、土永雷選手をリザーブにした意図を教えてください。また、レメキ ロマノ ラヴァ選手の状態を教えてください。

「竹中と土永の部分ですけど、竹中のほうがラック周りは強かったり、土永よりも少しサイズもあるので、その意味で今日は竹中をスタートで起用して、雷を後半に出すことによってゲームにスピードを出したいと考えていました。

レメキは次のブロックまで見ることはないかなと思っています。さらに今日で言えば、FC・デュプレッシーもハムストリングをけがしたようなので、同じような状況にあると思います。現在、けが人が多いですけど、その中でも違う選手に出場機会が与えられているので、自分たちは最大限を出してやっていくべきだと思っています」

三重ホンダヒート
パブロ・マテーラ ゲームキャプテン

「(ヘッドコーチと)似たようなコメントになりますけど、相手のパフォーマンスが良かったと思います。自分たちからすれば、自分たちのスタンダードを下回るパフォーマンスをしてしまいました。前半はフィジカルで負けていて、後半は追い付いた部分もありましたけど、たとえ、最後に勝っていたとしても試合後にハッピーではなかったと思います。自分たちのパフォーマンスが求められているものではなかった、基準に全然達していなかったと思います」

──前半に自身のアタックによって、相手選手が負傷交代となってしまいましたが、それによってその後のパフォーマンスに影響はありましたか?

「非常に興味深い質問だと思います。もちろん、自分のプレーで相手選手が倒れてしまうのはいい気持ちではないです。ただ、向こうもそうですし、自分たちも今日は絶対に勝たないといけない試合でした。倒れたシーンは、普段なら確認にいきたいシーンでしたけど、今日はそういう余裕もなくて、確認はできなかったです。ただ、お互いが本気でプレーすると、それがいい方向にも悪い方向にも出てしまうことが多々あると思いますが、今日はそれが良くない方向にいってしまったのかなと思います」

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