2025.03.24NTTリーグワン2024-25 D3 第10節レポート(SA広島 40-3 LR福岡)

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第10節
2025年3月22日(土)14:30 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 40-3 ルリーロ福岡

ラグビーへの思いを見つめ直して。復活を印象付ける1年以上ぶりのトライ

マツダスカイアクティブズ広島のスクラムハーフ、前田翔哉選手。「昨季のような良いランはまだできていないですけど、ひとまずトライを取れてうれしい」

前半26分、笹岡海斗がボールキャリーした。25歳が巧みなステップで相手を交わすと、力強く前進してルリーロ福岡の守備組織を乱した。

そのスキを163cmの前田翔哉が突いた。スペースを見つけると自分で持ち運んでスピードに乗ってトライ。1年以上ぶりに決めたトライは、前田の復活を感じさせるトライだった。

昨季、ルーキーの前田は開幕戦でいきなりプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍を見せた。帝京大学出身のスクラムハーフはマツダスカイアクティブズ広島にフレッシュな風を吹かせたが、第4節にひざを負傷してその後のシーズンは欠場することになる。チームにとっても前田本人にとっても、とても残念な負傷になった。

あれから1年以上が経ち、前田は苦難や葛藤を乗り越えて輝きを取り戻そうとしている。

今季はここまで苦しかった。「いつまたけがをするか分からないので、一試合一試合をこれが最後だと思って、悔いの残らないように自分のできる限りの力を出していきたい」と心に決めて臨んだが、なかなか自分らしいパフォーマンスを出せない。

チームは新体制になって強くなり、素晴らしい結果を出していく中で、みんなが楽しそうにラグビーをしている。その波に乗り切れず歯がゆい思いをしてきたが、前田は自分のラグビーの原点にある思いを見つめ直した。

「もともと自分は『みんながワクワクするラグビーを見せたい』、『こんなに小さい僕でもでっかい相手を抜けるところを見せたい』と思ってラグビーをやっている。けがをしてそういう気持ちを忘れていたところがあったので、もう一回そこに戻ろうと思いました」

そして今節、復帰してから初めてトライを取ることができ、80分間プレーすることもできた。「昨季のような良いランはまだできていないですけど、ひとまずトライを取れてうれしい」。喜びはまだ大きなものではないが、表情には笑みが戻ってきている。今節が復活のきっかけになるはずだ。

「これからシーズンは最後の一回りになっていく中で、終わったときに『復活できた』と言えるようなシーズンにしたいなと思います」

間もなく24歳になる前田は力強く語った。

(寺田弘幸)

マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(左)、芦田朋輝キャプテン

マツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ

「いい試合でした。われわれはチームとしてとても良かったと思いました。今週はいろいろあって、けが人も多くいましたので、いつものメンバーではありませんでした。それでも、リーダーが1週間の練習をうまくコントロールしていたし、試合もいいコントロールをしてくれたと思います」

──次節からは3回り目の対戦に入ります。優勝、入替戦も視野に入ってくると思います。抱負を聞かせてください。

「まず、次の試合に集中しないといけません。来週は次の試合に向けた準備だけをすると思いますし、先ほども言ったようにけが人も多いので、一つひとつの試合に集中していきたいと思います。マツダスカイアクティブズ広島らしさは何かというところもいまはまだ調整中ですし、改善点がセットピースには特にあります」

マツダスカイアクティブズ広島
芦田朋輝キャプテン

「本日はありがとうございました。今週は最初から自分たちがやろうとしていたプレーが試合をとおして80分間できたかなと思っております。ただ、試合の序盤にミスが続いてしまったところもあったので、そこは試合中にも修正をしました。また来週も試合が続きますので、今日の試合で出た反省をしっかり生かして次戦につなげていきたいと思っております」

──次節からは3回り目の対戦に入ります。優勝、入替戦も視野に入ってくると思います。抱負を聞かせてください。

「もちろん入替戦に進んで昇格というところがチームの目標ではありますが、先ほど(ダミアン・カラウナ)ヘッドコーチからもあったように、一つひとつの試合にまずフォーカスして勝っていくことが大切だと思っています。(3回り目は)全チームがおそらく僕たちをターゲットにすると思っておりますので、自分たちらしいラグビーというのはどんなものかを一つひとつ見直して戦っていきたいと思っています」

ルリーロ福岡

ルリーロ福岡の豊田将万ヘッドコーチ(左)、三股久典キャプテン

ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ

「今日はありがとうございました。たくさんのお客さんの中で試合をさせていただいて、選手も私もすごくいい経験をさせていただきました。前回対戦で66失点して大敗した相手だったので、その差を縮めて勝つ準備をしてきましたが、やはり相手が一枚上手だったかなという印象です。特にフォワードのところではプレッシャーをかなり受けたと思っています。次はこの差を縮められるようにしっかり準備していくことと、スコアを取って自分たちのラグビーを見せたいな思います」

──今節で二回り目の対戦が終わりました。ここまでリーグワンで戦ってきた手ごたえと、3回り目にテーマにしていきたいことを聞かせてください。

「今季から私たちは参入させていただいて、地に足がついていないじゃないですけど、開幕からそういうところがあって、このリーグでの戦い方というのを私も含めて選手もやりながら経験を積んでいる段階かなと思っています。最初からできていることもあって、修正して良くなっていることもしっかりと目に見えて出てきているので、勝つためには何が必要かということをクリアにしていくことが今後のテーマかなと思っています」

ルリーロ福岡
三股久典キャプテン

「今日はありがとうございました。前節から限られた時間の中で今日の試合に臨みましたが、自分たちの関係性の部分やフィニッシュの部分で、自分たちのミスやペナルティがすごく目立って、なかなか点数を取り切れないところが出たので、次節に向けて完結する部分をしっかり修正して、次節のホストゲームではしっかり勝ちにいきたいなと思います」

──今節で二回り目の対戦が終わりました。ここまでリーグワンで戦ってきた手ごたえと、3回り目にテーマにしていきたいことを聞かせてください。

「今季からリーグワンに参入して、他のチームに比べてメンバーみんなが一緒の職場で働いているわけでもないですし、本当に限られた時間の中で練習だけ一緒というところがあるので、なかなか同じベクトルを向いていくのが難しい中で、個人としてはワンチームになるところをテーマとして挙げてやっています。いま豊田さん(豊田将万ヘッドコーチ)からもお話がありましたが、一試合一試合を重ねていくにつれて、小さい積み重ねですがチームとして成果が出てきているので、あとは勝つというところにしっかりとフォーカスしてやっていきたいなと思います」

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