2025.04.01NTTリーグワン2024-25 D3 第12節レポート(LR福岡 33-17 中国RR)

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25
ディビジョン3 第12節
2025年3月30日(日)12:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 33-17 中国電力レッドレグリオンズ

友人からの“活”で闘志に火。待望の初勝利はリーダーを中心としたフォワード陣の奮闘あり

プレーヤー・オブ・ザ・マッチを受賞したルリーロ福岡の木村圭汰選手

ルリーロ福岡が、第12節の中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)戦でついに待望の初勝利をつかんだ。ここまで未勝利で、幾度となく勝利に手が届きそうでつかみ切れなかった苦闘の日々。そのトンネルを抜けた瞬間、歓喜の中心には一人の男がいた。木村圭汰である。

試合は序盤に3トライを奪われ、苦しい立ち上がりとなった。それでも木村を中心としたフォワード陣はあきらめなかった。試合前、木村のモチベーションを高めたのは、大学時代の友人から届いた「もっと動けよ!」というLINEのメッセージだった。前節のマツダスカイアクティブズ広島戦を見た友人の一言が、木村の内なる闘志に火をつけた。「ちょっとイラッとしたが、やってやろうと思いました」と笑うが、その“活”がこの日のエネルギッシュなプレーにつながったことは間違いない。

前半終了間際には2トライを返して反撃の狼煙を上げ、後半は風上を利用したキックで相手陣内に攻め込んだ。フォワードが前へ出る中、木村はスクラムやラインアウトの要として存在感を放ち、体を張ったサポートプレーで相手を圧倒した。さらに精神的支柱としても、チーム全体の士気を高め続けた。試合終盤には、モールで押し込んでリードを広げる決定的なトライを決め、自ら勝利を引き寄せた。

豊田将万ヘッドコーチは「(中国RRとの)3回目の対戦でようやく勝ててホッとしています」と安堵の表情を見せつつ、木村について「若いながらもキャラクター的に非常によいものをもっている。今季はリーダーとしての役割も任せましたが、周囲を鼓舞し、勝利に導ける存在になってほしい」と称賛した。

試合後、木村はプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。しかし本人は「これはフォワード陣全員のものです。(トライは)自分はたまたま最後にボールを持っていただけ」と謙虚に語った。その裏には、試合前からチーム全体でフォワード戦にフォーカスし、相手にやり返すという共通意識があった。「自分がやるべきことは、セットピースだけではなく、突っ込みたくないところにも突っ込んでいくこと」と語る木村の姿勢には、勝利への執念がにじみ出ていた。

苦しみ抜いた末の初勝利。しかし、木村の視線はすでに次の戦いへ向かっている。「セットピースはもちろんですが、もっと体を当て続けてモメンタムを作る。自分の役割をやり続けるだけです」と語るその眼差しには、さらなる勝利への覚悟が宿っていた。

(柚野真也)

ルリーロ福岡

ルリーロ福岡の豊田将万ヘッドコーチ(右)、三股久典キャプテン

ルリーロ福岡
豊田将万ヘッドコーチ

「今日はありがとうございました。2巡目以降、非常に好調だった中国電力レッドレグリオンズさんに対して、3回目の対戦でようやく勝利することができて正直ホッとしています。ここまで勝利に近づいたり、遠ざかったりを繰り返しながら来ました。僕自身、チームの選択、マネジメントに自信をもてない時期もありました。それでも選手たちがグラウンドで必死に戦い続けた結果が今日の勝利につながったと信じています。今後も試合は続きます。次節は狭山セコムラガッツさんとの対戦が控えています。僕らはチャレンジャーとして、引き続き同じように戦いを進めていきたいと思います」

──この1勝がチームにもたらすものは何だと考えていますか。

「勝てていない状況の中で、『自信をもとう』『自信を付けよう』と言っても、正直なところ、それが一番難しかったです。ただ、こうして勝ったことで得られる自信というのは、チームにとって大きな意味があります。今回の勝利に至った要因や自分たちが積み重ねてきた成果をしっかりと選手に伝え、次節以降にも生かしていきたいと思います」

──プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた木村圭汰選手の評価をお願いします。

「木村選手は若いながらもキャラクター的に非常に良いものをもっています。今季はリーダーという役職も与え、キャプテンがいないときにはゲームキャプテンも任せました。彼に一番期待しているのは、自分のプレーで周囲を鼓舞し、勝利へ導く存在になることです。今日もまさに素晴らしい活躍を見せてくれました」

ルリーロ福岡
三股久典キャプテン

「今日はありがとうございました。ホストゲームで勝ち切れたことは本当に大きなことだと思います。メンバー全員がしっかりと準備してきたことを、試合でしっかり体現できた結果です。メンバーに入っていなかった選手やファンの方々も含めて、会場の雰囲気が勝利を後押ししてくれたことに心から感謝しています。次の試合もタイトなスケジュールになりますが、今日はしっかりと喜びをかみ締め、明日から気持ちを切り替えて、次の試合に向けて準備していきたいと思います」

──初勝利まで長かったですが、あらためてこの勝利をどう感じていますか。

「素直にうれしいです。トヨさん(豊田将万ヘッドコーチ)も言っていましたが、負けが続いていただけに、ホストゲームで勝ち切れたことはチームの雰囲気にも良い影響を与えると思います。この勝利が、チームが再びワンチームとして結束するきっかけになると信じています」

──前半にコンバージョンキックを2本失敗していた中で、後半開始直後にペナルティキックを選択しました。あの場面について振り返ってください。

「後半に入ったときは風上だったので、もし失敗しても相手のドロップアウトからの再開になると考えました。その場合、(相手キックの)距離はあまり出ないので、そこから自分たちのアタックを継続できるという意図がありました。時間を使いつつ、ショットを狙っていくという判断でした」

──松尾将太郎選手のキックの精度に対して、信頼を置いていたということですか。

「プレースキックは松尾選手の強みです。そこは常に信頼しているので、毎回自信をもってショットを選べます」

──勝利を確信した瞬間はいつでしたか。

「最後のショットを決めたあたりです。2トライ、2ゴールでは追い付けない点差になったときに、『これはイケる』と思いました。でも、最後まで気を抜かずに戦い抜きました」

──この勝利がチームにもたらすものは何だと考えていますか。

「間違いなくチームの雰囲気は良くなります。次の試合に向けて良い雰囲気で準備できると思います」

中国電力レッドレグリオンズ

中国電力レッドレグリオンズの岩戸博和ヘッドコーチ(右)、西川太郎 共同キャプテン

中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和ヘッドコーチ

「試合の総括ですが、特にルリーロ福岡(以下、LR福岡)さんのボールを動かすアタックに対して、われわれがうまく対応できなかったことが大きな課題でした。前半、風上のエリアで点差を広げたかったのですが、そこでもう少しアドバンテージを取れていれば、試合の展開も違ったかもしれません。また、個人技でトライを取るシーンが多く、チームとして相手を崩し切れていない印象がありました。後半にしっかりと修正してスコアを取ろうと話していましたが、それを体現できなかったことが悔やまれます。次節はヤクルトレビンズ戸田さんとの試合がありますので、そこに向けてしっかり修正していきたいと思います。われわれはまだまだ強くなれるので、前を向いて次に進んでいきます」

──風下となる後半、ハーフタイムではどのような指示を出しましたか。

「やはり後半は風下になることもあり、キックの選択肢が制限される状況でした。『かなりタフな後半になる』と選手には伝えました。その上で、とにかくアタックを継続することを強調しました。細かいキックの使い方についてはバックス陣と話をしましたが、どうしても自陣に張り付けられてしまうと厳しい展開になるというのは、上から見ていても感じました。このあたりで打開策を見出せなかったことが、私自身の反省点でもあります。次節に向けて、しっかりと修正していきたいです」

──この風の影響は予測されていたのでしょうか。

「(スタジアムのある)久留米に入る前の時点では、まったく計算していませんでした。風の影響はかなり大きかったです」

中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎 共同キャプテン

「LR福岡さんの勢いのあるアタックに対して、自分たちはペナルティを重ねてしまいました。ノットロールアウェイなどのペナルティが多く、結果的に自陣でプレーする時間が長くなってしまったのが課題です。前半の点差では、後半は風下になる点を考えると非常に厳しい状況でした。全体的に、LR福岡さんのアグレッシブなアタックに対して、自分たちが受け身になってしまったことが大きかったと感じています」

──後半にペナルティが多くなった要因は何でしょうか。

「タックルには行けていましたが、押し込まれる場面が多く、その結果、下敷きになってペナルティを取られてしまいました。また、ゲインラインを切られることで、ボールに絡もうと焦るあまり、ペナルティも増えてしまいました。これらはすべて、ディフェンスが受け身になってしまい、前に出られなかったことが原因だと思います。ディフェンスラインを引いてしまったことで、より相手のアタックに押し込まれてしまいました」

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