NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第1節（リーグ戦）カンファレンスA
2025年12月14日（日）14:30 日産スタジアム (神奈川県)
横浜キヤノンイーグルス vs 静岡ブルーレヴズ

静岡ブルーレヴズ（D1）

自分の判断を大事にして積極的に。静岡ブルーレヴズの家村健太選手はゲームキャプテンで先発予定だ

「僕のパフォーマンスが落ちるときって、1回ミスして考え込んだりとか、試合前に『こうなったらこうしとこう』とかいろいろなプランを無駄に考え過ぎて、いざ試合になったら逆に瞬間的な良い判断ができなくなったり、頭で考え過ぎてしまったときだと思います。もちろん準備は大事なので必要な準備はしっかりしますけど、試合の中ではその場その場の判断でやる。ミスをしても引きずらない。それで次のプレーに集中すれば自分は良いパフォーマンスを出せると思いますし、プレシーズンマッチでは、自分の判断を大事にして積極的に躊躇なくプレーを遂行できているかなと思います」

横浜キヤノンイーグルスとの開幕戦で、ゲームキャプテンとして先発する予定の家村健太。京都産業大学から加入して今季が4シーズン目。開幕戦では3年連続の先発となる主力選手だが、昨季は後半戦に出番が減ってプレーオフトーナメント準々決勝に出場できず、悔しさも味わった。

そんな中で感じていた自分の課題が、冒頭の言葉の前半部分だ。非常に真面目で責任感も強いぶん、少し背負い込み過ぎて迷いが生じたり、判断が遅れたりすることがあるのは、彼に限らずよく聞く話だ。今季はそこから脱皮する意味で、6月から約4カ月間ニュージーランドへラグビー留学したことは、一つのきっかけになったと言う。

「ニュージーランドで一緒にやった選手たちは、みんな純粋にラグビーが好きでラグビーを楽しんでやっているなというのを、すごく肌で感じました。日本を出るときも、藤井さん（藤井雄一郎監督）には『ラグビーを楽しんでこい』としか言われなかったので、ラグビーを楽しむことがすごくできたと思います。もちろん、体づくりもできましたし、スキルの面でも収穫は多かったですが、自由な時間もたくさんあったので、その中でいろいろとラグビーのことを考えながら、でも深く考え過ぎずに楽しくできたのは良かったと思います」（家村）

家村の性格を理解しているからこそ、留学をとおして楽しむことの大切さを伝えようとした藤井監督は、いまの家村を見て「僕は彼と3年目ですけど、かなり落ち着いてプレーできるようになっていて、いまが一番良いと思います」と語る。ゲームキャプテンを任せたのも、信頼の証だろう。

「もちろん開幕戦なので緊張すると思いますけど、開幕戦に出られていることに感謝しながら、緊張感も含めて楽しみたいと思います」と語る24歳。チームキャプテンのクワッガ・スミスは、南アフリカ代表での活動で合流が遅れて欠場となるが、冷静かつ速い判断で静岡ブルーレヴズの攻撃的ラグビーを司ってくれるはずだ。

（前島芳雄）