2026.03.23NTTリーグワン2025-26 D2 第5節レポート(GR東葛 54-14 釜石SW)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年3月22日(日)13:00 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 54-14 日本製鉄釜石シーウェイブス

チームのために、体を張る理由。崖っぷちからの現在地

NECグリーンロケッツ東葛の小幡将己選手。「何よりファンの方々の思いを裏切ってはいけないと思った」

勝利の歌の中心には彼がおり、明るく笑顔で人に接する。トレーニングではハードワークを欠かさず、謙虚にやるべきことをやり続ける。信頼の上に成り立っているムードメーカーが、NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)の小幡将己という男だ。

昨年12月20日以来、6試合ぶりの出場となった試合で、彼はチームのファーストトライを決めた。キャプテンのローリー・アーノルドをして「自分たちが良い取り組みをできている証明になった」と称する素晴らしい流れからの、しかも相手に先制された中でのトライだった。だからこそ、小幡の周りには大きな歓喜の輪ができた。

「うれしかったですが、あまりトライを取らない選手ですし、(スコアを)追い付くことに必死過ぎて……」

当人はそう話し、自らの手柄というよりもスカウティングやチームメートのおかげだと口にした。自身のトライも、「チームのためにやったこと」。この言動こそ、彼の人柄を表していると言えるだろう。

今季の開幕から2試合続けて先発を果たすも、そのあとはメンバー入りもなし。それでも、彼は「一貫性をもってハードワークし続けること」をやめなかった。

「勝負の世界ですが、メンバーに入らなくてもやれることはあるし、ラグビー選手として成長するためには日々できることを積み上げていかないとダメ。人生、良いときもあれば悪いときもある。いかに頑張れるかだと思います」

その考えに至った中で、彼にとっての岐路はGR東葛に加入した1年目のシーズンにあった。公式戦に出場できない中、シーズン終了が近づいた22年3月ごろに田中史朗氏(現・アカデミーディレクター)から衝撃の事実を聞いた。

「このままだと来季の契約がないらしいぞ」

田中氏のアドバイスを聞いた上で、自らコーチに掛け合い、「まだここでラグビーを続けたい」と申し出た。その会話がなかったら、「いまこうやってラグビーができていたか分からない」と彼は振り返る。だからこそ、小幡は日々の一瞬を大事に過ごすようになった。

日本製鉄釜石シーウェイブス戦の先発が決まった試合までの期間は、彼にとってだけでなく、チームにとって激動のものだった。その中で小幡は、「何よりファンの方々の思いを裏切ってはいけないと思った」。そして彼は活躍し、チームは素晴らしい勝利を手にした。それこそ、試合でGR東葛が表現した、ファンへの大きなメッセージだった。

「ファンのみなさんには本当に感謝しかないですね。このチームはみんな選手同士の仲が本当に良くて、めちゃくちゃ一体感があります。だからこそ、チームのために体を張れるし、キツいことも頑張れる。素晴らしいタレントばかりなので、その中で自分は泥臭くひたむきにやっていきます」

「縁の下の力持ちになりたい」と控えめに彼は言う。ただ、小幡のようなプレーヤーがこのチームを支えているのは確かな事実である。

(田中直希)

NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛のグレッグ・クーパー ヘッドコーチ(右)、ローリー・アーノルド キャプテン

NECグリーンロケッツ東葛
グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「まず今週は、チームにとって非常に難しい1週間でした。起こってしまった件については、ファンの皆さまに深くお詫び申し上げます。失ってしまった信頼を取り戻すためにも、今日の試合で良いパフォーマンスを見せることが重要だと考え、ラグビーに集中して準備してきました。チームとしても非常に残念な思いがありますし、ファンの皆さまも同様だと思います。その信頼を回復するために、まずはプレーで示すことにフォーカスしてきました。

試合に関しては、アタッキングも目指しているものを出してくれていたと思うのですが、ディフェンスのコミットする力が素晴らしかったと思っています。特にトライラインの前で守るためにハードワークするところを体現できていました。信頼を取り戻すためには、ディフェンスで勇敢さを見せることが非常に大事だと感じていまして、それを今日、選手たちが体現してくれたと思います。コミットすることができていましたし、勇敢さを見せることができていたと思います」

──序盤に相手のフィジカルに押されてトライを許しましたが、そこから盛り返せた要因は何でしょうか。

「日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)はブレイクダウンでフィジカル的なプレッシャーを掛けてくるチームです。その強度に対して、立ち上がりは十分に対応できていなかったと感じています。ただ、選手たちがその状況を認識し、より強く戦う必要があると理解してからは、しっかりと対応できるようになり、流れを引き戻すことができました」

NECグリーンロケッツ東葛
ローリー・アーノルド キャプテン

「まずは本日会場に足を運んでくださったファンの皆さまに感謝申し上げます。信頼を取り戻すことがチームにとって非常に重要であり、今日のパフォーマンスがその第一歩になっていればうれしく思います。

試合に関しては、(チーム)最初のトライが、自分たちが良い取り組みをできている証明になったと感じています。全体としても良い仕事ができていたと思いますが、さらに改善できる点がないかしっかりレビューし、次につなげていきたいです。来週もホストゲームになりますので、あらためてその(改善できる)点にフォーカスして準備していきます」

──来週の試合に向けてポイントになる点は何でしょうか。

「ショートウィークとなるため、まずは選手全員が100%リフレッシュした状態でトレーニングに入ることが重要です。その上で、チームとしてどう勝つかという点に対する理解は確実に深まってきていると感じていますので、あとはそれを試合でどれだけ遂行できるかにかかっています。

チームのスタイルとして、セットピースやキッキングゲームといった面で、各選手の役割遂行が重要になります。そこに加えてフィジカル面でしっかり戦うことができれば、来週も良い試合ができ、勝利につながると考えています」

日本製鉄釜石シーウェイブス

日本製鉄釜石シーウェイブスのトウタイ・ケフ ヘッドコーチ(右)、河野良太キャプテン

日本製鉄釜石シーウェイブス
トウタイ・ケフ ヘッドコーチ

「非常に残念な結果となりました。今シーズンで最も悪い試合だったと感じています。特にディフェンスが機能せず、受け身に回ってしまった点が大きな課題として浮き彫りになりました」

──本来はフルバックなどを務める髙居海靖選手が10番で出場しましたが、どういう理由からでしょうか。ミッチェル・ハント選手や落和史選手の状況も含めて教えていただけますか。

「ハント選手と落選手はいずれもけがで出場できませんでした。ハント選手は週の後半に負傷し、(メンバー発表時は10番で出場する予定となっていたが)メンバー変更を余儀なくされました。落選手は先週の試合での負傷です。若い髙居選手にとっては、このポジションでプレーする貴重な機会であり、このレベルでゲームをコントロールするのは初めての経験だったと思います。良いチャレンジになったと捉えています」

日本製鉄釜石シーウェイブス
河野良太キャプテン

「本日の試合は、フィジカルの部分をフォーカスポイントとして臨みましたが、そこで後手に回ってしまい、相手に思うようにアタックさせてしまいました。それが敗因の一つだと感じています。

また、アタックにおいても自分たちのミスが多く、フェーズを重ねることができず、意図した攻撃ができませんでした。その結果、流れを相手に渡してしまったと思います。しっかり切り替えて、次の試合に向けてチームとして取り組んでいきたいです」

──ディフェンス面で受けに回ってしまった要因について教えてください。

「ディフェンスのファーストタックルでミスが多く、本来狙っていた2人目、3人目でプレッシャーを掛けてラックを遅らせる形が作れませんでした。その部分がうまく機能しなかったことが大きかったと感じています」

試合詳細

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