2026.05.03NTTリーグワン2025-26 D2 第13節レポート(GR東葛 39-29 花園L)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第13節
2026年5月2日(土)14:30 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 39-29 花園近鉄ライナーズ

特別な一戦で生え抜き二人が刻んだ“意味”

ハイボールキックを自らチェイスしたNECグリーンロケッツ東葛の宮島裕之選手

NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)は、首位・花園近鉄ライナーズを相手に39対29で勝利を収めた。

来季からJR東日本へ譲渡されることが決まっている中、この一戦はGR東葛として戦う最後のホストゲームとなった。柏の葉公園総合競技場には11,620人の観客が詰めかけ、スタジアムは試合前から特別な空気に包まれていた。

グレッグ・クーパー ヘッドコーチも「非常に特別な試合だった」と振り返るように、この日のピッチには、単なる1試合以上の意味があった。

その中で、一つの象徴的なシーンがあった。後半開始直後のトライだ。

13対10と3点リードで迎えた後半、風下に立つ状況での最初のプレー。後半の流れを左右する局面で、試合を動かしたのは宮島裕之だった。

「ハーフタイムに、風下だからランでいこうという話はあったんですけど、フォワードの動きとチェイスラインを見てキックに判断を変えました。ただ、相手に渡すのではなくて、再獲得できるボールを蹴りました」

状況を見て選択を変えたキック。風に煽られ、戻されることを想定して高く上げたボールに対し、宮島はランを開始。相手選手と競り合った中でボールがこぼれたが、そこに反応したのが後藤輝也だった。

後藤輝也選手のキャリーをはさみ、最後は宮島選手のトライとなった

「僕の持ち味はハイボールですし、そこで競れる判断ができました。あとはテルさん(後藤)の嗅覚と、僕がサポートに入れたことも含めて、いろいろとかみ合ったトライだったと思います」(宮島)

前身のNECグリーンロケッツ時代から在籍する生え抜き二人による連係。その一連のプレーが、この試合のもつ意味をさらに色濃く強調する形となった。

宮島は試合全体をこう振り返る。

「全員、気持ちが入っていましたし、集中力もありました。一つひとつのプレーの反応も良かったと思います」

その言葉どおり、80分をとおしてチームが崩れることはなかった。そして、その背景にはスタンドを緑に染めたファンの後押しもあった。

40年の歴史の最後を飾るにふさわしいゲーム。ただ、この勝利は終わりではない。宮島は、来季へとつながる視点を持ちながらも、今季まだ残されている一戦にフォーカスする。

「やることをやれば勝てるチームだと証明できた。それを出し続けるために、一人ひとりのメンタルや姿勢が大事になると思います。来週の最終節に勝たないと意味がないので、これをつなげて勝って終わりたいと思います」

NECグリーンロケッツ東葛としてのホストゲームは、この日で幕を閉じた。だが、シーズンはまだ終わっていない。次節のレッドハリケーンズ大阪戦、積み上げてきたものを結果で示し、有終の美を飾る。

(鈴木潤)

NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛のグレッグ・クーパー ヘッドコーチ(右)、ローリー・アーノルド キャプテン

NECグリーンロケッツ東葛
グレッグ・クーパー ヘッドコーチ

「今日は非常に特別な試合だったと思っています。今季最後のホストゲームであること。またNECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)としても最後のホストゲームであること。この機会に多くのファンの皆さまにお越しいただき、その多さに驚きましたし、個人的にはOBのみなさんの顔を久しぶりに見ることができて非常にうれしく思いました。あらためて、ファンの皆さまが来てくださったことに心より感謝しています。

本日の相手である花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)にとっては、(D1/D2)入替戦進出を懸けた試合であることを理解していましたので、全力で戦ってくるだろうと思っていました。現在、(D1/D2)入替戦出場を争っているのが豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)と清水建設江東ブルーシャークスであることもあり、必ず勝たなければならない試合として臨んでくると考えていましたし、勝利することが容易ではないことも分かっていました。その中で、チームは戦術をよく遂行してくれました。相手に対してプレッシャーを掛け続けようという話をしていましたが、実際にそれをやり続けることができたと思いますし、その点においては、花園Lが追い上げなければならない試合の流れを作れたと思っています」

──この特別な試合の前に、選手たちにはどのような言葉を掛けたのでしょうか。

「まず、この素晴らしい機会を楽しんでほしいということから話し始めました。多くのファンの皆さまが来てくださる中で、この機会をしっかり楽しんでほしいということです。また、正しく物事を遂行すれば必ず結果は付いてくるということも伝えました。私の中で最も大事なメッセージは、後悔のないよう全力で取り組んでほしいという点でした。スターター、リザーブ、交代メンバーと、どの立場であっても、自分が試合を終えたときに『これ以上はできなかった』と思える形で終えてほしいという話をしました。今日は遂行力以上にエフォートが上回ることを求めていましたし、それが非常に重要な試合だったと思っています」

NECグリーンロケッツ東葛
ローリー・アーノルド キャプテン

「ヘッドコーチが申し上げたとおり、本当に特別な1日だったと思っています。GR東葛として最後のホストゲームであったこと。そして、後藤輝也選手の公式戦100キャップという記念の試合でもあったことを踏まえ、そこで良いパフォーマンスを見せてくれた選手たちを誇りに思います。この試合は、後藤選手のためでもあり、そして、ファンの皆さまのための試合でもあったと思っています。今季だけでなく、これまでずっと支えてくださったファンの皆さまに、少しでも恩返しができたのではないかと感じています」

──試合前、キャプテンとして選手たちにはどのような言葉を掛けたのでしょうか。

「ヘッドコーチとほぼ同じメッセージです。特に『後悔しないこと』という点を強調しました。試合直前に伝えたもう少し具体的な内容としては、こうした特別な試合を経験できる機会は、自分のキャリアの中でも数少ないものであるということです。ラグビー選手としてのキャリアを終えたときに残るのは、ある意味で思い出だと思います。だからこそ今日は、その思い出をしっかりと作り、この機会を楽しみながら、後悔のないようにプレーしようという話をしました」

花園近鉄ライナーズ

花園近鉄ライナーズの太田春樹監督(左)、ピーター・ウマガ=ジェンセン共同キャプテン

花園近鉄ライナーズ
太田春樹監督

「まず初めに、GR東葛のメモリアルマッチということで、たくさんのお客さまの前でプレーできたことを大変うれしく思っております。また、NECさまが長きにわたり、日本ラグビーにご尽力されてきたことに感謝申し上げますとともに、JR東日本さまへ継承されるということで、花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)としても、今後もお互いに切磋琢磨しながらラグビー界に貢献していきたいと考えております。

試合につきましては、GR東葛の勢いに押される場面が多く、ディフェンス面でも多くの課題が出ました。1週間でチームを大きく変えることはできませんが、課題をしっかり見つめ直し、良い準備をして最終戦に臨みたいと思っております」

──次節は豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)との直接対決です。この1週間でどういう部分を修正して臨みたいですか。

「特にラインアウトからのディフェンスです。この試合では多くの場面でやられてしまった部分ですので、そこは必ず修正しなければいけません。あとはペナルティの部分です」

花園近鉄ライナーズ
ピーター・ウマガ=ジェンセン共同キャプテン

「この記念となる試合に向けて、GR東葛のみなさんが素晴らしいチーム作りをされ、このゲームに向けてラグビーを仕上げてこられたことに敬意を表したいと思います。GR東葛にとっては(NECとして)最後のホストゲームでしたが、これだけのラグビーをこれだけ多くのファンの前で見せられたことは本当に素晴らしいと思います。

敗因としてはセットピースのディフェンスです。トライがキャンセルになった場面もありましたが、私たちは規律を維持することができませんでした。フラストレーションが溜まります。一人ひとりで解決しなければならない課題も多く、私自身も、いまの状態をご覧いただければ分かると思いますが、まだ試合をどう捉えていいのか整理できていません。ただ、今日の試合を学びに変え、次の試合につなげなければならないことだけは理解しています」

──次節はS愛知との直接対決です。この1週間でどういう部分を修正して臨みたいですか。

「セットピースのディフェンスにおいて役割を全うすること。あとはゲームコントロールの部分です。勢いが出たときに、その勢いをどれだけ維持できるか。また、あまりアタックができなかったので、その点も改善したいと思います」

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